市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

なめらかに秋は映らむ洗ひおへて砂糖のような指のささくれ

2009-09-03 14:12:56 | Weblog


 季節の移り行き。



 昨日から、すこし冷えまさり、朝の大気はくもりながら乾いていた。


 カーテン越しの光に、透度が増す。


 街の物音や、何かの気配、騒音のぶつかりあい……

 音たちの輪郭は、夏とは違うくきやかさ。


 
 お茶碗や布巾を、素手であらったあと、もう指先の乾きを感じる。


 暦の日付を、うっかりすると忘れてしまいそうなくらい、毎日のこまごま。

 
 歌うときの静かさがうれしい。すきまなく時はながれる、くるくる……さらさら。

 
 とはいえ、わたしのちいさな日常でのめぐりのことだけれど。



 山裾で、下草刈が始まっていた。秋への準備。


 通りすがり、草の匂い、湿った土と水分が、鼻腔いっぱいにあふれかえった。

 
 刈り込まれた野原の切り口が新鮮に香った。





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