雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

頬のうへに愛撫の翳り映さむと淡花桜(うすはなざくら)あなたにかざす

2011-04-10 21:13:14 | Weblog


   久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の…


 鎌倉八幡宮辺の桜並木は満開。


 御ミサのゆきかえり、市街は観光客でにぎやかだった。段かづらに枝差し交わし、そこを歩けば薄紅いろに頭上をはなびらが覆う。


 うらうらと陽光も暖かく風もなく、気持ちのよい花日和。

 
 数日前からしきりに心をよぎっていた『狭衣物語』を図書館から。


 借りてきてから、はっときづいた。これと同じ岩波の古典文学大系本を、持っていたっけ。

 引越しを重ねるうちに、ずいぶんと書籍は処分してしまったから…と思っていたけれどど、やはり本棚の隅に残っていた。



 ……少年の春は、惜しめどもとどまらぬものなりければ、弥生の二十日あまりにもなりぬ。


 晩春から初夏にさきがけての冒頭。





 源氏物語の成立から一時代を経て執筆とか。


 この物語は、主人公狭衣大将が、幼馴染の源氏の宮に藤と山吹の花を一枝ずつ贈る情景から始まる。


 『源氏物語』では、桜の花にいろどられた美少女若紫。

 それで、ことさら桜を避けたのか、作者は。


 季節も桜のあとから始まる。……執筆の時代もまた。



 たぶん、女主人公の源氏の宮も、十歳過ぎだった初登場の若紫よりはいくぶん年かさなんだろう。






 そんなことを、すこし考えた一日。





 





 







 

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