環境色彩デザインを考える人へ

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特徴あるまちの基調色

2011-03-21 21:20:04 | 用途や規模、場の特性を考える
少し建築や工作物の基調色について、掘り下げてみようと思います。昨日掲載した『建築の基調色について』では関東の市街地の建物群の測色地を掲載し、これがごく一般的な事例である、と紹介しました。

次に、色彩的な特徴のあるまちの事例を紹介します。横浜です。これは1997年に調査を実施したと記録があります。少々古いデータですが、当時の建物は未だに健在ですから、参考に出来ると思います。

以下に示す図には二つの地区の色が記載されています。ランドマークタワーを始めとする白い基調色の建物群が立ち並ぶMM21(みなとみらい21)地区と、ブルーグリーンを基調とした高層住宅群が立ち並ぶ横浜ポートサイド地区です。

日本の建築外装色としては珍しい寒色系を基調としたポートサイド地区の色彩については、以前ここでまとめていますので、併せてご覧下さい。



この測色結果を昨日の関東の市街地の測色結果と見比べて見ると、集中具合がより狭いことがわかります。MM21地区は横浜市のまちづくりにより“白基調のまちなみ”として整備が進められてきた地域です。実際に測ってみて感じたのは、白基調と言えど完全な無彩色としての白がほぼ見られなかったことです。



上の写真にあるランドマークタワーは御影石貼り、グランドインターコンチネンタルホテルはタイル貼りです。それぞれ距離を置いた遠景ではほぼ白、ですが近接してみるとそれぞれ素材感が異なり、僅かに色味(色相・彩度)を持った色が殆どです。

このようなまちなみの調査をして感じるのは、“建築の基調色は殆ど近似でも対象が異なれば同じに見える事は無いな”ということです。よく景観計画における色彩基準について、“色を規制したら均質なまちなみになってしまう”と心配されることが多いのですが、実際、色々なまちを測色してみると殆どが現行の基準内に納まりますし、もっと色範囲の狭いまち(横浜のMM21地区やポートサイド地区)の特徴ある基調色をみてみても、均質だと言う感じは受けないのでは、と思います。

しかしながらここで挙げた2つの地区は、行政等が施行したデザインガイドラインに添って、綿密に調整がなされた結果です。単に数値の規制を厳しくするだけではこのようなまちなみを形成することは困難です。

地区や地域と呼ばれる範囲において、どの程度の範囲規定が有効なのか、横浜市のいくつかの例は良い参考になると思います。
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