初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

無伴奏チェロ組曲 第3番

2009年08月28日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:無伴奏チェロ組曲第3番です。

はじめに、バッハが作曲した無伴奏チェロ組曲は全部で6曲あって、それぞれが更に6曲で構成されています。

そして今回はその「第3番」ですが、結構メリハリの利いた力強い一曲なんだと思います。

前にも書いたかもしれませんが、「無伴奏」なので、ホントにチェロ一本で、リズム、メロディ、和音を、一人三役でこなしていますから、初心者には若干、聴きにくいのかもしれません。

しかし、そんな事言ってる自分自身も、完全にどれがどんな役割の音で奏でられているのかを、完璧に把握している訳ではないので、この曲の持つ雰囲気と、その音色を楽しめればそれで十分!くらいの軽いノリで聴いた方が、あれこれ考えるより逆に理解が早いのかもしれません。



 プレリュード:しっかりとした音色が響くと、低音へとグッと迫り、
 そこからまた高音へ向いながら、舞い上がるように広がっていきます。
 ぐるぐるとめぐるように響くと、
 その回転がときには心地よく、ときには苦悩を描いている軌跡のように
 様々な音色を聴かせてくれます。
 やがてその回転に力が入り熱がこもったように力強く響くと、
 何かを強く感じてしまいます。
 しかし、その後は力が抜けたように少し抑え気味になると、まるで空回り
 しているようにも聴こえてきます。
 更に間に和音を挟みながら、その回転を続けると、味わいも深く、
 着地点を求めるようにぐるぐると舞うと、最後は綺麗にまとめてきます。  

 アルマンド:軽快なメロディがはじまると、心地よいリズムにのって、
 サクサクと進んでいきます。
 要所を締める低音のリズムと、それにのって軽快に弾む中音域のメロディが
 響くと、思わず肩を揺らして聴いていたりして、
 メロディをくりかえすうちに、徐々に高音へと向かっていきますが、
 最後まで軽快なリズムで心地よく聴かせてくれます。

 クーラント:ほどよいリズムで走り出すと、
 似たようなリズムが何度も小刻みに、文字通り音を重ねるように
 高音から低音までをめくるめく響かせ、心地よくその重なりを次々に聴かせてくれます。
 まるで二重奏、三重奏を聴いているかのように、後から後からその音に
 かぶせていくように、勢いよく次へ次へと進み、気がつくともう終わってしまう。
 そんな感じでしょうか。
 
 サラバンド:ゆっくりとした和音が、じんわりと響き、低音がグッと迫るように
 ざっくりと響きます。
 伸びやかなメロディがその音を更にじっくりと聴かせてくれます。
 そのゆったりとした時間の流れに耳を傾けていると、
 何か他の事を考えてしまっていたりして、
 いや、それが逆にこの曲に集中させられている?という事なんでしょうか??
 なめらかに響くその音色と、それを際立たせる低音の魅力がたっぷりの一曲です。 

 ブーレ:今度は軽やかなメロディが始まって、まるで何かの童話がはじまる
 かのような、のどかな雰囲気で始まります。
 しかし、童話の主人公が何かの危機に直面したように、少し困ったような
 フレーズが聴こえてきます。
 その危機に主人公は、あれこれと知恵をめぐらせ、あれこれと考えると
 最後はまた、元気よく軽快なフレーズに戻り、何事も無かったかのように
 あっさりと終わるのでした。
 
 ジーグ:力強いその音色がしっかりと響くところから曲がはじまります。
 そして、細やかなフレーズが、ウズウズとした力を徐々に開放するように
 更に盛り上げると、
 その有り余る力を十分に披露するように華やかに広がっていきます。
 ザクザクと力強く、間にしなやかにその音色を交えながら、
 その思いを主張するようにたっぷりと最期までその魅力を伝えてくれます。


正直、「普段よく聴く曲」という部類には入らないこの曲ですが、ぶっちゃけ今回この記事を書くために、こんなにじっくりと聴いたのは初めてかもしれません。
それでも、改めてじっくり聴いてみると、「作曲家大バッハ」という名前も手伝っての事でしょうが、そのじっくりと聴かせるところや、小刻みなリズム、なめらかなフレーズは、これほどチェロの素の音色を堪能できる曲も他には見当たらないほどの名曲の名にふさわしい一曲じゃないでしょうか。



≪オススメCD≫
一応持ってるのはコレですが、アマゾンだと中古なのに値が張っているようで…
(もちろん買った当時は定価でした。)
バッハ/無伴奏チェロのための6つの組曲
フルニエ(ピエール)
ポリドール

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆★★


≪おすすめシチュエーション≫
チェロの魅力をたっぷりと味わえます。


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