nachtmusik

♪andante...im tempo...rondo...adagio♫

Ludwig Van Beethoven

2006-10-10 | Classical♪
”芸術の秋”~クラシック音楽家シリーズ第5弾!

今夜は17世紀後半から18世紀初頭のドイツ~オーストリアで活躍した《ルートヴィヒ・
ヴァン・ベートーヴェン》(ドイツ 1770-1827)です。
ベートーヴェンもモーツァルトと同じく『楽聖』と呼ばれる偉大な音楽家の1人です。

私がベートーヴェンを聴くきっかけとなったのはCDからではなく、友人が持参した1枚の
レーザーディスク(映像)からでした。そのレーザーディスクの内容はピアニスト〈ウラ
ディミール・アシュケナージ〉氏が母国ロシアを亡命後、何十年振りかで母国に帰国して
行ったコンサート(イギリスのロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとの共演)
を収録したものでした。

その演奏会のオープニングの作品は不協和音が鳴り響く難解な作品でテンポや音の強弱が目
まぐるしく変化する現代音楽(作曲者の名前は記憶にありません)でした。
この作品を理解するのは最初からでは難しかったですが、ポップミュージックにはない深い
何かを感じたのは確かでした。そうしてその作品が終了すると今度はステージに大きなグラ
ンドピアノが据えられ、先程の作品とはまったく違った威厳に満ちた音楽が流れ出したので
す。それがあの『ベートーヴェン~ピアノ協奏曲第3番』でした。
もう冒頭から金縛りにあったような衝撃に襲われました。あの独特のハ短調の響きから始ま
り、牧歌的な木管楽器のアンサンブル、そして100小節が過ぎたところでピアノ独奏が入る
のです。アシュケナージ氏はピアノを弾きながら指揮までしていました。所謂、弾き振りで
す。静と動~緊迫~躍動~そして魂の解放...もうとにかく衝撃を受けました。
これがベートーヴェンの凄さなんだと一瞬にして目が醒めた思いでした。

私にとって『ピアノ協奏曲第3番』は初めて全楽章を聴いた(観た)ベートーヴェン作品で
した。そして続けて観たレーザーディスクはレナード・バーンスタイン指揮~ウィーンフィ
ルによる『交響曲第3番エロイカ』でした。もうこれにも衝撃&圧倒されました!
作品が凄いことは今さら言うまでもないのですが、何よりもこの作品に傾ける指揮者の情熱
・気迫が凄かったのです。バーンスタイン氏の指揮は全身全霊を注いだものでした。

あらためて 振り返りますとベートーヴェン作品を代表する2作品から入れたことは最高の
スタートでした。その後、数多くの名盤と出会いました。指揮者ではヴィルヘルム・フルト
ヴェングラー、ブルーノ・ワルター、オットー・クレンペラー、ヘルベルト・フォン・カラ
ヤン、ルドルフ・ケンペ...演奏家ではヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)、ヴィルヘル
ム・ケンプ(ピアノ)、ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)、ユーディ・メニューイン(ヴァイ
オリン)、ピエール・フルニエ(チェロ)...

今では購入したクラシック音楽CD総数も1500枚を超えました。
まだまだこれからも増え続けることでしょう~ 

追記:ベートーヴェンのウィーン・デビュー200周年を記念して1995年に渋谷の
   BUNKAMURAで開催された展示会は大変素晴らしいものでした。 

*劇作家:フランツ・グリルパルツァー(オーストリア 1791-1872)によるベートーヴェ
     ンへの弔辞文抜粋~『音楽の巨匠、音楽芸術の輝かしい代弁者、ヘンデル、バッ
     ハの偉業を継いで、尚その奥の未到の境地を拓き、ハイドンとモーツァルトの不
     滅の栄誉を受け、ここに永遠の眠りについた。恐竜の海に荒れ廻るように、彼は
     その芸術の境地を彷徨った。鳩の愛らしい鳴き声から、轟く雷鳴まで、巧みな技
     をもってした無類の作品から、自然の威力にも迫るような烈しい創作にいたるま
     で誠に縦横無尽であった。彼のあとに従う者、続行の余地なく、ただ新しい大志
     があるのみ、芸術の尽きたところに彼はその偉業を終えた』  

*文豪:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(ドイツ 1749-1832)によるベートー
    ヴェンについて~『彼にものを教えようとするのは傲慢である。何故なら我々が暗
    闇の中に埋ずくまって、何処から夜が明けるのかわからない時、一閃の稲光の如く
    光を掲げて、この天才が前に現れた』