御伽噺19

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私と親友

2010-02-28 09:24:22 | 日記
   『私と親友』

 中学校からの親友だ。私と親友は。一緒に飼っている鶏を食べたりしながら、ここまで一緒にいた。この先も結婚しても、同棲プラス親友との共同で暮らす事になりそうだ。
 他にも、何故か二人で遊園地に行き、ベルトをしないで、ジェットコースターに二人で殴り込みをかける。観覧車では隣に座った。二人とも彼氏はいたが、日曜日は親友と遊ぶ事に決めている。
 一緒に生活することになった。中学三年の終わりから。
 高校時代でも勿論恋人をこしらえてきた。彼氏と付き合う事で精神的にも大人になる。門限は夜の11時とした。違反したら、食事を作ってくれるように、ルールがある。まだ違反した事はないが。
 いつも、私は喉が渇く。その為コーラをいつも飲んでいる。ゲップは出ない。私は、いつも傍にいる。朝飯は食パンにチョコレートを塗って食べる。
 私が「可愛い」と言われ、親友は「美人」と評される。背も私の方が低い。ブラジャーのカップも一緒だ。
 私はセミダブルベッドで寝る。高校生活ではこの「同棲」生活は暴露する事はない。私は親友と死ぬまで一緒にいる事を誓った。
 近くの教会で、競馬新聞を見ている。三回きりだったが。学校では暑い日には行かない。授業のノートは親友の友人が渡してくれるから。
 高校生活も残すところ二年とちょっと。長すぎるね。お互い愚痴っていた。
 煙草もお互い口をつける。煙草代も馬鹿にならないので、一日10本と決めている。灰皿がある。
「私さ。いつか結婚しても一緒に生活をしたい」
「私も同じだけど、結婚しなくてもいいんじゃない?」
「確かに」
夏休みは鮪漁船でミスドのドーナツを食いながら、鮪を釣っていた。私たちは漁師たちに謝礼を頂いて、その市場で大トロを貰った。二切れだけど。
「すごいね。大トロなんて初めて食べるよ」
私も大トロの刺身なんて見た事がない。私は言葉を進めた。
「100万円もらっちゃたね」
「そんなにもらったの?」
「当たり前じゃない。私が全部釣ったもの」
 そして、親友と紅葉を観に行き、散って行く『私たちの淋しさ』
若くして死なないで欲しいと私は思った。
 そして、何故か夜まで二人で紅葉を見ていた。月の光に照らされ、紅葉は余計悲しくなってしまう。ずっとこのままでいたいなと思った。彼氏は替えられても、親友は一人しかいない。
私は『カツオ』の大ファンだ。親友も『カツオ』を応援しているらしい。やっぱり趣味趣向が合う。30分が長く感じた。沢山の視聴者がいるだろう。『カツオ』三本だてがあればいいなと思った。
 彼氏とは平日に愛し合っている。何か燃え滾っていくものがない。そう思った。
 親友が私もそうだねと言ってきた。洒落で結婚式をしおうか。そんな話も出た。私から切り出した。
「お互い制服で頬にキスをして、二人だけの結婚式を挙げる。私たちに相応しいんじゃない?」
「いいね」
高校一年で二人の彼氏との恋が終った。私たちは全然堪えなかった。ずっと、一緒にいるんだろうなと思った。
 私たちは高校卒業したら、結婚をしようと本格的に語った。
「いいねえ。そうしよう」
そうして、高校二年から、赤点の猛勉強をするようになり、学校で二人して煙草を吸っているのを校長に見つかった。
 学校をクビになった。っていうか辞めた。通信高校生になって、一旗上げるかと相談した。そして、私たちは学歴よりも二人で入れたらいい。
 教会で挙式をした。頬に私にキスをしてくれた。一生、ますます、親友と思えるだろう。
 そして、二人で指輪を買った。ネットで。カジュアルな中性的な『親友の指輪』を嵌めて、また懲りずに、漁師と鮪を捕まえる事にした。魚VS私。どちらが強いんだろう。
鮪、如きにしり込みしたら、人食いザメと戦えない。そもそも戦わなくても、釣ればいい話なだけではあるが。
 親友はマックシェイクを飲んでいる。ギャグ漫画で大笑いしている。そして、私だけに鮪が釣れた。
 110万の給料を貰った。援助交際よりも稼げる商売だなと思った。
 二人は生涯二人で生きていく。時折恋人を作りながら。そう確信できた。