市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

サルビアの緋いろあかして隠れなく愛(うつく)しき言尽くしてよ秋

2008-10-18 08:46:15 | Weblog


 恋ひ恋ひて逢へる時だに愛(うつく)しき言尽くしてよ長くと思はば


                      万葉集 巻四 大伴坂上郎女から

 

 この歌、尾崎左永子さん、フランスのシャンソンのよう、とおっしゃる。
 
 わたしもそう思う。


 リュシェンヌ・ボワイエの「聞かせてよ愛の言葉を」

 
 ボワイエのかわいい声はかんだかい少女のそれではなく、ニュアンスゆたかなおとなの女性の声だけれど、なんともいえずかわいい。

 坂上郎女も、あんな声だったんだろうか。この歌は作者が、かなり年配になってから、次女の縁組のために代作したものだそうだ。

 こんな歌をもらって、お婿さん候補の青年はうれしかったろう。



 万葉集のなかでも、好きな恋歌。いちずなのに、その抒情によゆうがあり、愛らしい。


 サルビアの緋色、かげりなくてらいがない。そんな思いと。




 
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