環境色彩デザインを考える人へ

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建築の基調色について

2011-03-20 19:25:34 | 用途や規模、場の特性を考える
未だ復興、ということの具体性はまだ見えていませんが。いつか必ず、色の出番(自身の仕事としてということだけでなく、多くの建築家や設計に携わる方々が遭遇するであろう、の意味)がやって来ることでしょう。その時のために、以前のペースになるべく早く戻ろうと思います。

下の図は関東のとある市全域の色彩調査を行なったときのものです。駅周辺や農地等から建物を用途別(公共・公益施設系、商業・業務系、住居系、工業系)にランダムに30~40件ずつを抽出し、外装色を測色しました。

調査の結果から読み取れることは実に多くあります。

(1)全体の色相(色あい)・明度(明るさ)・彩度(鮮やかさ)の傾向。
(2)用途毎の分布(まとまり・分散)の特性
(3)まとまりの中で特に目立つ色の傾向

等が挙げられます。



このような調査に長年係っていて感じるのは、『日本全国、住宅の色は殆ど一定の範囲に納まっている』ということです。上の図で行くと黒丸で表示した部分になりますが、これら住居系建物の色彩は『暖色系の中・高明度、中・低彩度色』に集中しています。

歴史的な建造物群が残る地域では、この巾が更に狭まるという傾向があります。これも今までのデータを整理して、今後掲載して行くつもりです。

近代の建築は技術の躍進により規模や外装の仕上げ材料が伝統的な建築、例えば木造建築等と大きく異なるものが出現するようになりました。全国各地で施行されている景観計画の色彩基準も、建物の用途別に色の基準を設けている例は多く、『建物の規模や用途にふさわしい色彩』の考え方というものはある程度明確な指針として、広まって行くとよいと考えています。

一方でこのような調査からわかるように、『どのような規模や用途の建物でも基調色の範囲は意外と狭い範囲に納まってしまう、それは特に都市部においては全国的な傾向』ということも、より広く認知されるよう、工夫を重ねて生きたいと思います。
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