市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

十月の空汲むやうにあどけなく認知清まる瞳に触れぬ

2010-10-07 18:48:59 | Weblog

 つとめおえて。

 


 仕事柄、職域のことはあまり歌わない。世評どおり、決してらくな勤めではないのだけれど、一日のあれこれを振り返ると、肉体的な疲労はともかく、利用者さんと接して、ケアワークに自分なりに力を尽くしたあと、心によどみが残らない。

 今は経験が浅いせいもあるだろうし、いろんな曲面で、この世界の深刻から免れているおかげもあると思う。

 人づてには、ずいぶんつらい話も聞くし、話題にもされる。


 わたしが接している認知症の利用者さんのまなざしは、予想できない体調の変化で、ときに位相がねじれたり激したりなさるが、落ち着いているときは、たいてい用心深い子供のように、まっすぐにこちらを見ている、ような気がする。

 なかにはわたしの頬を撫でて「かわいいなあ」なんておっしゃる方もいる(ホント?


 認知症の方の眼は、なにを見ているんだろうなあ、と思ったりする。

 過去と現在が「矛盾なく混乱している直線」のまなざし。




 あたらしい職場では、まだ慣れないワークが多い。でも、日進月歩、と言い聞かせて働いている。


 

 
コメント (2)
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