アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

ポスター屋さん復活!&その他小ネタ

2019-03-11 | インド映画

ムンバイに移動してきました。デリーも昼間は結構暑いぐらいになりつつあったのですが、ムンバイの湿気を含んだ30度超の暑さが、乾燥したデリーから来ると快いです。とはいえ、ほこりっぽいのは変わらないので、時折くしゃみが。花粉症で痛めつけられた鼻の中は、まだまだ回復していないみたいです。でも、シャー・ルクも歓迎してくれてる(?)し↓がんばらなくちゃ。


ところで、今回の国内線はExpediaというサイトで予約してみたのですが、結構安い上、エア・インディアの国内線だからとおびえていた重量も25㎏までOKのよう(チケットには明記してなくて、各会社のサイトで確認しろ、的なことが書いてあった)で、24.6㎏のスーツケースだった私は助かりました。こんな重さになったのは、デリーでの調査時に、インタビューをした方3人からご本をどっちゃりいただいてしまったからです。そのうち、調査に直接役立ちそうな本は1冊だけなのですが、最後にインタビューした方はご自分の出版社の本を10数冊用意して下さっていて、「下さい」と言えば全部いただけそうな雰囲気でした。というわけで、デリーまで運んできたあきたこまち5㎏袋が減ったと思ったら、分厚い本6冊で再びほぼ同じ重さになったのでした。そういうラッキーもあれば、エア・インディアはまず搭乗券を自動発券機で発券しておかねばならず、その後長蛇の列に並ばされ、カウンターに辿り着くまでに1時間ぐらいかかるという「やっぱり、インド(ため息)」もありました。国内線とあなどらず、早めに空港に着いていてよかったです。


さて、ムンバイでのファースト・ミッションは、ポスター屋さんがどうなったか、という調査。ドリームランド・シネマ近くの「マンシー」に行ってみたのですが、裏側の汚く薄暗い区画にも、店の姿はありません。私が困ったな、と思っていると、そこにいた人が「ラージュー・バーイーを訪ねて来たの? 電話をしてあげるよ」と言ってくれ、ラージューさんと少し話しました。ポスター屋の商売は全然ダメで、もうすっかり手を引き、今は別の所に雇われて働いている、とのこと。「ほかにもポスター屋さんはないの?」「ああ、みんな店を閉めてしまったよ」という返事にがっくり。つないでくれた親切な人に御礼を言い、ダメでもともと、と思って、ずーっと昔、初めてポスター屋を探し当てたナーズ・シネマ横の小路に行ってみることにしました。


ここは10数年前、うろうろ歩いていて発見し、「ポスターが買えるんだ!」と飛びついたところです。ナーズ・シネマ(目の前の建物)はもうすっかり姿を変え、表通りは食堂などになっていました。この写真の左手前が小路の入り口です。そこから奥を見るとこんな感じ。

ずっと中に入っていくと、左手の小屋の1軒がどうやらポスター屋さんのようです。表に初老のおじさんが座っていたのでご主人かと思い聞いてみたら、「今、ちょっと留守なんだけど、すぐ戻ってくるよ」とのこと。すると、道の向こう側に立っていた人が手を挙げるではありませんか。その10数年前のポスター屋さんで働いていたおじさんで、その後ポスター屋がつぶれたので向かいの店(印刷屋らしい)で働いている人です。「久しぶりだね」「ラージューさんの所がつぶれてしまったので、来てみたの」そういえば、ここのポスター屋がなくなってから2度ほど、この人のコレクション(というか、給料代わりにもらったのではないかと思います)から、ロビーカードを何枚か買ったのを思い出しました。そんな話をしていると、初老のおじさんが「戻ってきた」と言います。姿を現したのはなんと! 3年ほど前にポスター屋をやめてアメリカに渡ったはずのガーンディーさんでした。


アメリカ行きが手続き等でまだ半分ぐらいしか過程が済んでおらず、1年ほど前から復帰したのだとか。というわけで、お店の前でパチリ。左がガーンディーさんで、右があとから現れたこの敷地のオーナーです。オーナーの人とは、10数年前に通っていた頃会って話をしたことがあり、大学の先生が本職で、「同じ仕事だね、って話をあの時したっけ」とあちらは年を取っていても記憶力抜群でした。その時の店主はちょっと変わった人というかイカれた感じの人で、親切だったけど対応がなかなか大変でした。ガーンディーさんは相変わらずやり手で、ほしかったポスターの8割が揃いましたが、お値段もアップ。今は1枚100ルピー(約160円)だそうです。「あんたには特別に75ルピー(約120円)にしとくよ」えー、でも高~い! 去年はラージューさんのところで、1枚確か50ルピーだったよぉ。

というわけで、『Zero』や『Uri』『Simba』等のポスターが手に入ったのですが、カーンディーさんが言うには、彼の所にはシャー・ルク・カーンの古い作品のポスターがいろいろあるんだとか。しかし、1枚1000ルピーだというのですから、それはいくら日本の熱心なファンだって買いませんよ、と言っておきました。しかも、オリジナルではなくて、ほとんどが復刻版です。というのも、21世紀になるまでは、ポスターの用紙が今のようなコーティングの紙ではなくて、すぐに破れる粗悪な用紙だったからです。ガンディーさん、強気ですが、せめて1枚200ルピーぐらいにしておけば売れる可能性もあるのでは、と思います。


そんなやり取りをしている最中、表に白い大型乗用車が停まったと思ったら、コワモテのお兄さんが降りてきました。髪の後ろをちょっと縛っているので、どうやらヒンドゥー教至上主義のメンバーみたいです。この小路はちょっと怪しげで、立ちションスポットでもあるのか臭いもして、ここに停まる大型乗用車というのは、ヤ印の人というのが定番です。ヤ印の人は、上の写真の右側のポスターみたいな、少々エロティックなポスター(「セクシー・ポスター」と呼んでいました)を求めて、部下をポスター屋に寄越すことがあるのです。今回はボスみずからお車でお出ましのようで、使い走りのお兄さんが車から降りてポスターを求めに来たようです。「『タークレー』(ナワーズッディーン・シッディーキー主演の、右翼政党シヴセーナ-党首バール・タークレーの伝記映画)のポスターあるか?」「これですが、いくつかのデザインの中でこれが一番いいですよ」「貸せ。ちょっと聞いてくる」(車に持って行ってボスに見せたらしく、戻ってきて)「よし、2枚もらおう。いくらだ?」しかし、ガーンディーさん、答えません。手で、「どうぞ」というジェスチャーをするだけです。お兄さんは「そうか」と言って、2枚のポスターを持って去って行きました。あとでガーンディーさんぽつりと、「お金なんて要求したら、とんでもないことになるからね」と言っていました。


そういう所ですので、よく気をつけていらして下さい。住所と電話番号はこちらです。

Gandhi Film, Naas Cinema Compound, Hotel Chapekar Gully, Near Diamond Plaza Bldg., Lamington Road, Grant Road(E), Mumbai-400 004

TEL:98927-10833 Himanshu M. Gandhi

上の写真はナーズ・シネマの手前の道ですが、グラント・ロード駅から東へ少し行くと四つ辻になっていて、そこを南にだいぶ歩いたところです。ちょうど、ドリームランド・シネマの地区と背中合わせになっていて、狭い道さえ知っていれば、ドリームランド・シネマ側からすぐ来られます。ガーンディーさんはあと1,2年はここで商売している、ということなので、ポスターが欲しい方はいらしてみて下さい。ムンバイの北方、郊外から毎日通勤してくるので、午後に訪問して下さいね。そうそう、『バーフバリ』始めムンバイで上映される南インド諸言語の映画のポスターも、結構揃えてくれます。あれこれ買ってしまって、またバズーカ砲みたいなポスター太巻きを持って帰る羽目になりました...。

『映画(お出かけ)』 ジャンルのランキング
コメント (4)   この記事についてブログを書く
« ベトナム映画『ベトナムを懐(... | トップ | 力の入る戦争アクション『Uri... »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (エドモント)
2019-03-14 19:21:08
cinetamaさん 杉花粉避けてインドへ、羨ましいです。 
私は、現在、鼻水拭きながら大阪へ向かう新幹線車内です。
大阪アジアン映画際泰国作品「ホームステイ」に駆け込み予定です。
マンシーのポスター屋さん、お店たたんでしまったのですね。
あの界隈に十数年前に歩いていて、映画のポスター屋さんを発見とは、いったい何をしていたのでしょうか、、
昨年ムンバイ滞在したとき、cinetamaさんのblogでの案内がなければ、私はマンシーのポスター屋さんへ辿り着いていなかったと思いますよ。
充実したインド滞在でありますように、、
エドモント様 (cinetama)
2019-03-15 15:35:54
コメント、ありがとうございました。
うう、花粉症大変ですね。
日本出発直前の、ゴミ箱がティシューで埋まるのを思い出してしまいました。
鼻水に邪魔されず、大阪アジアンを楽しんで下さい。

ポスター屋さんの発見は、実は昔、グラントロードあたりには映画館がいっぱいあって、映画を見によく行っていたことがきっかけです。
ミネルヴァ、ノヴェルティなど、たくさんの映画館がグラントロードには集中していて、屋台で映画スターのブロマイドハガキを売る店もあったりしたので、毎回うろうろしているうちにポスター屋さんも目に入った、という次第です。
ポスター屋を発見した頃から、グラントロードの映画館はシネコンに押されて次々閉館していき、今残っているのはドリームランドシネマだけだと思います(あと、ボージプリー語映画を上映していた所が今でもやっているかも)。
いつか、このあたりのことも書き残しておかなくちゃ、と思っています。
なるほど (エドモント)
2019-03-20 20:20:37
cinetamaさん、インド滞在リポート興味深く拝見させて貰っています。
なるほど、確かにgoogle-mapでは、未だ多くの映画館が存在しているように見えますが、多くは閉館しているのでしょう。
以前は多くの映画館が位置していた地区なのですね。
Metroは、昔の大きなスクリーンは分割されてシネコン化されていましたが、改装されて名門らしい雰囲気でした。Regaも頑張っていましたが、Erosは営業していませんでした。
デリーでは、メインバザール地区のHOTELに宿泊しましたが、数館あった古い映画館は全滅。
コンノートプレイスも映画館減りましたね。
PVRも、以前の大きなスクリーンのちょうど2階部分だけが二分割されての上映になっていました。
大劇場でマサラ・ムービーを見て、インド映画楽しい!と思った頃が懐かしいです。
エドモント様 (cinetama)
2019-03-21 01:47:33
コメント、ありがとうございました。
おっしゃる通り、シネコンのPVRとかINOX、Cinepolisなど以外の単独建物の映画館は、次々となくなっています。
Erosもやってないようですし、Regalはがんばっているものの、Metroに近いD.N.Roadの裏にあったNew Excelsiorだったかも、閉館になっていました。
ずっと前に閉館したMetroの裏のLibertyは、レトロな館内がCFに使われたりすることも多いようで、ランヴィール・シンのアパレルのCFもリバティーの懐かしい壇上風景が出てきました。
香港では映画研究の一環として映画館の記録が残されていっていますが、インドはそんなことないようで、「老館は消え去るのみ」になっています...。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画」カテゴリの最新記事