東京都立府中工業高校の男性教諭(35)が今年5月、2年生の東京観光の校外学習で、生徒が集合時間に遅れたことをとがめて、生徒96人に都庁前広場で正座させていたことがわかった。同校は不適切な指導だったとして、保護者説明会で謝罪。長時間の正座は体罰にあたるため、都教育委員会が男性教諭の処分を検討している。

 都教委や同校によると、不適切な指導があったのは5月22日。2年生156人が5〜6人の班に分かれ、浅草や東京タワーなどを回った。各コースの途中7カ所で集合時間を設け、教員が遅刻がないかを確認。男性教諭は生徒らが解散場所の都庁前広場に集合した際、遅刻があった班の96人に「遅刻について話をするのできちっと座りなさい」と居残らせ、約20分間、タイル張りの地面に正座させたという。

 男性教諭は校外学習の責任者だった。同校の調査に、「遅刻は悪いことだと理解させたかった」と釈明。都教委は周囲にいた教員が止めることができなかった点を問題視し、学校側に管理態勢を見直すよう指導した。滝沢勝校長は「一般の人が多数いるなかで、生徒に身体的、精神的な苦痛を与え、大変申し訳ない」と話している。

クリス松村“正座で指導”に賛成 「立たせるとかが身体的苦痛の体罰?」

 タレントのクリス松村が11日、自身のブログで体罰とは何か、と疑問を呈した。考えるきっかけとなったのは都内の高校が行った校外学習で、遅刻した生徒に対し正座を命じた上で指導をしたという出来事。生徒に精神的・身体的苦痛を与えたとして問題になっているが、クリスは「20分程度、いけないことだと話を聞かせるのに、正座や立たせるとかが身体的苦痛の体罰?」と正当性があると主張した。

 こうしたある程度の身体的な強制を伴う指導は学校教育の現場でどの程度まで許容されるのか、しばしば議論になる。クリスも学生時代に「トラウマのように今でも心に残る廊下に立たされた事件がありました」と振り返ったが、トラウマになった理由は「冤罪」だったからだという。これは自分が気が弱く、「いじめっ子」の意見ばかりが通ったがゆえのことだったと苦々しげに振り返った。

 自分がはっきりと悪いことをした上で正座をさせられたケースは「いい思い出ですし、あの指導があって良かった」としたクリス。今回の高校の場合、正座を命じられたのは多数で、その中に精神的に弱い子がいる可能性も考慮した上で、「悪いことを指導する場合に心の弱い者を中心に指導を考えたら、教師はどう悪いことを教育をすればよいのかな…と考えます」と疑問を投げかけた。


公衆の面前で正座させるのはどうかと思うけど、じゃあ都教委はどういう指導が適切だったというんだろう…。