アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2019のラインアップ

2019-07-24 | アジア映画全般

今年も、アジアフォーカス・福岡国際映画祭がやってきます。ラインアップ発表から少し日が経ってしまったのですが、今年も魅力的な作品がたくさん上映されますので、拙ブログでもご紹介しておきます。なお、作品紹介は公式サイトのものをそのまま引用させていただきました。♫以下がcinetamaのコメントです。

アジアフォーカス福岡国際映画祭2019  公式サイト
 期間:2019年9月13日(金)~19日(木)
    ※13日(金)はオープニング・セレモニーとオープニング上映のみ開催。
     14日(土)より一般上映。
 会場:ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13(キャナルシティ博多内)
     (福岡県福岡市博多区住吉1-2 アクセス
 主催:アジアフォーカス・福岡国際映画祭実行委員会/福岡市
 共催:国際交流基金アジアセンター

<アジアの新作・話題作>*は日本初上映作品

『恋の街、テヘラン』
2019年/イラン、イギリス、オランダ/102分/英語題:Tehran: City of Love
監督 : アリ・ジャベルアンサリ
冷たい街で愛を切望する、夢やぶれた3人の中年男女の物語。
元ボディビルチャンピオンのトレーナーは若い男性を担当することになり、密かな刺激を見つける。外見に自信がないエステサロンに勤める女性は縁がないと感じる男性を誘惑するため、セクシーな声を使い架空の女になりすます。宗教歌手の男は運命の人に出会う機会を増やそうと、ウェディング・シンガーへの転身を試みていた。


『ナイト・ゴッド』
2018年/カザフスタン/110分/英語題:Night God
監督: アディルハン・イェルジャノフ
見た者すべてが焼き尽くされるという闇の支配者“夜の神”の正体とは?
二度と戻らないつもりだった故郷に帰って来た男とその娘。町は闇に支配され、「やがて空に巨大な神の顔が現れ、それを観た者は一人残らず焼き尽くされる」という世界の終末を前に、人々は神や善悪の観念さえ失い、カオスの中で生きていた。そこで父と娘が体験する暴力と不条理を、絵画的な映像と寓話的メタフォーの中に描く。


『シヴァランジャニとふたりの女』
2018年/インド/123分/英語題:Sivaranjani and Two Other Women
監督: ヴァサント・S・サーイ
今も昔も変わらない妻たちの現実、それでも凛と立つ女たち。
たった一度の口答えで夫に家出される女性、「家族の名誉に関わる」と夫の家族に日記の開示を迫られる共働きの妻、そして結婚を機に家族の世話に追われる元アスリートの主婦シヴァランジャニ。異なる年代に生きる女性3人を通して描かれるのは、現代インドに残る女性蔑視の現実。それでも前に進む彼女たちの姿が感動を呼ぶ。

♫1980年のサラスワティの話、1995年のデーヴァキの話、そして2007年のシヴァランジャニの話の3部作仕立て。チェンナイ在住の深尾淳一さんのお話によると、「監督のヴァサントは数々のヒット作を輩出している名監督ですが、近年はオフビートの映画作品の製作に力を入れているようで、批評家からは高い評価を受けています」とのこと。お見逃しなく。


『デモンズ』
2018年/シンガポール/83分/英語題:Demons
監督: ダニエル・フイ
迷路のような深層心理の中に描かれる、集団社会の潜在的な恐怖と狂気。
高名な演出家ダニエルの舞台で、見事主演の座を射止めた女優ヴィッキー。だが、それと同時に、まるで魂が抜けたよう感覚と、奇妙な幻覚に襲われ始める。一方、ダニエルも周囲の人々の不条理な言動と、おかしな悪夢に戸惑い、怯え始めるのだが…。社会に潜む権力、芸術、そしてトラウマへの恐怖を風刺的に描く異色ホラー。


『夜明けを待ちながら』
2018年/インドネシア/82分/英語題:Ten Seconds Before Sunrise
監督: テディ・スリアアトマジャ
軽快に、そしてスリリングに描き出す、きらびやかなジャカルタ・ナイトライフ。
その日、ジャカルタでは東南アジア最大のレイブ“DWP”開催を控えていた。レコード店を営むバユは友人たちからDWPに誘われるがつれない素振りを見せる…。バユたち、友人の元カノ、ドラッグディーラー、それぞれがモザイクのように絡み、夜の狂宴に向けて疾走する。キレのいいサウンドと映像、テディ監督の手腕が光る。


『マンタレイ』
2018年/タイ、フランス、中国/105分/英語題:Manta Ray
監督: プッティポン・アルンペン
ミャンマー国境近くの海と森を舞台に展開する、浮遊感に満ちた友情とサスペンス。
かつて多くのロヒンギャ難民(※)が溺死した海に面するミャンマー国境近くのタイの村。森で負傷し倒れていた男を助けた漁師の青年は、言葉も話せない彼を“トンチャイ”と名付け、不思議な共同生活を始める。ある日、青年が海で姿を消し、トンチャイは彼に成り代わったように生活を引き継ぐ。そこに青年の元妻が現れて…。
※ロヒンギャ難民…1990年代から数十年にわたって迫害されてきた、主にミャンマー西部のラカイン州に暮らす、国籍を持たない約100万人のイスラム系少数民族

♫東京FILMeX2018上映時の、このブログでのご紹介はこちら


『アルファ 殺しの権利』
2018年/フィリピン/94分/英語題:Alpha, The Right To Kill
監督: ブリランテ・メンドーサ
その影には何が潜んでいるのか? 闇深き薬物戦争を暴いた衝撃作。
マニラで繰り広げられる麻薬戦争を真正面から扱った衝撃的な作品。麻薬取引の大物アベルの組織を撲滅するよう指令を受けた警察官エスピノは、内通者からの情報を得てSWATとともに取引現場に乗り込む…。良き父親でもある警察官の表と裏の生活を、メンドーサ得意の手持ちカメラを駆使した映像で生々しくとらえていく。

♫東京FILMeX2018上映時の、このブログでのご紹介はこちら


『それぞれの道のり』
2018年/フィリピン/118分/英語題:Journey/原題:Lakbayan
監督: ブリランテ・メンドーサ、ラヴ・ディアス、キドラット・タヒミック
三人三様の持ち味を生かして描く、それぞれの“旅”の行き着く先は。
フィリピン映画生誕100周年を記念して製作された本作は、フィリピン・アートシネマの巨匠3監督によるオムニバス作品。統一テーマは「旅」。モノクロ・長回しの静謐な魔術的映像美が圧倒的なディアス、手持ちカメラを駆使した映像が臨場感溢れるメンドーサ、息子の旅を活写したタヒミックと、三人三様の個性が際立っている。

♫東京国際映画祭2018上映時の、このブログでのご紹介はこちら


『マルカド、月を喰らうもの』
2018年/フィリピン/90分/原題:Markado: The Moon Devourer
監督: ジョー・バクス
絶望の向こう側に待っているものは? 独特の世界観で構築された渾身の一作。
大型台風による洪水が街と人々の心に荒廃をもたらした。街では、強盗、殺人、誘拐、残虐な犯罪行為が蔓延している。生き延びたサブは、残された唯一の家族である祖母のため、麻薬組織の運び屋をしていたのだが…。実写にミニチュアセットとフィギュアによるストップモーションアニメを組み入れた大胆な構成で見せる意欲作。

『轢き殺された羊』
2018年/中国/87分/原題:Jinpa
監督: ペマツェテン
夢か現(うつつ)か、現生か前世か、これは死んだ羊が見せた夢なのか。
広大なチベットの草原を舞台に“ジンパ”という同じ名を持つ2人の男の出会いを、現実と幻想が入り混じる圧倒的な画力で描く。ウォン・カーウァイがプロデュースを担当。誤って羊を轢き殺してしまったトラック運転手ジンパは、荒野を往くひとりの男を車に乗せた。彼もジンパと名乗り、長年の復讐のために人殺しを企てていた。

♫東京FILMeX2018上映時の、このブログでのご紹介はこちら


『自由行』
2018年/台湾、香港、シンガポール、マレーシア/107分/英語題:A Family Tour
監督 : イン・リャン
創作の自由、家族を想う気持ち、映画作家の葛藤を浮き彫りにする。
作品が原因で当局と問題を起こし、中国を離れて香港で暮らす映画作家のヤン。四川に住む彼女の母親はがんを患い、すぐに手術を受けねばならない状況だった。ヤンは夫と息子と共に台湾の映画祭に参加する折、ツアーの観光客として中国から台湾にやって来る母親と数年ぶりの再会を果たすが…。リャン監督自身の境遇を投影した作品。

♫東京FILMeX2018上映時の、このブログでのご紹介はこちら


『福岡』
2019年/韓国/86分/原題:Fukuoka
監督: チャン・リュル
過去を引きずる中年男2人と、1人の少女。 街をそぞろ歩く彼らの胸に去来するものは?
韓国で古本屋を営むジェムンは、店の常連である不思議な少女ソダムの誘いで福岡を訪れることに。実はそこには、大学時代1人の女性を愛したことから仲たがいしたままの親友ヘヒョがいた。本映画祭の常連チャン・リュル監督が、愛着ある街・福岡を舞台に完成させた注目作。韓国映画やドラマで活躍する出演陣の顔ぶれも豪華だ。



<東南アジア・リージョナル特集「リージョナルであること」>*は日本初上映作品

『フンバ・ドリーム』
2019年/インドネシア/75分/英語題:Humba Dreams
監督: リリ・リザ
人の想いが詰まった時間(とき)の記録―1本のフィルムをめぐる青春ロードムービー。
父の遺品を処理するため、フンバ(スンバ)島に一時帰郷した主人公。ジャカルタで映画作りを学ぶ彼は、父が遺した16㎜フィルムを現像するための薬品を探して、島を旅することに。旅先で出会った哀しい目をした美しい女性。彼は彼女に激しく心惹かれる。アナログな記録物が持つ独特の温かみと共に綴られる、主人公の自分探しの旅。


『誰かの妻』
2018年/インドネシア/99分/英語題:Other Man's Wife
監督: ディルマワン・ハッタ
女性は男たちの所有物にすぎないのか。従属という日常の中で、少女が見つけた希望とは?
たった一人の理解者だった母が亡くなり、心を閉じる孤独な高校生のヒロイン。「女性は、この世界の支配者である男たちの所有物に過ぎない」という現実に絶望しつつ、父、初恋の相手、結婚相手、義理の父と、男たちが命ずるままの人生を生きてきたが、そんな彼女の前に、初めて「自分の意志で愛したい」と思う男性が現れ…。 ジャワ島とマカッサル海峡の間に位置するカンゲアン諸島のある女性の物語。


『カンペーン』
2018年/タイ/95分/英語題:The Wall
監督: ブンソン・ナークプー
現実とフィクションの間で綴られる、ある映画監督の情熱と青春の物語。
新作のロケハンのため、 2 人のアシスタントと生まれ育った故郷を訪れたインディペンデント映画の監督。そこで昨日のように思い出される少年時代の夢と後悔。予算繰りが難航する中、彼は自分が修行僧だった頃の出来事を映画にしたいと奔走するのだが … 。映画への愛と情熱、そして現実が詰まった監督の自叙伝的な作品。 撮影地のペッチャブーン県、スコータイ県は監督が実際に少年期・青年期を過ごした場所である。

♫今年も9月は福岡へGO!


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