アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

フィリピン映画『Hello, Love, Goodbye』もなかなかグーでした

2019-08-28 | 東南アジア映画

シンガポールにはフィリピン人のメイドさんもたくさん働いているので、フィリピン映画もコンスタントに上映されています。土曜日か日曜日に見られたら、フィリピン人の観客もいたのでは、と思うのですが、残念ながら今日は私とあとカップル一組という観客で、『Hello, Love, Goodbye』を見てきました。主演はキャスリン・ベルナルド(Kathryn Bernardo)、アーデン・リチャーズ(Alden Richards)、そして監督はキャシー・ガルシア=モリナ(Cathy Garcia-Molina)です、と言っても、どんな人たちなのかすぐピンとくるのはよしだまさしさんぐらいでしょう(笑)。Wikiで調べてみるとこの女性監督はかなり多作な人のようで、愛だの恋だのをずっと描いてきたようですが、本作は香港を舞台にした作品で、香港で働く若いメイドさんたちを結構シリアスに描いていて、引き込まれました。

Hello-love-goodbye-poster.jpg

ジョイ(キャスリン・ベルナルド)は香港での契約期間があと4ヶ月で終わるので、その後カナダに行って働きたいと考えています。最終的な目標はアメリカなのですが、大金を積んでまずカナダに行き、家族を呼び寄せたいと思っていました。フィリピンにいるのは、事故で目を悪くした父とハイティーンの妹と弟。母親は香港に働きに来て、居住権を得るために父と離婚して中国人男性と結婚、今は深圳に住んでいました。ジョイが働いている香港の家庭は、障害のある女の子を抱えたシングルマザーとその年老いた母親、という構成です。小学生の女の子の送り迎えにはジョイが欠かせないため雇われたのですが、雇い主が「家計が苦しくてあなたをもう雇えない」と言い出します。あと4ヶ月だけなのに、とジョイは頼み込み、お給料は半分でいい、夜は別の仕事をして働くから、と提案します。違法なので雇い主はしぶったものの、ジョイは押し切って、友人に紹介されたランカイフォンのバーで働き始めました。ところが警官に見つかり、必死で逃げたジョイは、その店のフィリピン人バーテンダー、イーサン(アーデン・リチャーズ)に助けられます。その後イーサンは積極的にアプローチしてきて、ジョイは彼と付き合い始め、バーの皿洗いとして働かせてもらえるようになります。しかしながら、父親が香港の居住権を持つフィリピン人というイーサンも、複雑な家庭の事情を抱えていました...。

Kathryn Bernardo and Alden Richards in Hello, Love, Goodbye (2019)

この物語に、ジョイのメイド仲間2人や、新しく働きに来たジョイの従妹、イーサンのバーのオーナーと同僚、2人の弟らがからみますが、メイド仲間2人がちょっとうるさいものの、あとは出演者全員が感じのいい俳優ばかりで、実にチャーミングな映画でした。特に、ジョイ役のキャスリン・ベルナルドが少し憂い顔のかわいい女の子で、ジョイの苦闘ぶりについつい同情してしまいます。キャスリン・ベルナルドは歌手でもありモデルもしている、とのことですが、この映画では平凡な顔立ちがぴったりハマっていました。まだ23歳なのに、歌手としては芸歴6年、俳優としては芸歴16年のベテランです。劇中で、「ミス・セントラル(ミス「中環/セントラル」)」の美人コンテストが行われるのですが、その自己アピールでジョイが調子っぱずれの歌を歌い、聞いていたメイドさんたちが大笑いするシーンがあるのは、歌手として有名な彼女のわざと音程をはずした歌い方に笑っていたわけですね。(下の写真はWikiより)

Kathryn Bernardo at the Celebrate Mega in Iceland, 2016.jpg

アーデン・リチャーズも俳優、テレビ司会者、歌手等で活躍している人とのことで、こちらもイケメンに加えて演技も上手。「I don't love you.  I, super, duper, extremely love you」(ちょっとうろおぼえです)てなクサいセリフも似合う、素敵な男優でした。また、彼の弟役2人もイケメンで、目の保養をさせてもらいました(インド映画の主人公は、みんな中年だったものなあ)。雇い主側の香港人も、以前のヴィルマ・サントス主演『母と娘』(2000)では人でなしの人間たちとして描かれていましたが、ジョイにきつく当たったりするものの、最後のお別れでは偏屈なおばあさんもいいとこを見せるなど、公平な描き方でほっとしました。『母と娘』はこの映画の中で、セントラルに集うメイドさんたちがスマホで見ている、というシーンが出てきましたので、監督も『母と娘』を意識しながら作ったのだと思います。下に、予告編を付けておきます。

Official Trailer | Kathryn Bernardo, Alden Richards | 'Hello, Love, Goodbye'

次の上映作品は『Just a Stranger』というスペインだかを舞台にした、年下の男を愛した女性の話のようだったので、『Hello, Love, Goodbye』でよかったです。そうそう、スター・シネマの作品でしたよ、よしださん。



コメント (6)   この記事についてブログを書く
« ヒンディー語映画『Judgement... | トップ | 中国映画も宇宙を目指す『銀... »
最近の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Hello, Love, Goodbye (よしだ まさし)
2019-08-29 12:46:00
この『Hello, Love, Goodbye』、実はこの週末に日本でも上映されるんです。
在日フィリピン人のための上映会が荒川区であって、なんとか苦手な英語を駆使してチケットもゲットしました。
英語字幕のつく上映かどうか不明なので、ここであらすじが読めたのはラッキーでした。

現在、フィリピンでも大ヒット上映中ですが、このペースだと歴代興収記録を更新するのではないかと思われます。

主演のキャスリン・ベルナルドは、以前、大阪で上映された『バルセロナ』の主演女優です。いつもは、ダニエル・パディーリアという男優と共演しているのですが、今回は久しぶりに別の男優との共演でした。

うるさいメイド仲間というのは、おそらくカカイ・バウティスタという女優だと予想しています。あとは、マイマイ・エントラータかな。

なお、監督のキャシー・ガルシア・モリナについては、以下のサイトをご覧ください。

http://garakuta.blue.coocan.jp/denei/philippines/2019/philippines_column_09.htm
よしだ まさし (cinetama)
2019-08-29 22:36:11
予想通り(笑)コメントを下さり、ありがとうございました。
監督についても、すでに詳しく紹介なさっていたのですね。
監督の英語版Wikiには、主演俳優の出面表?みたいなののが付いていて、誰が何度起用されたかがわかるようになっているのですが、あまりの作品の多さに最近のデータの所はワクからはみ出して読めないぐらいです。
こんなすごい女性監督がいるのですね、フィリピン映画界。

このストーリーがお役に立つかどうかわかりませんが(英語字幕が早く消えてしまうので、細部を間違って理解しているかも)、全編退屈せずに見られる出来のいい作品であることは確かです。
松嶋菜々子似の主演女優キャスリン・ベルナルド、『バルセロナ』の時の女優さんでしたか。
結構ういういしい感じだったので、まだ新人に近いのかな、と思ってWikiを見たら、大物でびっくりした次第です。
どうぞ楽しんできてくださいね。
よしだ まさし様(お詫び) (cinetama)
2019-08-30 02:07:46
失礼しました!
さっきの返信コメント、お名前に「様」を付け忘れました。
呼び捨てにしてしまったりして、ごめんなさい。

よしださんのブログ、旅行中も楽しませてもらっています。
お孫さんの水遊び姿とか、かわいいですね~。
またぜひ、お孫さんネタをたびたび読ませてくださいませ。
観てきました (よしだ まさし)
2019-09-02 12:32:35
観てきました。
キャスリン・ベルナルド、以前はもっと賑やかで華やかな役柄が多かったのですが、モリナ監督と組むようになって大人の女優へと脱皮した印象です。ウォン・カーウァイ監督の『いますぐ抱きしめたい』『欲望の翼』で変貌したマギー・チャンを思い出してしまいました。

にぎやかなメイドさんのひとりは、予想通りカカイ・バウティスタでした。最近では『Wonder Bra』という怪作を観ておりますが(^^ゞ
もうひとりのメイドさんは誰だか分かりませんでした。
最近人気のマイマイ・エントラータはジョイの従妹でした。

英語字幕はついていたものの、相変わらずセリフをすべて翻訳しているので、まったく追いつけず、細かい設定が分からないまま。cinetamaさんの内容紹介にだいぶ助けられました。

975席ある会場の8割方は埋まっていたのではないかと思います。もちろん、そのほとんどはフィリピン人で、まわりで飛びかっているのはタガログ語ばかり。アルデン・リチャーズのファンクラブの人たちが横断幕をかかげて写真撮影をしていたり、おでこにキスするだけのシーンで場内から「キャーッ!」という嬉し恥ずかし嬌声が湧き起こったり、なかなか楽しかったです。
よしだ まさしよ (cinetama)
2019-09-03 16:44:45
ご覧になってのコメント、ありがとうございました。

アルデン・リチャーズ(アーデン、じゃなくてアルデンなんですね、発音は)はそんなに人気があるのですか。
あと、いろいろ俳優の名前も教えて下さってありがとうございます。
在住フィリピンの方の多さは、以前よしださんのブログでもいろいろイベント報告を拝読して知ってはいるのですが、映画だけでも800人近く集まるとはすごいですね。
しかし、あの英語字幕、もうちょっと簡潔にしてくれないかなー。
私も、だいぶ読み切れなくて困りました...。
よしだ まさし様(お詫び) (cinetama)
2019-09-03 16:48:24
前のコメント、またまた変なタイトルになっていてすみません。
「よしだ まさし様」を選択してクリックしたのに...。
ちゃんと書き入れるのをサボるな、ということのようです、ごめんなさい!

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

東南アジア映画」カテゴリの最新記事