★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2024-08-23 09:41:43 | 新譜CD情報



<新譜CD情報>



~アンネ=ゾフィー・ムターと小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラの共演~



チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」 作品24 ポロネーズ①
         交響曲 第5番 ホ短調 作品64②
ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第1番 ト長調 作品40③
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28④

指揮:ディエゴ・マテウス(①~③)
   小澤征爾(④)

ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター(③、④)

管弦楽:サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)

録音:2018年12月、東京、サントリーホール

CD:ユニバーサルミュージック UCCG-41172

 このCDは、ドイツ・グラモフォン創立120周年を記念してサントリーホールで行われたガラ・コンサートのライヴ録音。サイトウ・キネン・オーケストラにとって初のサントリーホール公演でもあった。小澤征爾はっ当日最後のサン=サーンス作品を指揮。ムターとサイトウ・キネン・オーケストラも初共演となった記念すべき公演の記録。SKO結成40周年・齋藤秀雄没後50年記念盤。

 ヴァイオリンのアンネ=ゾフィ・ムター(1963年生れ)はドイツ、バーデン出身。13歳でカラヤンに招かれ、ベルリン・フィルと共演し、天才少女と言われるきっかけとなる。1977年ダニエル・バレンボイム指揮のイギリス室内管弦楽団と共演して、ザルツブルク音楽祭にデビューした。1980年ズービン・メータ指揮のニューヨーク・フィルと共演して、アメリカ・デビューを飾る。レパートリーは広く、ヴィヴァルディから現代音楽までを扱うが、とりわけ得意は新ウィーン楽派やバルトーク、アンリ・デュティユーなどの近現代の音楽。ヴァイオリンを弾きながらの弾き振りにも精力的な姿勢を見せる。これまでに、グラミー賞を4回受賞。2019年高松宮殿下記念世界文化賞受賞。

 指揮の小澤征爾(1935年―2024年)は、満洲国奉天市(中国瀋陽市)に生まれる。齋藤秀雄の指揮教室に入門。桐朋学園短期大学(現在の桐朋学園大学音楽学部)を卒業後、1959年貨物船で単身渡仏。1959年パリ滞在中に第9回「ブザンソン国際指揮者コンクール」第1位となったほか「カラヤン指揮者コンクール」第1位となり、指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンに師事。1960年「クーセヴィツキー賞」を受賞。指揮者のシャルル・ミュンシュ、レナード・バーンスタインに師事。1961年ニューヨーク・フィルハーモニック副指揮者に就任。1970年タングルウッド音楽祭の音楽監督に就任。同年サンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任。1973年にはボストン交響楽団の音楽監督に就任したが、以後30年近くにわたり同楽団の音楽監督を務めた。2002年日本人指揮者として初めて「ウィーン・フィルニューイヤーコンサート」を指揮。同年ウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。2008年文化勲章を受章。2010年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団により、名誉団員の称号を贈呈される。2015年「ケネディ・センター名誉賞」を日本人として初の受賞。2016年ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団により、名誉団員の称号を贈呈される。

 指揮のディエゴ・マテウスは、ベネズエラのエル・システマ(ベネズエラで行われている音楽教育プログラムの組織で、1975年に経済学者で音楽家のホセ・アントニオ・アブレウ博士によって設立)出身。クラウディオ・アバドの薫陶を受け、国際的なキャリアを築く。38歳でフェニーチェ劇場首席指揮者、モーツァルト管弦楽団及びメルボルン交響楽団の首席客演指揮者を歴任。日本ではセイジ・オザワ松本フェスティバル、NHK交響楽団等に登場。2018年に開催されたドイツ・グラモフォン120周年記念スペシャル・ガラ・コンサートでは、小澤征爾とともに指揮を務めた。2022年より、小澤征爾音楽塾初となる首席指揮者に就任。ミラノ・スカラ座管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団などの名門に数多く客演し、ベルリン州立歌劇場、パリ国立歌劇場、トリノ王立歌劇場等にも登場。ベネズエラではシモン・ボリヴァル交響楽団の首席指揮者を務め、エル・システマのさらなる充実にも情熱を注いでいる。
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●クラシック音楽●コンサート情報

2024-08-22 09:55:27 | コンサート情報



<コンサート情報>



~森 麻季 ソプラノリサイタル~

山田耕筰:この道
團 伊玖磨:ひぐらし/舟唄
フォーレ:「レクイエム」より「ピエ・イエズ」
ミヨー:「ロンサールの4つの歌」より「神が護ってくださいますように」
プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」
      歌劇「つばめ」より「ドレッタの素晴らしい夢」
      歌劇「妖精ヴィッリ」より「お前たちのように小さな花だったら」
ほか

ソプラノ:森 麻季

ピアノ:山岸茂人

会場:東京オペラシティ コンサートホール

日時:2024年9月16日(月・祝)午後2時

 ソプラノの森 麻季(1970年生れ)は、東京都出身。東京藝術大学音楽学部声楽科を経て、同大学院独唱専攻を修了。在学中に安宅賞受賞。文化庁派遣芸術家在学研修員としてミラノのヴェルディ国立音楽院に留学。ミュンヘン国立音楽大学大学院を修了。第26回「イタリア声楽コンコルソ」”ミラノ大賞”受賞。1998年「カマイオーレ国際コンクール」オペラ部門と歌曲部門で優勝。日本人として初めてワシントン・ナショナル・オペラに出演し、「ワシントン・アワード」受賞。2000年度「出光音楽賞」受賞。2001年度「ホテルオークラ音楽賞」受賞。

 ピアノの山岸茂人は、1994年東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。1997年同大学院音楽学専攻終了。在学中に安宅賞受賞。ピアノを川口恒子、渡辺健二、高出紘子の諸氏に、また、音楽学を舟山隆、本田脩の各氏に師事。声楽のリサイタルや合唱のピアニストとして活躍。通常のソロの演奏活動のほか、器楽奏者との共演も数多く多忙な活動を行っている。上田女子短期大学非常勤講師。二期会イタリア歌曲研究会ピアニスト。
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●クラシック音楽●コンサート情報

2024-08-21 09:42:40 | コンサート情報



<コンサート情報>



~神尾真由子(ヴァイオリン)と上原彩子(ピアノ)の豪華デュオコンサート~

チャイコフスキー:懐かしい土地の想い出 op.42
チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ op.34
シューマン:幻想曲 ハ長調 op.17 (ピアノ・ソロ)
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 op.80

ヴァイオリン:神尾真由子

ピアノ:上原彩子

会場:北九州市立響ホール

日時:2024年10月12日(土) 午後3時

 ヴァイオインの神尾真由子(1986年生れ)は、大阪府豊中市出身。10歳でソリストとしてデビュー。2000年ニューヨークへ留学。「ヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディション」第1位。2002年日本に帰国し、桐朋女子高等学校初の特待生となる。2003年第13回「出光音楽賞」を受賞。2004年「ダヴィッド・オイストラフ国際ヴァイオリン・コンクール」第1位。2007年第13回「チャイコフスキー国際コンクール」ヴァイオリン部門で優勝(ヴァイオリン部門での日本人の優勝は1990年の諏訪内晶子以来2人目)。「大阪府知事賞」、「京都府知事賞」、第13回「出光音楽賞」、「文化庁長官表彰」、「ホテルオークラ音楽賞」はじめ数々の賞を受賞。近年室内楽にも力を入れ、「神尾真由子 室内楽プロジェクト」として様々な演奏家と共演。2020年からは桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)時代の同級生4人が神尾のもとに集結「神尾真由子 with Friends」を結成。メンバーは神尾真由子、滝千春(ヴァイオリン)、横溝耕一(ヴィオラ)、横坂源、富岡廉太郎(チェロ)。

 ピアノの上原彩子は、香川県高松市出身、岐阜県各務原市育ち。岐阜県立各務原西高等学校卒業。1990年ヤマハマスタークラスに入会。1998年、ロシアのモスクワで行われた「第11回チャイコフスキー国際コンクール」のピアノ部門で最年少セミ・ファイナリストとなり注目された。2000年第5回「浜松国際ピアノアカデミーコンクール」グランプリ。同年第4回「浜松国際ピアノコンクール」第2位および日本人作品最優秀演奏賞受賞。そして、2002年第12回「チャイコフスキー国際コンクール」ピアノ部門において日本人として初めて、かつ女性として世界で初めての優勝を果たした。日本人ピアニストとして初めてEMIクラシックスとレコード契約を結ぶ。2022年文化庁長官表彰。東京芸術大学准教授。
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◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2024-08-20 09:52:13 | 新譜CD情報



<新譜CD情報>



~テンシュテット指揮ベルリン・フィルのシューマン: 交響曲第3番「ライン」/交響曲第4番、メンデルスゾーン: 交響曲第4番「イタリア」ほか~



<DISC1>

シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品97 「ライン」
      4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ヘ長調 作品86

<DISC2>

シューマン:交響曲 第4番 ニ短調 作品120
メンデルスゾーン:交響曲 第4番 イ長調 作品90 「イタリア」

ホルン:ゲルト・ザイフェルト
    ノルベルト・ハウプトマン
    クリストファー・コーラー
    マンフレート・クリエール

指揮:クラウス・テンシュテット

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

CD:タワーレコード TDSA10005

 このCDは、テンシュテットがベルリン・フィルとの初録音である1978年収録の「ライン」他のアナログ録音と、1980年収録のシューマンの第4番&「イタリア」を各オリジナル・カップリングで2枚に集成。今回の発売のために、DISC1のアナログ録音は本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化したマスターを用い、DISC2は初期デジタル録音からのいずれも新規のSACD化。SACD層、CD層別々にマスタリング。新規解説付。

 指揮のクラウス・テンシュテット(1926年―1998年)は、ドイツ、メルゼブルク出身。ライプツィヒ音楽院においてヴァイオリニストとしての研鑚を積む。1948年、ハレ歌劇場のコンサートマスターとなるが、指の病のために、1952年に同劇場の首席指揮者へ転身。1970年にベルリン・コーミッシェ・オーパーに登場するが、次第に東ドイツでの音楽活動に限界を感じ、1971年、スウェーデン・ヨーテボリでの客演を機に西ドイツへ亡命。1972年、キール歌劇場の音楽監督に就任。ロンドンの聴衆に「ヴィルヘルム・フルトヴェングラーを彷彿とさせる」と評された彼の情熱的かつ個性的な音楽は、1974年のボストン交響楽団への客演を機に世界にその名が知れ渡った。1983年には100周年を迎えたメトロポリタン歌劇場に招かれベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」で大成功をおさめた。以後、アメリカの主要なオーケストラを指揮。特にタングルウッド音楽祭では常連であり1983年までボストン交響楽団と共にほぼ毎年出演を続けた。 1983年、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任。1984年~1985年にかけて、テンシュテットは同楽団を率いて日本を含むアジア、アメリカ、オーストラリアへのツアーを敢行し成功させた。テンシュテットのレパートリーは多岐にわたる。特にベートーヴェン、ワーグナー、ブルックナー、ブラームスなど、ドイツ・オーストリア系の作曲家を得意としており、中でもグスタフ・マーラーの演奏解釈で知られ、1979年には国際マーラー協会からメダルを授与された。
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●クラシック音楽●コンサート情報

2024-08-19 09:38:26 | コンサート情報



<コンサート情報>



~宮田 大 チェロ・コンサート ジュリアン・ジェルネ(ピアノ)と共に~

マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ニ短調より 第2楽章
ドヴォルザーク:“私にかまわないで” ~4つの歌 Op.82,B.157より 第1曲
R.シュトラウス:“あすの朝” ~4つの歌 Op.27より 第4曲
サン=サーンス:“あなたの声に私の心は開く” ~歌劇「サムソンとデリラ」Op.47より
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
カプースチン:チェロ・ソナタ 第2番 Op.84

チェロ:宮田 大

ピアノ:ジュリアン・ジェルネ

会場:ヤマハホール

日時:2024年10月9日(水) 午後2時

 チェロの宮田 大(1986年生まれ)は、栃木県宇都宮市出身。第74回「日本音楽コンクール」第1位。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを首席で卒業。2009年にジュネーヴ音楽院卒業、2013年にクロンベルク・アカデミー修了。第9回「ロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクール」(パリ)で日本人として初優勝。第6回「齋藤秀雄メモリアル基金賞」、第20回「出光音楽賞」、第13回「ホテルオークラ音楽賞」を受賞。

 ピアノのジュリアン・ジェルネ(1981年生まれ)は、ベルギー、ナミュール出身。ニース音楽院を卒業。1999年、パリ国立高等音楽院に入学し、ピアノを学ぶ。2003年リスボンの「国際ピアノ・コンクール」でヴァンドーム賞を受賞。2001年フランス財団より「ドルエ・ブルジョワ賞」と「タラツィ賞」を授与される。現在、演奏家として幅広く活躍するほか、パリ国立高等音楽院、エコール・ノルマルにて後進の指導にもあたっている。
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