アヴァンギャルドな時間を…

昨日、本屋の帰りにルノーのアヴァンタイムを目撃しました。既に生産が中止されているクルマなのですが、なかなかのたたずまいでした。ちなみにあの曙もユーザーの一人だそうです。（新車情報２００３で知りました。）
とにかくでかい！これをクーペと言い張るには少々ムリがあるような気もします。僕はアルファロメオぼブレラもクーペとは認めないと思っていたのですが、クーぺとはそもそもフランス語で２人乗りの馬車のこと。２ドアであればクーペとして売っても問題ないようです。（僕はあれはハッチバックとしか認めないけどね。）ただアヴァンタイムのこの存在感はかなりのものです。でもクーペではない。というかこんな車クーペというカテゴリーに収まりきれない。このクルマは商業的に成功しなかったけどのちに登場したメガーヌが成功してルノーデザインがコンサバティブから脱却し、新しいデザインアイデンティティに切り替えた象徴と言えるクルマだと思います。

べースはルノーのミニバン「エスパス」なのでそれを３ドアで仕上げてしまおうという大胆さには驚かされます。こんな大きなドアどうやって開けるんでしょう？重いし、デカイし、いやいやこういうクルマに乗るような人は自分でドアを開けたり駐車したりしないんでしょうね。つまり、乗り付けて人が開け閉めしてくれるような所が無い日本にははなっから不向きだったのかも。まさにセレブレティあふれるフランス文化のようなクルマです。

内装はルノーの提携会社で見たことあるような気がしないでも無いような感じのものです。エンジンはフランスメーカー共通で使っているV63.0Lエンジンです。これだけのボディなので重量も結構なものだと思われます。アヴァンタイムはそうなのか分かりませんが、V６エンジン搭載車のエンジンを日産のVQエンジンに乗せ変えて欧州で販売されていたことがあるようです。

ハードトップで何気にBピラーがありません。なのでサイドウインドウは切れ目無く風景を楽しむことができます。天井を含めかなりのグラスエリアを確保しているのでリアシートでふんぞり返って乗っているのが一番でしょうね。まさにバカンスに最適。バカンスの無い日本にはこれまた不向き。ただ、ルノーのパノラミックルーフ搭載車のシェードはサイドウインドウ用のように薄く黒く（透過性はありません）意図しているのか知りませんが、どういう訳か隙間が出来ていてそこから光が差し込んでくる所が気になります。
なんだかんだでとにかく優雅で大胆で刺激的なクルマです。コンセプトカーをそのまま市販化したも同然なのでルノーもこれで儲けようなって思っちゃいないんでしょうがね。儲かるかどうかだけでクルマを作るようになっちゃぁそんなメーカー終わりですよねぇ、トヨ◯とか日◯みたいに何台売れたか？どれだけ儲かったのか？数字とにらめっこばかりしているような人が上についているメーカーじゃこういうクルマはまずお目にかかれないでしょうな。