どこかで花火大会。
大気に響く打ち上げの音が、遠く、くぐもって聞こえる。
江ノ島かな、逗子かな……。
今夜の月はまだ東の山に隠れて見えない。
昨夜の十六夜より、もっとあちら向きに影を含んでいるだろう。
日々こまごまと過ぎてゆく。
できたこと、できなかったこと。
とにかく今の私に適うぶんのことは済ませている。
そう思って、納得して眠ることにしている。
歌はおりふしの、ささやかな息抜き。
過ぎ行くおだやかな日々と時間に感謝。
打ち上げの音に興奮してか、どこかの犬ころが吠えている。こわがっているの?
明日の夜明けには、またひぐらしと明烏。