吉田都

  K-Balletの公式サイトによると、吉田都がK-Balletに移籍するそうだ。その具体的な時期や詳細はまだ分からない。8月31日に(吉田都本人の?)記者会見が行なわれ、9月1日以降にK-Balletの公式サイトに情報が掲載されるという。

  日本のバレエ・ファンにとっては喜ばしい出来事なのかもしれないけれど、私はちょっと複雑な気分だ。移籍先がK-Balletっていうのが。K-Balletは、熊川哲也が、自分が在籍していた頃のロイヤル・バレエを再現し、またその時に叶わなかった自分の願いを実現しているカンパニーのように私にはみえる。

  K-Balletがまるで90年代ロイヤル・バレエの縮小コピー版のようであることからすれば、それは吉田都にとっても好都合なのかもしれない。

  K-Balletにとってはもちろんいいことづくめだ。日本でも知名度の高い優秀なダンサーが加わる。よって客の入りがますますよくなる。チケット争奪戦も今まで以上に激烈になる。まさにウハウハな気分だろう。

  でも吉田都は、K-Balletの組織・機構やレパートリー以外の点をも考慮に入れた上で移籍を決めたのだろうか。K-Balletは熊川哲也の存在が必要不可欠な、というより熊川哲也なしでは成り立たないカンパニーである。その点ではK-Balletとロイヤル・バレエは根本的に異なる。

  つまりは私が何を言いたいのか、みなさんはもうお分かりでしょう。承知の上ならいいけど、移籍してから「それ」に気づいて、彼女が失望しないことを願っている。  
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