お疲れさまでした

  「名作劇場」の「ゾロ」あらすじと感想を更新しました。第二幕の最初から途中までです。あと1回で終わらせるつもりです。例によってシーンの順番がめちゃくちゃですが、なにせもう1ヶ月も前に観た舞台なので、どうかご容赦のほどを。

  また、前に書いたものに、後で思い出したシーンを書き加えているので、お時間のあるときにでもご覧下さいね。

  ロンドン郊外のミルトン・キーンズでの「ゾロ」公演は、4月12日をもって終わります。地方ツアーもこれで終わりです。ウエスト・エンドでの再演の噂も聞こえてきていますね。もちろん再演してほしいです。登場人物の設定、脚本、演出にはかなり改善すべき点があると思いますが。また、アダム・クーパーがそれまでに「リカバリ」できるかどうかも重要です。

  ともあれ、およそ1ヶ月にわたったツアーが終わって、クーパー君には「お疲れさまでした」と言いたいです。1年半ぶりに立った舞台が、1週間ごとにイングランド各地を転々とするツアーだったので、体力的にかなり大変だったと思います。しばらく休んで、それから今年の年末に上演予定だという「新しいプロジェクト」に向けて、準備を進めてほしいと思います。

  ところで、スペイン語の分かる人に、歌の名前や登場人物の名前に出てくるスペイン語の意味を聞きました。

  ディエゴが登場するシーンでジプシーたちと歌う“Baila Me”の“baila”は「踊る」という自動詞で、“Baila Me”では意味が通じないそうです。また、“Senor”を歌うのは“Ramon,The Dons”と記されています。“Don”は男性に対する尊称で、英語とスペイン語をごっちゃにした“The Dons”という言い方には苦笑していました。

  同様に、“Por La Libertad”を歌うのは“Women of the Pueblo”となっています。“pueblo”は“people”の意味で、「なんで“pueblo”だけスペイン語にしたんだろう?“Women of the People”でいいじゃないか」とツッコんでいました。

  第二幕の冒頭でアダム・クーパー演ずるラモンが歌うのは“La Ira De Ramon”という曲名です。“ira”は「怒り」という意味だそうです。“la”は冠詞、“de”は英語の“of”に相当するということです。ですから、“La Ira De Ramon”は「ラモンの怒り」という意味になります。

  クーパー君が担当した“Ramon”という名前については、これはファースト・ネームだそうです。従って、ラモンのファミリー・ネームは謎です。また、ディエゴとラモンの父親であるアレハンドロのフル・ネームは“Alejandro de la Vega”です。姓の前に“de la”が付くと、貴族階級を表わすのですか?と聞いてみたら、そうとは限らないそうです。“de”はフランス語と同じく「の」、“la”は冠詞で、単に出身地を表わすだけで、貴族階級でない人の名前でも使われるとか。

  歌われる曲名の中にはイタリア語も混じっているそうで(どれかは忘れた)、要は厳密にスペイン語のみを正しい文法で使用する必要はなく、とにかく「スペインっぽい」雰囲気を出せばいいのだ、ということなのでしょう。

  「ゾロ」の小説を発表し、今回の舞台のプロデューサーの1人として名を連ねているイザベル・アジェンデは、チリの大統領であったアジェンデ(←暗殺されたそう)の姪に当たる人だそうです。チリでは上流階級に属し、やんごとなき家柄の人だということですね。

  このミュージカル「ゾロ」は基本的に優れたミュージカルだと思うので、改善すべき点は改善して、ぜひウエスト・エンドに進出してほしいですね。その日が待ち遠しいです。  
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