nachtmusik

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カラヤンとフルトヴェングラー

2008-05-09 | Book
今年はカラヤン生誕100年のメモリアル・イヤーということもあり、CD&DVDだけでなく
書籍も興味深いものが出版されています。

その中でも気になった書籍『カラヤンとフルトヴェングラー』(著者:中川右介)は、
戦中・戦後のドイツ音楽界に燦然と君臨した2人の大指揮者にスポットを充てています。


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《著者のHMVレビューより》

フルトヴェングラーとカラヤンのあいだに「いろいろあった」ことは、クラシックファン
ならば、誰もが知っています。 ところが、その「いろいろ」とは具体的には何なのかと
なると実は私自身、よく分からなかった。 そこで、それを探究してみたものです。
フルトヴェングラーはなぜカラヤンを嫌ったのか。
二人の対立とは具体的には何があったのか。
なぜ16年間にたった10回しかベルリン・フィルを指揮していないカラヤンが後継者に
なれたのか。ご存知のように戦争が終るとともに、この二人のほかにもうひとりチェリビ
ダッケという人物が登場します。 二人の対立関係に、この第三の人物が絡んでくることで
事態はより複雑化していきます。その結果、また「いろいろ」あって、その結果、チェリ
ビダッケがいなかったらカラヤンのベルリン・フィル音楽監督就任はありえなかったとも
言えるのです。 フルトヴェングラーとカラヤンについての本はたくさんあり、詳しい評伝
がいくつも出ています。
これは、それらを比較・検証し、二人の関係にしぼって情報を整理し、 いったい1934年
から1954年までに何があったのかを描いたものです。

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このレビューにもある通り一種の歴史ドキュメントを綴った書籍です。
背景となる1934年~1954年はドイツだけでなく世界的にも大変な時代です。

1933年ナチス政権発足後、フルトヴェングラーもカラヤンもナチスと否応なく関わりを
もってゆきます。この時代、多くの音楽家(但、ユダヤ系の音楽家は生命の危険が迫って
いたので速やかに亡命する必要性がありました)がドイツ国外へ亡命していく中、この
2人だけは終戦直前までドイツに留まります。ここにも他の音楽家と一線を画した何かが
あるように思えます。しかしその結果終戦後、2人には非ナチ化審理がかけられることに
なります。無罪となるまでの1945年~1946年までの2年間は一切の演奏活動禁止を言い
渡されます。

ベルリン・フィルと聞くとフルトヴェングラーとカラヤンを真っ先に思い浮かべます。
私自身、クラシック音楽を聴き始めた頃から今まで気になっていた事...
何故あのフルトヴェングラーがカラヤンを嫌ったのか...
そして何故カラヤンがフルトヴェングラー亡きあと、ベルリン・フィルのポストに執着
したのか...長年の疑問がこの書籍を通して解けるかもしれません。

事実はどうあれ、2人が遺した音楽が素晴らしいことに変わりはありません。

そして未来永劫不滅の大指揮者であり続けます...



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