市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

春はおぼろ夜髪を指に梳きたれば江戸挿しのごと匂ふ鉄の香

2013-03-08 19:48:42 | Weblog



 あわただしい数日に。



 手櫛、という言葉があったような記憶がある。


 柘植の櫛を使っているのだけれど、仕事のあいまにくるっとまとめるときは、ごくかんたんに手で髪をまとめる。

 そんなとき、ふと髪から、金属めいた匂いがする。


 皮脂と、血だろうか。髪も呼吸していると思う。


 それは、何本か持っている銀や合金の、江戸かんざしの放つ〈気配〉に似ている。




 では、時間の匂いかもしれない。



 今日いちにちも、自分なりにああか、こうかと考えつつ、つとめおえた。






 感謝して、また歌いたくなって……。





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