クラシック・ルネサンス稽古場レポート byむー

大阪市立芸術創造館の第6回クラシック・ルネサンスに参加する第2劇場・2nd stage。近代戯曲を現代に蘇らせるその現場に迫る!

お・ま・け

2006-03-22 14:57:48 | Weblog
【おまけ1】 
 昨日閉幕した『前田藤四郎展 版に刻まれた昭和モダニズム』(大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室)をご覧になった方はいらっしゃいますか?最初のほうの展示に前田氏の蔵書が2冊。「村山知義より送られた」というものと、村山知義訳のもの。同じ期間にこんな展示があったのだなぁ、と最終日に見に行ってしみじみしてしまいました。

【おまけ2】
 稽古を休ませていただき予選に参加した詩のボクシング大阪大会、公演の1週間後に本選でした。結果は、準優勝。あと一歩で全国大会への切符を逃してしまいました。残念!また挑戦します!

あとがき

2006-03-22 14:50:16 | Weblog
 ということで、ざっと芝居の流れを追ってみました。赤玉は何の象徴?などということは、お客様の想像力にお任せしましょう。それを、ここで言葉で説明するのは野暮ですから。
 あと、当日のパンフレットには役者の名前だけで役名がありませんでした。「どの役が誰」ということが分かればと思い書いていたのですが、抜けもありましょう。気に入った役者の名前を知りたい、という方はご遠慮なくコメント書き込みを利用して、ご質問ください。出来うる限りお答えしたいと思います。

 さて、約2ヶ月にわたるレポーター役でしたが、楽しんでいただけましたでしょうか?私自身は、思った以上に楽しい経験でした。こんな経験をさせてくれた第2劇場さんに感謝、であります。

 書くのをやめても、しばらくはこのブログは残ります。トリコ・A・プロデュースさんの公演を観て来られる方もあるでしょう。どうぞ、ゆっくり読んでやって下さいませ。

 今公演で出会ったたくさんの方々、役者さんにスタッフさんに芸術創造館の皆様に作家さんに、感謝!であります。
 そして何より、公演を観に来て下さった方、来れなかったけどこのブログをのぞきに来て下さった方、支えてくださった方々に心より感謝、感謝!であります。

 改めまして(大きな声で)

「ありがとうございました!」

(深々と、礼!顔を上げ、軽やかに走り去ります。)



お茶祭り企画 川島むー

『孤児の処置』続き

2006-03-22 01:19:15 | Weblog
 一連のどたばたの後、母が現れる。わが子を返して欲しいと院長に哀願するも突き放される。
 そこに、怪人(岸本潤)登場。逃げる母。「ぬははははは」と怪人、…実は院長の息子である。そこに、退院式の合図。現れる孤児達。男レンジャーと女レンジャーによる3組のカップルが無表情に手をつなぐ。…その後ろには、出オチカップル、マダムと詩人。(観客の微妙な笑い。)院長の言葉にすら反応しない、「精神なき肉体」となった孤児達。「これが最上の処置だ」と豪語する院長(父親)に対し、息子は「社会に必要なのは勇敢な闘士だ」と叫ぶ。息子が孤児達に与えるのは、赤い玉。これを手にすることで、孤児達は変貌。精神のある肉体となるのである。あっという間に寝返り、院長をハッチに押し込んでしまう孤児達。
 ただし、ここで誤算。息子は、女教師達から鞭を取り上げ損ねる。やむなく、精神注入棒でもって孤児達をコントロール。セットの周りを走り出す孤児達。ダンサー達も加わって、大人数。セットの一番上に上り、自らの精鋭なる軍隊を獲得したと叫ぶ息子。だが、そこに鞭を持った女が3人現れる。女教師と母(ただし、女教師と色を合わせたドレス。3人で和・洋・中となっております)である。鞭を振るい、叫ぶのは、あら?『あいつを倒せ』の台詞である。
 そう、ここから再び『あいつ~』のシーンが再現されるのである。呆然と見守る孤児達。「あいつを追っ払え!」とポーズを決める女3人。
 「あいつって誰?」と黄色レンジャー(伊藤晃)。クラシック・ルネサンスのお約束から離れた台詞に慌てる人々。いよいよここから、「続きを書け」という作者の指定に従ってのオリジナルに突入(作・四夜原茂)。
 何とか、もとの『孤児の処置』に戻そうとする息子「あと2ページ半だよ、ちゃんとやろうよ」。」従わない人々。「あいつは誰?」「なんでもいいから乱闘で決着をつけよう」「いや、絶対無比の権力に対しては我慢して辛抱するんだ」「いや、もっと前向きに」収拾がつかない。たまりかねた息子は「なんでもいいから、あいつを倒せ。何なら、俺がそのあいつになってやってもいい。君のあいつは何だ?」。しかし、その態度に人々の怒り爆発。いっせいに赤玉を投げつけられる息子。はい、華々しく運動会の玉入れが展開されます。
 そんな中、気がつくと、女レンジャー3人と詩人が客席でチラシを配り始めている。「許可の無いものを配ってはいけませ~ん」叫ぶ息子。チラシは片面が当日パンフ。片面が檄文。「観客よ!燃えて今や立て!」ということで、公演中の芸術創造館が指定管理者制度の公募にかかったこと。そこにおける、疑問などが提示されている。(あくまで、問題提起。噛み付くのは大人気ない…)
 すっかり打ちのめされる息子。いつの間にか倒したはずの院長まで現れ、とどめの一発。「お、お父さん?!」お前の思惑通りにはならなかったのさ、くず折れる人々。息子を失った母は、「人殺し」と叫び、黒く大きな玉を投げつける。(実は、『あいつを倒せ』で怪人が投げつけたもの)

 2げきのお約束!大爆発!!吹き飛ぶ人々。

 やがて、光が差し、海の音。目覚めた人々は、すべての束縛から解放されている事に気づく。「私がちっとも恥じなくなっている。」カラカラと笑いながら「嬉しいんだ」「嬉しいんだ」と去っていく人々。なにやら楽しげに、The end となる。

『孤児の処置』

2006-03-16 12:47:54 | Weblog
(注)トリコ・A・プロデュースで初めて『孤児の処置』を観る、という方は、観劇後に以下を読んで、その違いをお楽しみ下さいませ。

 と、ネタばれ注意の呼びかけをした上で、2げき版『孤児の処置』をどうぞ。
 
 相変わらず戦隊モノごっこにウツツをぬかしている3人(大東広志・伊藤晃・三宅直)。(よいしょっと、舞台も回す。)それを陰から見つめる母(古川智子)と紳士(河上由佳)。どうやら赤いレンジャー(大東)が息子らしく、そのコスプレ姿をいたく嘆いている。紳士は、この手のことは任せよと請け負う。
 彼らが去ると飛び出してくる女レンジャー3人(桂久美子・渡辺優・川島むー)。「箱が着いたよ~」と叫びながら、箱の取りっこ。彼らはどうやら、ゲームよりもガンプラ(ガンダムのプラモデル)にご執心。あっという間に駆け去る3人。
 ここで孤児院の院長(横山秀信)登場である。ともに現れた紳士が語りだす。「近頃の暗さは格別。近頃の詩人はこう歌います」と紳士が語り始めるのを奪うように詩人(長嶺洋人)が登場。(…なぜか、猫耳ターザン。斑柄・豹柄の布で作られた、露出度満点の衣装。)同時に、ダンサー4人(X-Game:ボッシュ、2枚目、デュオ、ピーマン)も現れる。かっこ良く踊るHIP-HOPダンサー。ラップ調で詩を読み叫ぶ詩人。レンジャー達も現れともに叫ぶのである。詩は、萩原恭次郎「何物もなし!進むのみ!」。アナーキーである。
 つまり、彼らこそ、この孤児院に暮らす孤児たちなのである。紳士は、そこに新たな孤児を連れてくる。先ほどの赤いレンジャーである。(つまり、孤児とは赤ん坊ではなく、親が見放した社会的孤児とでも言おうか…。というのが2げき風解釈。)
 この孤児院では、集めた子供達による公演で収入を得ている。それ以外に彼らはまったく外界と接することは無く、一定の年齢になると一組ずつの夫婦にして外界に出される、ということが、母が読み上げる孤児院の規則でわかる。
 一転して、舞台では可憐なバレエダンサー達(橋本亜美、佐渡彩、西川麻依子)が踊り始める。そこに、更に可憐な、か、可憐な…嗚呼…遂に出ました。第2劇場の最終兵器彼女。真っ白なチュチュで現れたダンサー(マダム・音マニュエル)は、土俵入りのように女レンジャー3人を引き連れて、お客様は、笑うべきなのか目を逸らすべきなのか、葛藤の坩堝へ。
 鞭を持った女教師(河上由佳・菊池郁)のもと、厳しきレッスン開始。院長も現れ、マダムは劇場へ出ることに。不満げなダンサー&レンジャーによって、劇場への入り口に押し込まれるマダム。
 写真の真ん中の大きな円形のハッチに押し込まれるわけです。

…長くなりそうなので、いったん、ここで一区切り。
 

あいつは誰だ

2006-03-16 11:43:21 | Weblog
 以前の日記にも書いているのだが、この『あいつを倒せ』は、作者がとんでもない指定をしている。「…この戯曲では「如何に闘うか」又「それは可能か」の問題が書かれていない。これの続きが書かれる必要があるし、…」となっているのだ。
 この指定の利用が、今回の3本を一つの作品にまとめる要であったわけだ。では、それは如何に行われたか。それは、このあとの『孤児の処置』で明らかとなる。