たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?
今日はブラームス:交響曲第4番です。
この曲はブラームスが残した最後の交響曲ですが、自らが指揮をして初演した当初には様々なエピソードが残されているようです。初演すると各楽章が終わる度に拍手が鳴り止まなかったとか、全曲演奏を終えると複数の楽章をアンコール演奏したとか、とにかく初演は大成功に終わり、すぐに再演されるなど大人気の曲だったようです。
その一方で、当時の音楽家からは「作風が古い」とか「万人うけする作風ではない」などの批判を浴びたりもしていたようです。しかし、現在ではブラームスの交響曲を代表する1曲である事は間違いないと思います。
曲調には激しく迫るものがあり、確かに先人の批評通り初心者には必ずしも万人うけする作風ではないのかもしれません。
第1楽章:やわらかい弦楽器の音がさざ波のように流れてきます。しかし、どこか
切ない影を残した曲調は、少し肌寒さを感じてしまいます。
弦楽器のうねりは大きくなり、激しさを増していきますが金管楽器のファンファーレが
終わると、チェロがリードして再び切ない旋律へ変わっていきます。
しばらくすると、トランペットが響き一瞬明るい兆しが見えたように感じる
ところもありますが、やはり弦楽器のフレーズは冒頭の寂しいフレーズから
逃れられず、その後も管楽器がポツリポツリとつぶやくような静かな曲調に
なります。
そして最期には弦楽器が激しい感情をむき出しにしたような、鋭いフレーズが
金管楽器と共に強烈なインパクトを残して終わります。
第2楽章:ホルンの乾いたファンファーレが鳴り響くと、やはり切なく、もの悲しい
雰囲気を感じます。
後に続くクラリネットのやわらかい響きも、何故か虚しく響き渡ると言った感じ
でしょうか?木管楽器を中心に続くフレーズも雨上がりの水溜りを気にしながら
下を見てトボトボと歩いていくようなちょっと悲しいフレーズが続きます。
しかし、弦楽器が美しいフレーズを鳴らすと一瞬だけ雲間から太陽が顔を出した
ような、明るい光を見たように希望のようなフレーズがあふれ出します。
やさしい弦楽器のフレーズは雨雲がどんどん遠ざかり見る見るうちに青空が広がる
ようにも聴こえてきます。
しかし、終盤には晴れたはずの空に雷鳴の如く響き渡るティンパニと弦楽器、
そしてトロンボーン等の金管楽器が激しく打ち鳴らされます。
最後はチェロから始まりヴァイオリンへと移るなめらかなフレーズが曲を包み、
クラリネット、オーボエが伸び伸びとしたフレーズを聴かせると、フルートが
静かに最後をしめくくります。
第3楽章:弦楽器の賑やかなフレーズが明るく始ると、ホルンが更に輪を
かけて大きく鳴り響きます。
トライアングル、ティンパニが加わると壮大なスケールのオーケストラサウンドは
圧巻です。
フルートが間をつなぎ、激しいフレーズが始ると、喜び勇んで晴れ渡る大空へ
はばたく大鷲が舞い上がるような晴れやかで勇ましいフレーズが最期まで続き
とても爽快感のある曲になります。
第4楽章:トロンボーン、ホルンのファンファーレが鳴ると、恐怖すら感じてしまう
低音のトロンボーンが更に深く曲をえぐっていくように感じます。
弦楽器が足を引きずって歩くかのような気だるいフレーズになったかと思うと
鬼気迫る悲しい旋律に変わっていきます。
そして、オーボエやクラリネットが弦楽器をなだめるようなフレーズを奏でると
フルートの静かなフレーズが寂しく鳴り響いてきます。
しかし、突如として激しく鳴り響く金管楽器のファンファーレは、急に訪れた
悲劇を物語るかのように鋭く突き刺さります。
緩急を交えながらも鋭さを増していくフレーズは、徐々に圧迫感を大きくして
まさに、絶体絶命の状態で曲を終わります。
寂しいフレーズから始まり、一度は元気を取り戻したかの様にも見えますが、最後には深い悲しみが怒りに変わる瞬間を垣間見るようなこの激しい曲。ハッキリ言って最初に聴いたときは、言い知れぬ恐怖を感じたようにも思います。
ただ、弦楽器の美しい響き、木管楽器の艶やかな、それでいて切ない響き、そして金管楽器の鋭い響きの三者が、もつれ合いながら必死にひとつの曲を作り出そうとするこの曲は、聴けば聴くほど深い味わいを持っていますから、その意味では飽きの来ない一曲なんだと思います。
≪オススメCD≫
巨匠カール・ベームでお楽しみください
【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆★
楽:☆★★★★
≪おすすめシチュエーション≫
こころの内に秘めた激しく苦しい感情を一気にぶちまけたような曲です。
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今日はブラームス:交響曲第4番です。
この曲はブラームスが残した最後の交響曲ですが、自らが指揮をして初演した当初には様々なエピソードが残されているようです。初演すると各楽章が終わる度に拍手が鳴り止まなかったとか、全曲演奏を終えると複数の楽章をアンコール演奏したとか、とにかく初演は大成功に終わり、すぐに再演されるなど大人気の曲だったようです。
その一方で、当時の音楽家からは「作風が古い」とか「万人うけする作風ではない」などの批判を浴びたりもしていたようです。しかし、現在ではブラームスの交響曲を代表する1曲である事は間違いないと思います。
曲調には激しく迫るものがあり、確かに先人の批評通り初心者には必ずしも万人うけする作風ではないのかもしれません。
第1楽章:やわらかい弦楽器の音がさざ波のように流れてきます。しかし、どこか
切ない影を残した曲調は、少し肌寒さを感じてしまいます。
弦楽器のうねりは大きくなり、激しさを増していきますが金管楽器のファンファーレが
終わると、チェロがリードして再び切ない旋律へ変わっていきます。
しばらくすると、トランペットが響き一瞬明るい兆しが見えたように感じる
ところもありますが、やはり弦楽器のフレーズは冒頭の寂しいフレーズから
逃れられず、その後も管楽器がポツリポツリとつぶやくような静かな曲調に
なります。
そして最期には弦楽器が激しい感情をむき出しにしたような、鋭いフレーズが
金管楽器と共に強烈なインパクトを残して終わります。
第2楽章:ホルンの乾いたファンファーレが鳴り響くと、やはり切なく、もの悲しい
雰囲気を感じます。
後に続くクラリネットのやわらかい響きも、何故か虚しく響き渡ると言った感じ
でしょうか?木管楽器を中心に続くフレーズも雨上がりの水溜りを気にしながら
下を見てトボトボと歩いていくようなちょっと悲しいフレーズが続きます。
しかし、弦楽器が美しいフレーズを鳴らすと一瞬だけ雲間から太陽が顔を出した
ような、明るい光を見たように希望のようなフレーズがあふれ出します。
やさしい弦楽器のフレーズは雨雲がどんどん遠ざかり見る見るうちに青空が広がる
ようにも聴こえてきます。
しかし、終盤には晴れたはずの空に雷鳴の如く響き渡るティンパニと弦楽器、
そしてトロンボーン等の金管楽器が激しく打ち鳴らされます。
最後はチェロから始まりヴァイオリンへと移るなめらかなフレーズが曲を包み、
クラリネット、オーボエが伸び伸びとしたフレーズを聴かせると、フルートが
静かに最後をしめくくります。
第3楽章:弦楽器の賑やかなフレーズが明るく始ると、ホルンが更に輪を
かけて大きく鳴り響きます。
トライアングル、ティンパニが加わると壮大なスケールのオーケストラサウンドは
圧巻です。
フルートが間をつなぎ、激しいフレーズが始ると、喜び勇んで晴れ渡る大空へ
はばたく大鷲が舞い上がるような晴れやかで勇ましいフレーズが最期まで続き
とても爽快感のある曲になります。
第4楽章:トロンボーン、ホルンのファンファーレが鳴ると、恐怖すら感じてしまう
低音のトロンボーンが更に深く曲をえぐっていくように感じます。
弦楽器が足を引きずって歩くかのような気だるいフレーズになったかと思うと
鬼気迫る悲しい旋律に変わっていきます。
そして、オーボエやクラリネットが弦楽器をなだめるようなフレーズを奏でると
フルートの静かなフレーズが寂しく鳴り響いてきます。
しかし、突如として激しく鳴り響く金管楽器のファンファーレは、急に訪れた
悲劇を物語るかのように鋭く突き刺さります。
緩急を交えながらも鋭さを増していくフレーズは、徐々に圧迫感を大きくして
まさに、絶体絶命の状態で曲を終わります。
寂しいフレーズから始まり、一度は元気を取り戻したかの様にも見えますが、最後には深い悲しみが怒りに変わる瞬間を垣間見るようなこの激しい曲。ハッキリ言って最初に聴いたときは、言い知れぬ恐怖を感じたようにも思います。
ただ、弦楽器の美しい響き、木管楽器の艶やかな、それでいて切ない響き、そして金管楽器の鋭い響きの三者が、もつれ合いながら必死にひとつの曲を作り出そうとするこの曲は、聴けば聴くほど深い味わいを持っていますから、その意味では飽きの来ない一曲なんだと思います。
≪オススメCD≫
巨匠カール・ベームでお楽しみください
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 作品90/交響曲第4番 ホ短調 作品98ベーム(カール), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ブラームスユニバーサルクラシックこのアイテムの詳細を見る |
【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆★
楽:☆★★★★
≪おすすめシチュエーション≫
こころの内に秘めた激しく苦しい感情を一気にぶちまけたような曲です。
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表現が的確かどうかは分かりませんが、様々なシチュエーションを、曲のイメージからふくらませていくと、誰にでもいろんな絵が見えてくると思いますよ。
bra??さんの言うように、ブラームスも作曲には熱意を持って五線紙にペンを走らせていたんでしょうね。
そんな、熱意が伝わってくるような一曲だと思います。
チャイコフスキーの悲愴も、そう言われると確かに絶体絶命ですね。
ブラームスのこの曲は、最後にググッと迫るものを感じたので、そんな風に書いてみました。
ブラームスの生涯はあと1日置いて、あさってから再開の予定なので、もうちょっと待っててくださいね。
それを読みながら聴いてみました。
表現が的確で関心しました。
決してお世辞じゃありません。
第3楽章の「大鷲」のところがとくにステキでした。
ベートーヴェンの悲愴やこの曲は、一聴するとけいさんのおっしゃるようなことが考えられますけど、私は、熱情があるからこそ作曲できるようと思います。
本当に絶体絶命ならチャイコフスキーの悲愴のよになると思います。
ブラームスの生涯の再開を楽しみに待っています。今までの他の作曲家の生涯も面白かったですし、すでに次も楽しみにしています、
それではまた。