酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

アイデンティティーは老化防止の特効薬?

2013-11-25 23:46:47 | 独り言
 別稿(11月16日)で自身を〝アイデンティティー拒否症候群〟と評した。俺は帰属する集団から常に距離を置く〝非国民〟〝非社員〟〝非学生〟である。5000万円を巡る猪瀬知事の発言には〝非都民〟の俺もあきれたが、徳洲会がばらまいた使途不明金は数十億円に上るという。安倍政権べったりの検察が与党議員をお縄にかけるか怪しいものだ。

 紅白に出場する泉谷しげるには、「春夏秋冬」ではなく、特定秘密保護法が成立するご時世にピッタリの「国旗はためく下に」を歌ってほしい。♪国旗はためく下に集まれ 融通の利かぬ自由に乾杯……のフレ-ズが印象的な〝反愛国〟ソングだ。

 来月3日、スカパーで「泉谷しげるwithLOSER 25周年ライブ」がオンエアされる。紅白のバックもLOSERなら、元ルースターズの下山淳(ギタリスト)も同じステージに立つ。俺にとってルースターズは、最も身近(≠アイデンティティー)に感じたバンドだった。久しぶりに紅白が待ち遠しい。

 前稿で紹介した「凶悪」だけでなく、映画やドラマには痴呆症の老人が頻繁に登場する。彼らにアイデンティティーを覚えたくはないが、遠くない未来の自身の姿なのだ。テレビで医師が説いていたが、何かを必死に応援することが痴呆症防止の一つの方法で、最適なのはスポーツらしい。ちなみに母は「7年後の東京五輪を見て死にたい」と話していた。先に惚けそうな息子とは対照的な〝真国民〟である。

 俺は夏季、冬季とも五輪は殆ど見ない。サッカーでは1974年以降、オランダファンだが、ワールドカップで悲願達成となれば興味は一気に消えるだろう。惚けないために、アイデンティティーを抱くチームを見つけるしかないが、簡単なことではない。

 長年の巨人ファン、生まれた頃からの阪神ファンは俺の周りにも多いが、同じチームを応援し続けることが俺には出来ない。読売は斜陽産業のメディアだから、経営が一気に悪化し、巨人が低予算チームになる可能性はある。かつての西鉄ライオンズを彷彿させる荒々しい野球を前面に押し出したら、俺は宗旨変えして応援するだろう。

 シーズンごとにチームの個性が一変するNFLは俺に向いている。シーホークスのピート・キャロルHCは〝カレッジでは超一流、NFLでは三流〟の烙印を押されていたが、ようやくプロでも地位を確立した。明晰な頭脳に加え、ハートの熱さとプラス思考で選手とファンの心を掴み、今季は10勝1敗の快進撃だ。

 時代遅れとイーグルスを解任されたアンディ・リードHC、新人にポジションを奪われ49ersを放出されたQBのアレックス・スミス……。先がないと思われた2人が、昨季2勝14敗の負け犬チーフスを復活させた(9勝2敗)。ドラスティックかつドラマチックで予測不能なのがNFLの魅力で、贔屓チームを決めるシーズン序盤が楽しくて仕方がない。

 不思議なことに、俺は〝非京都人〟ではなく、郷里には――いずれ帰る可能性大だが――アイデンティティーを抱き続けている。高校スポーツで準優勝が多いのが残念だが、サッカーとラグビーはトップレベルをキープしているから応援しがいがある。ラグビーでは伏見工、成章の2強を抑えて桂高校が選手権大会に初出場する。数学教師の杉本監督が繰り出す斬新な戦術に注目している。

 中国が尖閣諸島上空を「防空識別圏」に設定し、日本にいる中国人に緊急時、居場所を知らせるよう通告した。コンビニや居酒屋で働く中国人留学生たちの中には、日本人に友情を抱いている者もいるだろう。国家は時に愚かだが、個の力が乗り越える……。狭い意味でのアイデンティティーを拒否しつつ、ボーダレスのアイデンティティーを信じる俺は、どこか矛盾しているのだろうか。
コメント
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