アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

長い間ありがとう、「旅行人」!

2011-12-10 | 旅行

「りょこうにん」と読まないで下さいね。「りょこうじん」です。長い間続いた旅人のための雑誌「旅行人」が、今出ているNo.165、2012年上期号をもって休刊となりました。最終号の表紙は、バングラデシュのシュンドルボン(”美しい森”という意味)の村人たちです。

 

「旅行人」は、上の写真右下隅に登場している蔵前仁一さんが、奥さんの小川京子さんと一緒に出版してきた雑誌で、出版元の会社の名前も”旅行人”となります。「旅行人」の前身は「遊星通信」と言ったそうで、1988年10月に創刊。その後1993年10月に「旅行人」という名前に変わり、以後月刊誌として親しまれていきます。

月刊誌と言っても正確に言うと年10回刊で、年2回のお休みの月は編集長夫妻の旅行にあてられていたと思います。その頃の「旅行人」は背表紙がない、つまり、一般週刊誌と同じような真ん中ホッチキス止めの製本でした。私が読み始めたのはいつ頃だったか定かではありませんが、今手元には1990年代後半のバックナンバーが残っています。この頃は表紙がグレゴリ青山さんのイラストで、毎号そのセンスのいいデザインが楽しみでした。

売れ行きもよかったようなのですが、ほぼ毎月刊という形態は編集部にとっては相当大変だったようで、加えて1995年に出版社旅行人ができて単行本の出版が増えたことから、「旅行人」は2004年に季刊となります。こうして、今の背表紙がある、つまりページ数が以前の倍以上となる雑誌に生まれ変わりました。この体裁にすることで、それまでの旅行ネタ別の企画と読者投稿、何本かの短いエッセーで成り立っていた誌面から、大きな文化的/地域的テーマで特集を組み、カラー写真を多用した誌面で迫力と深みのある「旅」を提示する、ということができるようになったわけです。こう言っては何ですが、毎月のお楽しみ版=読み捨て版から、読み応えのある保存版へと変化したわけですね。

とはいえ、毎月のお楽しみ版時代も、面白い企画がいろいろ立てられていました。中でも特に忘れられないのが、インド映画ブームの時に作られた特集号2冊です。左が1998年のN0.84で、右が1999年のNo.91。グレゴリ青山さんが素晴らしい筆運びでインド映画スターの似顔絵を描いてくれています。さて、誰が誰だかわかるかな?

読者投稿も毎号楽しく読んでいましたし、前川健一さんはじめ常連ライター、エッセイストの皆さんの文章も面白く、グレゴリ青山さんの表紙絵の力もあいまって、この頃の号も捨てがたいものがあります。私はバックパック旅行はやったことがなく、1975年に初めてインドに行った時も、銀座のJALの事務所に行って正規運賃でチケットを買い、義姉のスーツケースを借りて旅立った、という無知ゆえのお間抜け海外旅行初体験だったのですが、「旅行人」を読んでいると皆さんたくましい旅をしていて、毎号舌を巻いたものでした。こういう旅をする人は、今では少なくなったのでしょうね。

「旅行人」がなくなるのは残念ですが、これまでの楽しい読書による旅行体験を心から感謝しています。特にここ2、3年は寄贈でいただいていたので、この場を借りてその御礼も。毎号面白く読ませていただいたのですが、最終号は文字通り隅から隅まで読みました。「本誌読者がおすすめする、死ぬまでにここだけは行っとけ!」という投稿特集では、「行けるか、こないにぎょうさん!」とかツッこみながら読ませていただきました(笑)。7回ぐらい生まれ代わらな、行かれへんで~、ホンマ。

最後に、皆さんがお求めになりやすいようアマゾンへのリンクを付けておきます。定価1,470円です。カレンダーも付いてます。

旅行人165号世界で唯一の、私の場所《休刊号》
椎名 誠,高野 秀行,石井 光太,小林 紀晴,蔵前 仁一,宮田 珠己,グレゴリ 青山
旅行人

 蔵前仁一さん、小川京子さん、そして編集部の皆さん、長い間どうもご苦労様でした。これからは御社から出る単行本を楽しみにしていますね! あ、旅行人のHPはこちらです。単行本チェックはこちらからどうぞ。

『雑誌』 ジャンルのランキング
コメント (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« シンポジウム「ヤスミン・ア... | トップ | 周星馳版『3バカに乾杯!』... »
最近の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (グレゴリ青山)
2011-12-13 09:50:37
旅行人の表紙を紹介してくださり、ありがとう!インド映画特集の時は松岡さんと次良丸さんとの鼎談本当に楽しかったですね。また鼎談の機会がないかな~。そうそう、このときの表紙のイラスト原画は、来年1月、福岡アジア美術館の「魅せられて、インド。――日本のアーティスト/コレクターの眼」で展示する予定です。cinetamaさんのコレクションも楽しみですー。
グレゴリ青山様 (cinetama)
2011-12-13 23:29:16
グレゴリ画伯、コメントをお寄せ下さりありがとうございました!
この記事を書くので古い「旅行人」を取り出して見たところ、画伯の表紙絵のすばらしさにあらためて魅了されてしまいました。連載マンガも面白かったですねー。こちらも読み直して、ガハハと(森優子さんみたいな表現ですが)笑ってしまいました。

福岡アジ美の展覧会は、またあらためてご紹介しますが、「グレゴリ堂ボリウッド本店」というのが開設されるんでしたっけ? グレゴリ画伯ワールドがぎゅぎゅっ~と詰まっていそうで楽しみです。原画もたくさん展示されるのかな?
私のコレクションは、インド映画モノはあまりに多すぎて却下、レターセットのコレクションとなりました。インド映画コレクションを展示するとしたら、1トントラックぐらいで運ばないとダメかも...。
「魅せられて、インド。」展は1月21日(土)~3月11日(日)@福岡アジア美術館なので、皆様どうぞよろしくー。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

旅行」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事