たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?
今日はストラビンスキー:バレエ音楽「火の鳥」です。
ストラビンスキーの代表作とも言えるバレエ音楽「火の鳥」ですが、もともとロシアの伝説を題材にしたストーリのようです。簡単に内容を紹介すると、悪魔に捕らわれた王女を王子イワンが助けにいくのですが、ある日捕まえた火の鳥を放したお礼にもらった魔法の羽の力を使って悪魔を退治するというお話のようです。
ストーリーとしては、分かりやすいこの曲ですが、音楽としては多少長めですし、分かりやすいメロディラインも少なく、どちらかと言うと効果音的で抽象的な音が多いため、間違っても初心者向けとは言い難いんですけど、クラシックファンの中では人気の作品のようです。
さて、この「火の鳥」ですが、ストラビンスキーはこの曲を作曲してからいくつかのヴァリエーションを作りアレンジを加えた版があります。それらは組曲として、それぞれ抜粋されたり演奏時間が違ったり、一部曲がアレンジされていたりするようなんですが、今回は「全曲版」とされる1910年版を中心にいくつか印象的な部分を抜粋して紹介してみます。(ホントは短めの組曲とかを紹介すればいいんでしょうけど、これしか持ってないんで。)
1導入部:コントラバスの重低音がおどろおどろしく響き、不気味に始まります。
ファゴットやミュート(消音機)トランペットが更に怪しく彩りを加えると、弦楽器
が不協和音にも似た響きを奏でます。静けさの中に不気味な雰囲気を感じます。
4火の鳥の踊り:クラリネット、フルートが幻想的に跳び回る「火の鳥」を表している
ようです。不思議なリズムに奇妙な動きをする「火の鳥」を想像させます。やがて誰か
に見つかってしまったかのように、逃げ回るような動きを見せる火の鳥が印象的です。
5イワンに捕らえられた火の鳥:イワンに捕まった「火の鳥」がジタバタともがいて
いるような響きがフラッタータンギング(巻き舌)のミュートトランペットとフルート
で臨場感たっぷりに表現されています。
6火の鳥の嘆願:イングリッシュホルンとチェロのしっとりとしたフレーズは、まるで
捕まって覚悟を決めた「火の鳥」が、悲しそうな目をこちらに向けて「お願い、どうか
私を逃がして、助けて」と涙ながらに訴えかけているように聴こえます。
10王女たちのロンド:フルートとクラリネットがさわやかなフレーズを聴かせてくれます。
オーボエの明るい響きが心地よく伝わってきます。その後はゆったりとした弦楽器が
落ち着いた響きを聴かせてくれます。
12魔法のカリヨン、カスチェイの番兵の登場:チャイム(鐘)とミュートトランペット
が怪しく鳴り響くと、トランペットがさらに緊張感を高めるように次々と音を重ねて
きます。バストロンボーンが重低音で現れるとまさに「悪者登場!」のような悪そ~な
フレーズが次々に続きます。
13不死の魔王カスチェイの登場:トロンボーンの響きからバスドラムが「ドシン!」と
響くと、いよいよボスの登場と言ったところでしょうか?じりじりと迫るような弦楽器
とファゴットは不気味です。
16火の鳥の出現:フルートとクラリネットがまるで、隙間を縫うようにあちこちへと
飛び回っているように聴こえます。
18カスチェイ一党の凶悪な踊り:一番のクライマックスですね。重低音のチューバの
リズムからトロンボーン重厚な響きのトロンボーンへ、トランペットのフレーズは
応戦するイワンの響きでしょうか?両者が鋭く剣を交えるようなダイナミックな
オーケストレーションは聴き応えもバッチリですね。
19火の鳥の子守歌:ファゴットの悲しいフレーズは子守歌と言うよりはレクイエム
(鎮魂歌)のようにも聴こえてきます。特に後半の弦楽器とハープが織り成す幻想的
なフレーズは美しくも悲しく迫ります。
22カスチェイの城と魔法の消滅、石化した騎士の復活、大団円:ホルンのおおらかな
響きはようやく悪魔を倒し、平和を取り戻したようにさわやかに響き渡ります。
弦楽器のさわやかで神々しい響きは、明るい日差しと共に石化した騎士が自由を
取り戻していくような晴れやかなフレーズに聴こえます。更に盛り上がり、
トランペットの堂々とした響きは勝利と共に充実感を味わえるまさに大団円の響きです。
学生のときに「火の鳥」というカッコいいタイトルとジャケットにつられて買ってはみたものの、最初に聴いたときは、抽象的で独特なこの音楽に「失敗した・・・」と思いましたが、他の曲をたくさん聴いてしばらくしてからふとこの曲を聴いてみると、なかなかどうして、カッコイイ音使いとサスペンスのような鋭いこの曲を改めて見直してしまいました。
全22曲にはそれぞれサブタイトルがついていますから、ストーリーに状況を想像しながら聴いてみると面白く聴けるかもしれないですね。ちなみに別々のタイトルが曲ごとについていますが、1~22まで途切れずに演奏されています。バレエを見ながらだと一層その雰囲気が伝わってくるのかもしれないですね。(例によってバレエは見たことないんですけど。)
≪オススメCD≫
このジャケットに魅かれたんですね。
【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆☆☆★ →迫☆☆☆☆☆
哀:☆☆★★★
楽:☆☆★★★
≪おすすめシチュエーション≫
スペクタクルとスリル感を味わえるハラハラドキドキの一曲です。
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今日はストラビンスキー:バレエ音楽「火の鳥」です。
ストラビンスキーの代表作とも言えるバレエ音楽「火の鳥」ですが、もともとロシアの伝説を題材にしたストーリのようです。簡単に内容を紹介すると、悪魔に捕らわれた王女を王子イワンが助けにいくのですが、ある日捕まえた火の鳥を放したお礼にもらった魔法の羽の力を使って悪魔を退治するというお話のようです。
ストーリーとしては、分かりやすいこの曲ですが、音楽としては多少長めですし、分かりやすいメロディラインも少なく、どちらかと言うと効果音的で抽象的な音が多いため、間違っても初心者向けとは言い難いんですけど、クラシックファンの中では人気の作品のようです。
さて、この「火の鳥」ですが、ストラビンスキーはこの曲を作曲してからいくつかのヴァリエーションを作りアレンジを加えた版があります。それらは組曲として、それぞれ抜粋されたり演奏時間が違ったり、一部曲がアレンジされていたりするようなんですが、今回は「全曲版」とされる1910年版を中心にいくつか印象的な部分を抜粋して紹介してみます。(ホントは短めの組曲とかを紹介すればいいんでしょうけど、これしか持ってないんで。)
1導入部:コントラバスの重低音がおどろおどろしく響き、不気味に始まります。
ファゴットやミュート(消音機)トランペットが更に怪しく彩りを加えると、弦楽器
が不協和音にも似た響きを奏でます。静けさの中に不気味な雰囲気を感じます。
4火の鳥の踊り:クラリネット、フルートが幻想的に跳び回る「火の鳥」を表している
ようです。不思議なリズムに奇妙な動きをする「火の鳥」を想像させます。やがて誰か
に見つかってしまったかのように、逃げ回るような動きを見せる火の鳥が印象的です。
5イワンに捕らえられた火の鳥:イワンに捕まった「火の鳥」がジタバタともがいて
いるような響きがフラッタータンギング(巻き舌)のミュートトランペットとフルート
で臨場感たっぷりに表現されています。
6火の鳥の嘆願:イングリッシュホルンとチェロのしっとりとしたフレーズは、まるで
捕まって覚悟を決めた「火の鳥」が、悲しそうな目をこちらに向けて「お願い、どうか
私を逃がして、助けて」と涙ながらに訴えかけているように聴こえます。
10王女たちのロンド:フルートとクラリネットがさわやかなフレーズを聴かせてくれます。
オーボエの明るい響きが心地よく伝わってきます。その後はゆったりとした弦楽器が
落ち着いた響きを聴かせてくれます。
12魔法のカリヨン、カスチェイの番兵の登場:チャイム(鐘)とミュートトランペット
が怪しく鳴り響くと、トランペットがさらに緊張感を高めるように次々と音を重ねて
きます。バストロンボーンが重低音で現れるとまさに「悪者登場!」のような悪そ~な
フレーズが次々に続きます。
13不死の魔王カスチェイの登場:トロンボーンの響きからバスドラムが「ドシン!」と
響くと、いよいよボスの登場と言ったところでしょうか?じりじりと迫るような弦楽器
とファゴットは不気味です。
16火の鳥の出現:フルートとクラリネットがまるで、隙間を縫うようにあちこちへと
飛び回っているように聴こえます。
18カスチェイ一党の凶悪な踊り:一番のクライマックスですね。重低音のチューバの
リズムからトロンボーン重厚な響きのトロンボーンへ、トランペットのフレーズは
応戦するイワンの響きでしょうか?両者が鋭く剣を交えるようなダイナミックな
オーケストレーションは聴き応えもバッチリですね。
19火の鳥の子守歌:ファゴットの悲しいフレーズは子守歌と言うよりはレクイエム
(鎮魂歌)のようにも聴こえてきます。特に後半の弦楽器とハープが織り成す幻想的
なフレーズは美しくも悲しく迫ります。
22カスチェイの城と魔法の消滅、石化した騎士の復活、大団円:ホルンのおおらかな
響きはようやく悪魔を倒し、平和を取り戻したようにさわやかに響き渡ります。
弦楽器のさわやかで神々しい響きは、明るい日差しと共に石化した騎士が自由を
取り戻していくような晴れやかなフレーズに聴こえます。更に盛り上がり、
トランペットの堂々とした響きは勝利と共に充実感を味わえるまさに大団円の響きです。
学生のときに「火の鳥」というカッコいいタイトルとジャケットにつられて買ってはみたものの、最初に聴いたときは、抽象的で独特なこの音楽に「失敗した・・・」と思いましたが、他の曲をたくさん聴いてしばらくしてからふとこの曲を聴いてみると、なかなかどうして、カッコイイ音使いとサスペンスのような鋭いこの曲を改めて見直してしまいました。
全22曲にはそれぞれサブタイトルがついていますから、ストーリーに状況を想像しながら聴いてみると面白く聴けるかもしれないですね。ちなみに別々のタイトルが曲ごとについていますが、1~22まで途切れずに演奏されています。バレエを見ながらだと一層その雰囲気が伝わってくるのかもしれないですね。(例によってバレエは見たことないんですけど。)
≪オススメCD≫
このジャケットに魅かれたんですね。
ストラヴィンスキー:火の鳥ブーレーズ(ピエール), ストラヴィンスキーソニーミュージックエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |
【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆☆☆★ →迫☆☆☆☆☆
哀:☆☆★★★
楽:☆☆★★★
≪おすすめシチュエーション≫
スペクタクルとスリル感を味わえるハラハラドキドキの一曲です。
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バレエの事は特に知らなくても曲は聴けますが、知っていると一層クラシックも楽しく聴けると思います。
いつもありがとうございます。