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クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇マイスキー/バーンスタインのドボルザークとシューマンのチェロ協奏曲

2008-09-17 14:19:53 | 協奏曲(チェロ)

ドボルザーク:チェロ協奏曲/シューマン:チェロ協奏曲

チェロ:ミッシャ・マイスキー

指揮:レナード・バーンスタイン
管弦楽:イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

CD:ドイツ・グラモフォン 445 571-2

 このCDは、ドボルザークのチェロ協奏曲が1988年6月、シューマンのチェロ協奏曲が1985年11月のライブ録音盤である。このCDほどライブ録音の良さが前面に押し出された盤はほかにあまりないほどだ。通常ライブ録音盤は、音質に難点があるか、バランス感が良くないか、あるいは聴衆の咳払いなどが入って聴きづらいか、何がしかスタジオ録音に及ばないケースが多い。ところがこのCDは、ライブ録音独特のスケールの大きさががとらえらえられている上に、音質が良く、正に生の演奏会場で聴くような雰囲気がうまく再現されている。

 ドボルザークのチェロ協奏曲は、チェロのマイスキーと指揮のバーンスタインが、がっぷりと四つに組んで両者一歩も引かずといった趣がする。特にバーンスタインの指揮ぶりは限りなくスケールの大きなもので、オーケストラの音が放射線状に外へ向かって発散される感じがして、とてもスタジオ録音では得られないものだ。マイスキーのチェロも浪々とした弾きっぷりで、類まれなドボルザークのチェロ協奏曲に仕上がっている。ドボルザークのチェロ協奏曲をこんなにも雄大に描ききった例はあまりないのではないか。一方、シューマンのチェロ協奏曲の方は、曲そのものの性格上ドボルザークほどオーケストラの見せ場が少なく、バーンスタインも押さえ気味だ。マイスキーはシューマンでも浪々とした演奏を奏でている。(蔵 志津久)


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