世界中から

  今日(17日)の「ガイズ・アンド・ドールズ」は、パトリック・スウェイジが休演した。当日いきなりの発表だった。でもスウェイジのオフィシャル・サイトには、きちんと情報が載っているのかしら?

  客の入りにあからさまな違いがあったらどうしよう、と心配したけど、いつもと同じようにほぼ満席の盛況だった。

  嬉しかったのは、昨日休演したナイスリー役のマーティン・エリスが出演したこと。やっぱりこの人は声がよく響いて、歌い方も上手でいいよね。

  今日はハリー役のロビー・スコッチャーも休演した。ハリー役はいつもハバナ・ボーイをやっているテイラー・ジェイムズが担当した。テイラー・ジェイムズは、本来はダンス畑の人なんだろうな。セリフ回しがあまりうまくないから。

  それにしても、みなセリフをしゃべるのが速い速い!3月の倍速になったんじゃないか。しかも隠語をたくさん用いるものだから、追いつくのがとても大変で、ストーリーが分かっているからいいものの、前知識なしにいきなり観たら、どういうストーリーなのかてんで見当もつかないだろう。

  新アデレイドのクレアさん(すみません、まだ名前を覚えていません)は、サリー・アン・トリプレットのかわいらしいアデレイドに比べると、爆裂ボディを持ち(巨乳)、お色気たっぷりにふるまう、セクシーなアデレイドである。
  それぞれの役作りがあるわけで、ちょっと下品じゃないかと思うときもあるが、これはこれでいいのだろう。

  昨日観たパトリック・スウェイジのネイサンも、旧ネイサン(名前忘れた)に比べると、ひょうきんで軽い調子のスケベオヤジ(ごめん)であった。旧ネイサンは、どことなく気弱で情けない感じを漂わせていて、軽くてスケベな雰囲気はなかった。同じ役でも、演じる人によっていろんなキャラクターになるのだな、と思った。

  クーパー君のスカイは、3月に比べるとワル度が増している。3月はまだ生真面目というか、リハーサルしたとおりにやっている、という硬さがあったのだが、今では彼なりのスカイ像を確立したようだ。

  何回か観てると分かるのだが、ミュージカルでも同じ舞台はないのである。すべてが型にはまったルーティン・ワーク的に進むわけではない。各キャストの演技も毎回違う。クーパー君もそう。アドリブがとてもうまくなった。

  クーパー君のスカイは、一見クールなワルだが実は意外と優しくて正義漢、しかもユーモアもある。サラ・ブラウンを口説くため、救世軍の教会に出向いて涙の大ウソ懺悔をするシーンは爆笑である。
  サラとハバナに行くシーンでは、史跡をいちいち巡るサラにつきあって、うんざりしている表情が笑える。

  昨日も書いたけど、ハバナ・ダンスのシーンは圧巻よ。クーパー君とハバナ・ガールの踊りのシャープできれいなこと!ハバナ・ガールをリフトしてぐるぐる回すとこなんて、回転する円が水平を保っていて(他の出演者はたいてい円が崩れる)、美しく丁寧に踊るバレエ・ダンサーの性が出てしまっている。

  女性ダンサーをリフトして踊ると、他の出演者との差がはっきり分かる。やっぱりクーパー君のリフトは流れるようで、女性ダンサーが美しく映えるし、思わず見とれてしまうのだ。
  男性陣が床に両手を着いて(腕立て伏せみたいな姿勢)両脚を高く上げ、その瞬間に両の足を打つ動きでも、クーパー君がいちばんきれい(ほほほ、私は彼のファンなのよ)。

  クーパー君は「Luck Be A Lady Tonight」では少ししか踊らないけど、ほんの一瞬ピルエットするところがある。ギャンブラーたちの中心にいるから、見逃してしまいがちだけど、ギャンブラーたちと一緒に円になってぐるぐる走った後に、するりと輪の中心におさまって、くるりとピルエットする。

  やはり彼は踊ると水を得た魚のようになる。クーパー君のダンスがもっと見たい、とあらためて思った。

  クーパー君の歌については、小手先のテクニックは上手になったとは思うが、本質的なところではまだ不安定だと思う。ちゃんと歌えているけど。まあ、マーティン・エリスと比べちゃダメだよな。

  カーテン・コールは大盛り上がりであった。最後に主役のネイサン、アデレイド、スカイ、サラが出てきたときには最も大きな拍手と歓声が起こった。今日の公演にはパトリック・スウェイジはいない。とても安心した。

  いくつか気づいたことがある。今は8月で、観客は私のような外国人観光客が圧倒的に多い。そしてどうも、アダム・クーパーのファンが世界中から来ているようなのである。
  また、この「ガイズ・アンド・ドールズ」によって、クーパー君は新たなファンをも獲得しているようだった。今日また確かめてみるけどね。

  ああ、「ガイズ・アンド・ドールズ」への出演は、クーパー君にとって、確かにジャンプ・アップの機会になっているんだ、と実感した。
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