酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

民進党と井手教授、ガールズ競輪、一之輔、皐月賞~うららかな春の雑感あれこれ

2017-04-15 22:41:21 | 戯れ言
 暖かくなってきた。うららかな春の雑感を思いつくまま記したい。

 民進党大会(3月12日)で「尊厳ある生活保障総合調査会」(会長=前原誠司元民主党代表)のアドバイザーとして壇上に立った井手英策慶大教授のスピーチ(動画、約12分)が、猛スピードで拡散中だ。立ち位置を超えて共感を呼んだ内容は、前々稿で紹介した映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」に通じる。<民進党 井手>で検索すればヒットするのでご覧になってほしい。

 井手教授は先進国最低レベルの福祉と社会保障、アベノミクスの下で進行する弱者切り捨てと格差放置をデータで示し、「自己責任」が横行する異様な社会から、人々が分かち合う温かい社会へのパラダイムシフトの必要性を訴える。その軸になるのは民進党しかないとエールを送った。根底にあるのは<人間としての尊厳>だ。1カ月後の今、民進党は混乱のさなかにある。冷酷で「自己ファースト」の小池都知事になびく者が続出し、右派は離党の時機を窺っている。覚悟を決めた教授の思いは、党員の心に届かなかったのか。

 硬い話はここまで、以降はどんどん軟らかくなる。まずは、「ガールズケイリン~陰で支える人々の情熱」(JSPORTS)から。5年前に復活したガールズケイリンの舞台裏に、様々な切り口で迫っている。元競輪選手の富山健一、彼の弟子の小林莉子と奥井迪、1期生で現在はガールズ競輪の広報と普及に奮闘する藍野美穂、ジャーナリストの若生武則……。5人の情熱が描かれている。

 富山はS級に上がれず、藍野は一つも勝てないままリンクを去る。ネットで配信している若生は、紙メディア廃刊を経験している。彼らの挫折が、人間臭い競輪というゲームにフィットしているのだろう。自主性と対話を重視しながら選手のモチベーションを上げる富山に感銘を覚えた。

 ここ数年、寄席や落語会に足を運ぶようになった。当ブログの一押しは春風亭一之輔で、精鋭が集うホール落語でも光って見える。古典落語という太い幹に現代的な感性の花を咲かせる一之輔が、「プロフェッショナル仕事の流儀」(NHK)に取り上げられた。噺家では2人目で、1人目の柳家小三治(人間国宝)が落語協会会長時代、「久しぶりの本物」と21人抜きで真打ちに抜擢したのが一之輔だった。

 <ポップとギャグは人を狂気に追い込む>というのが俺の持論で、〝客を笑わせないと意味がない〟と自身を追い込む一之輔の行く末を心配していた。師匠の春風亭一朝が呆れるほどの努力家で、年間900席とハードスケジュールをこなしながらプレッシャーと闘っている。落語の稽古は師匠や兄弟子の口伝が中心であるためか、一之輔は演目の進行や台詞をびっしりノートに書き込んでいる。録音した自身の声を道すがら聴きながら、併せてブツブツ呟いている。アナログとデジタルを融合させているのだ。

 TBSチャンネルのライブ中継の枕で安倍首相夫妻を揶揄していた一之輔に限らず、三遊亭白鳥、柳家喬太郎、桃月庵白酒、柳家三三ら売れっ子は、政治ネタを含めて毒を吐く。修練をベースにした閃きと、客席の空気を瞬時に読む観察力で、磁場を歪ませるのだ。ロック同様、テレビ画面では伝わらないことが多いから、旬の噺家を現場で体感してほしい。

 一之輔を支えているのは家族と師匠だ。息子と自分の日常をヒントに、「初天神」を進化させる過程が興味深かった。師匠との落語会で。飄々とした一朝の芸に「面白いよなあ、師匠は。50年やってるのに、工夫を加えてる」(要旨)と感嘆していた。疾走中の39歳は、目の前の一席に全身全霊を傾けながら、創作落語に挑戦するなど30年先を見据えている。

 最後に、難解な皐月賞の予想、いや、願望を。POG指名馬の⑰ウインブライトの勝利を願っている。スピードよりパワーが要求される外差し馬場は同馬に合うと想定していたが、土曜4R未勝利戦で好タイムが出たように、予想は一筋縄ではいかない。前走の体重減が気になっていたが、原因は寄生虫で、現在は戻しているという。まずは単勝を買い、馬連は②スワーヴリチャード、④カデナ、⑧ファンディーナに流したい。

 マイネル、コスモ、ウインといえば、打倒社台に命を懸ける岡繁幸総帥で、時に大言壮語で大向こうを唸らせる。今回静かなのは、体調が優れないためらしい。ウインブライトの父ステイゴールド(15年没)は社台生産馬だが、繋養先は非社台だ。畠山厩舎と松岡騎手は雑草コンビだ。非エリートの薫りがするウインブライトを心から応援したい。
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