ボリショイ・バレエ『ラ・バヤデール』(12月4日夜公演)


  あくまで個人的な感想ですが…。

  超一流バレエ団による超二流な公演を観た、という印象です。

  これがたとえばキエフ・バレエやミハイロフスキー劇場バレエの公演なら、大絶賛もののレベルでしょう。でも、これはボリショイ・バレエの公演です。ボリショイ・バレエの本来の実力からすれば、このような舞台を見せてはいけないと思います。

  ただ一つ、ガムザッティ役のアンナ・チホミロワは大当たりでした。驚異的な身体能力を持っていることは、ボリショイのダンサーですから当然でしょうが、加えて鉄壁の技術、そして極めて優れた演技力と表現力とを持っています。(第二幕のグラン・パ・ド・ドゥ、ヴァリエーションの最後とコーダでやや息切れしてしまったようですが、これは経験を積むことで解決していける問題でしょう)。

  なにより、チホミロワはオーラというか非常に華のあるバレリーナで、自然に目が吸い寄せられました。マリーヤ・アレクサンドロワと雰囲気が似ています。また、ナターリャ・オシポワも彷彿とさせました。つまりはスター性があるということだと思います。先が楽しみです。

  ボリショイ劇場管弦楽団の演奏は相変わらずテンポが爆速。「太鼓の踊り」での打楽器が特にすばらしく、高揚感をいっそう盛り上げていました。『スパルタクス』でもそうでした。ボリショイ劇場管弦楽団の打楽器は実に爽快で力強く、聴いているほうもエキサイトします。

  ユーリー・グリゴローヴィチの「改訂」は、もはや「改悪」の域に達しているのでは。屋上屋を架すとはまさにこのことだと思いました。もういいかげん、毎年毎年、しつこく改変を重ねていくのは止めたほうがいいのに。

  詳しい感想は、後日書けたら書きたいと思いますが、正直それほどの舞台ではなかったという気がしています。

  
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コメント
 
 
 
眼直しで…? (みーしゃ)
2014-12-06 00:49:48
チャウさん、こんばんは!
4日の夜に、シアターオーブにアルゼンチンタンゴを見に行きました。 モーラ・ゴドイの「シャンテクレ―ル」です。 これは、スピードとセクシーさにおいて感動モノでした。

女性のモーラ・ゴドイは40歳半ばくらい? 
足さばきの見事さと、華やかさ、それに脚のラインは本当に綺麗!

そして、相手役のマルコスは身長の高さといい、動きの素早さといい、確実なリフトといい、踊りの安定感といい、カッコ良すぎる!!!

この二人はもともとバレエダンサーだったらしく、特に男性のマルコスはフリオ・ボッカスクールでバレエを学んだそうです。 

残る公演は明日の12時半~の昼公演、17時半~の夕方公演、日曜日の12時半~の昼公演のみ。
でも、チケットがあまり売れていないようなので、当日券でも十分に入れます。

もし、お時間が合えば是非ご覧になってください。
アダム以外にカッコ良いと思った男性ダンサーは、機能のマルコスと、その昔のフィギュアスケーターのロビン・カズンズ位です(笑)
 
 
 
フリオ・ボッカ! (チャウ)
2014-12-07 19:33:38
みーしゃさま、こんばんは

「シャンテクレ―ル」は、『雨に唄えば』の会場で配られていた公演チラシの中に入っていた、あれですね(←男女のペアが踊っている画像を思い出している)。

フリオ・ボッカ、懐かしい名前です。そうですか、今はバレエ・スクールをやっているのですか。優しげな雰囲気のハンサム、しかも非常に頼もしい、良いダンサーでしたね。

私の中では、フリオ・ボッカ→ホセ・カレーニョ→マルセロ・ゴメスと、3人が一つの線上に並んでいます(似てません?)。

ボッカのバレエ学校で学んだというそのマルコスさん、みーしゃさまがそこまでおっしゃるほどのイイ男ならば、ぜひ拝顔(もちろん踊りも)したかったところです。

しかし、今日はボリショイ・バレエの公演に行ってきたため、機会がありませんでした。残念。次を待つことにします。

ボリショイの『ラ・バヤデール』は、あるダンサーに対して腹が立ってしまったのです。それでついきついことを書いてしまいました。
 
 
 
確かに~ (みーしゃ)
2014-12-07 21:05:03
チャウ様、こんばんは!

そうです! あのチラシのイベントです。
実はどうしようかな~と迷っていたのですが、知り合いに誘われたので行ってきましたが、本当に良かったです。

普通のアルゼンチンタンゴは、踊りだけでストーリー性はないため、どうしても見ていて飽きるのですが、今回はちゃんとストーリーがあって、バレエのようなものだったのです。
ただし、タンゴ・ミュージカルというタイトルは無理があり、歌手の歌う歌も字幕が出ないので意味が不明… でも、ダンサーのレベルは高かったですよ。

パンフレットの写真を見る限り、マルコス・アマヤ氏はイケメンには見えないのですが、踊りは本当に素敵でした。 やはり、舞台は身長の高い男性が絶対に得!をしますね。

ラテン系のダンサーという意味では、確かに3人は似ている気もしますね~

ちなみに、今日はほとんど満席でした。
金曜日の夜には、宝塚の方々が沢山いらしていたようです。口コミで人気が出てきたのでしょうが、いかんせん、4日しかなかったので、あっという間に終わってしまいました。次回があると良いのですが…
それより、DVDを売ってほしいです。

追伸: 昨日のコメントで、昨日が「機能」になっていました 情けない… お詫びして訂正します

 
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