初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

著作権のお話

2009年08月23日 | その他
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は、「著作権」のお話です。


小室哲哉さんの「著作権詐欺」森進一さんの「おふくろさん問題」とか、著作権がらみの話題が、くしくも時を同じくして大きく取り上げられていたので、「著作権」ならクラシックも・・・と思ってちょっと考えてみましたので、今日はその辺の事を、

そして、いつもならニュース記事を・・・、
といくところですが、2つ取り上げると結構長くなりそうなのと既に皆さん周知の事なので、簡単に・・・

【小室哲哉容疑者詐欺事件】
事業で失敗し、多額の借金を抱えていた小室容疑者が、既に所有権のない著作権を譲渡するかのようにして5億円を詐取した容疑で逮捕。

【おふくろさん問題】
歌手の森進一さんが、06年の紅白歌合戦で「おふくろさん」の歌詞の前に自作のセリフをつけて歌ったところ、作詞家の川内康範さんが07年に「了解していない」と激怒、その後、森さんは謝罪に訪問するが、行き違い等があって謝罪は平行線をたどる。
08年4月川内康範さん和解せずに死去。
08年11月川内康範さんの息子(弁護士)が和解する。

という訳で著作権をめぐって上のような事件や問題が起きた訳ですが、
そもそも、著作権って・・・というのを例のごとくgoo辞書で検索すると・・・
【著作権】
著作者が自己の著作物の複製・発刊・翻訳・興行・上映・放送などに関し,独占的に支配し利益をうける排他的な権利。著作権法によって保護される無体財産権の一種。原則として著作者の死後 50 年間存続する。
―――――――――――――――――――――
という事なんですが、簡単に言うと、自分で作ったもの(作詞・作曲など)は、その人のものだから、勝手に使わないでね。みたいなことかな(かなりザックリと解釈しましたが)


て、ことは、小室さんは言語道断ですよね!そもそも、報道によると自己の独占的な権利を既に売り飛ばした上に、それを自分が所有するかに見せて、それをまた売り飛ばそうとした訳ですから・・・、権利も去ることながら、作品に対する考え方がどうなんだろうって気がします。

一方「おふくろさん」の方は、歌や歌詞そのものは変えてないものの、イントロのところに、勝手にセリフを着けちゃった。みたいな感じたと思いますが・・・、
もともと森進一さんの歌を普段はあまり聴かない自分ですが、このての歌謡番組とかなら、歌手本人はともかくとして、司会の人が歌の前に「歌は世につれ世は歌につれ・・・では歌ってもらいましょう!」みたいな紹介をしてると思うんですが、あれはいいのかな?とか思ったりして。
まあまあ、「おふくろさん」の場合は、問題になったのが「歌詞」の方なので、作詞家としては、歌手に勝手に付け足されたら黙ってられない!という事なんでしょう。

それと今回気になったのがテレビニュース・ワイドショー他の番組で、これらの問題を放送する時に、必ずと言っていいほど、「おふくろさん」とかTMネットワークの「GetWild」とか渡辺美里の「MyRevolution」などの曲が流れたりしてましたが、アレってどうなんでしょう?(見てないけど、曲を流さないのはNHKくらいじゃないのかな?)
まあテレビ局なんで、「ニュースで曲を使いますよ」くらいは、各事務所には言ってるんでしょうけど・・・、ねぇ。
森さんは本人の問題なんで、ある程度仕方ないとは思いますが、作詞家の川内さんには了解とれてるのかな?
あと、TMネットワークや渡辺美里さん他、いわゆる小室ファミリーの皆さんには了解取れてるのかな?(こちらはavexに電話一本で済むと思いますが、)それにしても罪のないアーチストの皆さんにはいい迷惑以外の何物でもないでしょう。


で、一応クラシックブログなので、これらをクラシックで考えると、小室さんの場合に問題になった「著作権」は、クラシック音楽で有名な作曲家(教科書なんかに載ってる人)は既に死後50年以上経っている人がほとんどなので、比べようもありませんが、作曲した楽譜を売ってなんぼの世界ですから、目の前の楽譜にいくらの価値があるかという事ですし、詐欺罪事態が成立しないような…。そもそも「著作権」という考え方自体が無かった時代の作曲家にとっては、作曲家が今回みたいな詐欺を働くということ事態がムリなんでしょうね。

そして森さんの場合は自分でセリフを付け足した、という事ですが、こちらの場合クラシックで思い出すのは「カデンツァ」と言われるアドリブソロでしょうか?。
ただ、「カデンツァ」の場合は作曲家自身が、演奏家にその裁量でソロ演奏を許したスペースを了解済みで与えている訳ですから、今回のケースとは違うんですよね。
そもそもクラシックの場合は同じ曲を、その演奏家の裁量で与えられた楽譜の許す範囲で解釈して自らの演奏で表現する訳ですから、
そう考えると、自分の考えた歌詞以外の内容を勝手に歌われたら「けしからん」と思う川内さんの主張もごもっとも。と思ってしまいます。

加えて、こういうニュースが流れると、「これらの曲は一体誰のモノ?!」みたいな話題にもなりますが、唯々与えられた曲を楽しんで聴くしかない我々一般人からすると、「せっかくの名曲にケチがついた」みたいで、なんとなくイヤな気分になってしまいます。
でも、これらの事を再びクラシックで考えてみると、名曲を生み出した人が必ずしも聖人君子みたいな人だったのかな?という事なのかもしれませんね。
このブログでも何人かの作曲家の生涯を紹介しましたが、モーツァルトだって多額の借金を作っていたし、リストだって不倫まがいの事をしてたし・・・、
作曲家やアーチストの前に、人間だから誰だって間違いのひとつやふたつは起してしまうものなんでしょうね。
ただ、クラシックと違う点があるとすれば、それらのアーチストが同じ時代を生きているから悪い事が余計に目立ってしまうんでしょうね。

更に、別の視点から考えると、現在クラシック音楽を聴く場合は「著作権」が無かった頃の作曲家の作品を、誰にその対価を支払うでもなく、楽譜やCDが販売され、数多くの演奏会が各地のオーケストラによって今夜も無断で開催されているんだと思います。
もちろん荒唐無稽な話ですし、仮にモーツァルトやリストが生きていたなら彼らにも莫大な権利収入が支払われる事になるんでしょう。

結局、音楽を含む芸術的価値をお金に換算しようという「著作権」なるものが少々下世話な考え方なのかもしれないですね。
もちろん素晴らしい芸術作品を生み出した当人には、それに値する報酬が与えられてしかるべきとは思いますし、その事自体をどうこう言うつもりはありませんが、
CDが売れたり、曲が広く知られるという事は、それだけ作曲家なりアーチストの作品が多くの人の心をとらえたという事でもあり、
我々、聴く側も「著作権」以上の敬意と親しみを感じているのではないでしょうか?(なんてウマイことまとめたりして・・・、アレ?ウマイことまとまってるのかな??)


こんな感じで書いてました。ただ、最下段の「結局、~~」以降が当時はうまいこと考えがまとまらなくて、ほったらかしにしてましたので、一番下の段落が今回補足でまとめた文章です。

ただ、当時も書いてて、途中から「アレ?クラシックとあんまり関係ないなぁ、単なる時事ネタだな」と思ったのでそのままスルーしてました。
一応、それっぽくからめて書いてありますが、今読み返しても実際あんまり関係ないと思う。

でも、「そういえば、そんな話もあったなぁ」なんて思ったりして。

そういうこともあって、当時は「お蔵入り」にしてましたが、最近更新がめっきり減ってしまったので、「無いよりはマシ」くらいの感じでサラッと読み流してくだされば幸いです。


結局、へばって寝てしまった。

※尚、才能があろうと無かろうと「詐欺」は犯罪です。このブログはそれらの犯罪を助長するものではありません。一応念のため。


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