アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

「地理を読む!」で出来上がった『バーフバリ』の地図

2019-05-25 | インド映画

インド映画連続講座第Ⅲ期「インド映画を読む!」の<第3回>「地理を読む!」が終了しました。3回開催した講座にそれぞれおいで下さった皆様、本当にありがとうございました。特に今回の講座は初めてお越し下さった方が多く、終了後のアンケートを見ると、インド映画をすでに50本、100本と見ておられる方がほとんどで、びっくりしました。過去のレジュメをお求め下さる方もいつもにも増して多数あり、コピーしたり、付属するプレゼントを用意したりすることにも追われました。

「地理」のお話自体は、広いインドを駆け足で説明する形になってしまって、ちょっとあわただしかったのですが、インドの地名の作り方(単語に「~プル」「~ナガル」「~ガル」「~アーバード」などを付ける)とか、映画の空間での地理の話で、デリーからピラミッドにワープする表現とか、楽しんでいただけたのでは、と思います。私自身としては、この機会に『バーフバリ』の地図を作ってみることができたのが、大きな収穫でした。

『バーフバリ』の地図は、『バーフバリ 伝説誕生』(2015)のオープニングタイトルの所に現れます。あの地図を頭の中に入れて見ると、『バーフバリ 王の凱旋』(2017)と合わせたバーフバリの空間的世界がとてもよくわかるのです。ところが当初はそれに気がつかず、『~王の凱旋』が上映されたあたりから、あの地図を見直すようになりました。そして、昨年、ラーナー・ダッグバーティがゲストとして来日した時にこう語っていたことで、私の「あの地図がほしい!」熱は一挙に上昇しました。


「ラージャマウリ監督とは初対面だったのですが、彼は初めて会った時に映画のストーリーを語るのではなくて、地図を取り出して広げたんですね。それで、これがマヒシュマティ王国だ、三方が山に囲まれていて、残る一方からは水が流れ落ちている。その滝の下には人々が住んでいて...とか説明されて、それを聞いただけで心を奪われました」(舞台挨拶全文はこちらです

その後、ネットを一生懸命探したのですが、そんなもの、どこにも出ていません。で、この映画講座の第Ⅲ期のラインアップを決める時に、「地理」もテーマの一つにして、『バーフバリ』の地図を自分で作ってしまおう、と決心したのです。でも、CGなど全然できない私なので、ものすごいアナログ方式で作りました。『バーフバリ 伝説誕生』の冒頭画面をカメラ撮りし、それを貼り合わせたのです。その地図がこちらです。


しかしながら、あの画面ではカメラは(というか、実際に地図があってそれをカメラで撮っているわけではなく、すべてCG上の動きなのですが)最初真上からの俯瞰で動いていたものが、途中からは角度が違ってきています。従って、単純に貼り合わせることができないのです。上の地図に続く箇所はこちらです。


さらにカメラ目線は地表に近くなり、最後はこんな形になったあと、大滝がアップになって物語へと続いていきます。

CGができる方が作って下さると、きれいな平面図になるのでは、とも思うのですが、いかに『バーフバリ』ファンのインド人と言えども、CGまで試みた人はいなかったようです。ただ、私と同じような発想をした人はいるようで、さっき「Baahubali Maps Images」で検索したら、下の地図が出てきました。出典サイトはこちらです。この人は、隠された手がかりをいろいろ探すのがお好きなようですね。

『バーフバリ』はインド本国でいろいろグッズが出ていたので、地図として完成したものをグッズとして売り出して下さればよかったのになあ、と思います。これからもしノベライズ本など出るようでしたら、完全な地図をぜひ付けて下さいね、ラージャマウリ監督。(下の写真は昨年4月末に来日した時のもので、右隣はプロデューサーのショーブ・ヤーララガッダさんです)

というわけで、インド映画講座は毎回、私にとってもすごく勉強になる、楽しい講座となっています。次回のテーマは「歴史を読む!」です。拙ブログでのご紹介はこちらで、会場であるスペース・アーナンディのサイトからお申し込みになれますので、ご興味がおありの方はぜひどうぞ。

 


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2 コメント

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とても参考になりました (エドモント)
2019-05-31 18:46:52
cinetamaさん
バーフバリの地図、苦労して作成されたのですね。
とても参考になりました。
インドの古装片(あっ、これは中華圏の作品の時に使う言葉でしたね..)見る際は、何処の話なのか?実は良く解らずに見ていたことが時々ありました。
映画のオープニングに、何時の時代だけでなく、地図を出して、何処の物語なのかも教えてくれたら、嬉しいのですけどね(笑)。
地図といえば、かつて、私がまだ制服を着て学校へ通っていた頃、米国TVシリーズで「白バイ野郎ジョン&パンチ」を見ていた時のことです。
この作品はカリフォルニア・ハイウエー・パトロール(警察)を舞台にしていたのですが、
「ベンチェラ高速を南へ..」という台詞で、
画面に映る案内板見ながらエッ??と、疑問に思い、以後、当時持っていたL.A.地域の地図を拡げながら見ていました。
そうしたら、台詞とは全然別の場所を走っていることが屡々、当時ハイウエーでの白バイ運転シーンは、撮りダメをして、遣い回ししていたことを知ったのでした。
後に、映画の魔法として、ロケ撮影でも、色々な場所を繋ぎ合わせて、全然別の都市で撮影しても、同じ場所のように見せることも多いことを知るわけですが...

エドモント様 (cinetama)
2019-06-01 01:54:38
コメント、ありがとうございました。
お役に立って、幸いです。

『バーフバリ』はまったくのファンタジーなので、整合性はどうでもいいようなものなのですが(直角に落ちる大滝とその上のお盆に乗ったような世界って、かなり変ですよね)、あの地図がずっと私を呼んでいて(笑)、こうやって作るまでは落ち着きませんでした。
「バーフバリ」という名前は歴史上や伝説上でもいくつか登場しますし、「マヒシュマティ」という国というか都市も存在したようです。
というわけで、「あら、こんなところにバーフバリ」という出会いもあり、あの2本の映画でずいぶんいろいろな楽しみ方ができて、感謝しています。

映画のマジック(いいかげんさ?)についてのお話もありがとうございました。
私がそれに気づいたのは柳町光男監督の『十九歳の地図』(1979)で、当時住んでいた赤羽の新聞配達店が登場するのに、主人公が配達するシーンは王子の飛鳥山付近だったので、「映画のウソ」を初めて認識したのでした。
でも、インド映画になじむようになると、タミルナードゥ州からカッパドキア&パムッカレに話が飛んでも、全然驚かなくなりましたねー(笑)。

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