新国立劇場バレエ「ラ・バヤデール」

  週末はいろいろと立て込んでいまして、その中の一つに新国立劇場バレエ「ラ・バヤデール」(2007年5月18~25日)のチケット取りがありました。一般発売初日が23日(土)だったのです。

  チケットぴあ(オンライン)で取りました。覚悟はしていましたが、最初は「ただいまアクセスが集中しております」云々の表示が出て、なかなかつながりませんでした。数分してようやくアクセスできて、チケットは取れたことは取れました。でも、視力の超低い私にとっては、お世辞にもよいとは言い難い席でした。

  新国立劇場バレエのなんかの会員とかになればいいんだろうけど、すべての公演を観に行くほどのファンではないしなあ・・・。一般で、チケットを取れただけよかったと思いましょう。

  スヴェトラーナ・ザハロワの踊るニキヤをどうしても観たかったので、ザハロワが主演の日を選びました。新国立劇場バレエのダンサーが主演する公演も観ようかと考えましたが、寺島ひろみさんが主演するのは21日(水)で、この日は仕事で遅くなるだろうからだめ、本島美和さんが主演するのは25日(日)ですが、本島さんは以前にアシュトン版「シンデレラ」で観て、演技力とスタミナに不安を感じたので、今回は見合わせました(なにせニキヤだから)。

  ガムザッティは西川貴子さん(18・20日)、真忠久美子さん(21日)、湯川麻美子さん(24日)、西山裕子さん(25日)で、全員が新国立劇場バレエのダンサーです(たぶん)。ガムザッティも演技と踊りの両方で大変な役だと思います。どんな舞台になるのか楽しみです。

  ソロルは誰だか忘れました。・・・デニス・マトヴィエンコ、中村誠さん、マイレン・トレウバエフだったような気がします。どうも、「ラ・バヤデール」だと、ニキヤとガムザッティばかりに注目してしまいます。

  音楽はジョン・ランチベリーの編曲版を使うようです。ランチベリーの編曲版では、「太鼓の踊り」と「壷の踊り」が削除されているのです。以前にコメントを頂きましたが、新国立劇場バレエの「ラ・バヤデール」には、実際にこの二つの踊りがないそうですね。ちょっと残念です。

  新国立劇場バレエが「ラ・バヤデール」を上演するのは2003年以来だそうです。2003年といえば、マシュー・ボーン版「白鳥の湖」日本公演が行なわれた年です。この公演に参加していたアダム・クーパーが、やはり日本公演を行なっていたパリ・オペラ座バレエ団の「ラ・バヤデール」と、新国立劇場バレエの「ラ・バヤデール」の両方を観て、新国立劇場バレエのほうが優れている、と日記に書いたのは有名な話(←あくまでファンの間では)。新国立劇場のオペラ劇場に、アダム・クーパーがふら~、と現れた目撃談もお聞きました。

  クーパー君も褒めた新国立劇場バレエの「ラ・バヤデール」、今からとても楽しみです。
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眼に到る花枝 転眼に空し

  先週末は、恩師の葬儀に参列してきました。午前からお昼過ぎにかけては、風が強いものの、快晴で暖かい良いお天気でした。

  恩師は80代でしたから、私はひどい悲しみや衝撃といった激しい感情は起こりませんでした。ただ、先生は健在なのが当たり前だと思っていました。死ぬはずはないと思っていました。だから、先生が亡くなってしまった、いなくなってしまった、ということがいまだに信じられず、また実感が湧いてきません。

  喪主である息子さんは、挨拶の中で風の強さに触れて、「まったく父は最後までいたずら好きで」とおっしゃっていました。

  先生のことを思い出すと、ニコニコと笑っている顔しか浮かんでこないのです。

  焼香を終えた後、友人たち数人と連れ立って帰りました。帰り道に自家製の天日干しの干物を売る魚屋さんの前を通りかかりました。喪服を着た集団が買いあさりました。

  お葬式に参列した後に生臭物を買うなんて、とみなさんには叱られそうですが、先生はきっと、「ああ、そうですか、それはそれは。よかったよかった。はっはっは」と目を細めて笑うだろうな、と思いました。

  強風の吹く中、花やほころびかけたつぼみをつけた梅の木が風に揺れていました。風が強くなるたびに、梅のよい香りが波のように漂ってきました。

  春晴雖好恨多風 春の晴れた天気はよいものだが、風が強いのが残念だ。
  到眼花枝轉眼空 花をつけた枝を見つけたら、あっという間に花を散らせてしまう。
  晴不與花爲道地 晴れた天気は花に味方してくれない。
  爭如雲淡雨濛濛 淡い雲がたちこめて、雨が煙るように降るほうがまだましだ。

  風に揺れる梅の木を見ながら、この詩が頭に浮かんでいました。もっとも、青空を背景に、風に揺れる梅の花は美しいものだと思うのですが。
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