アジア映画巡礼

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『マダム・イン・ニューヨーク』主演女優シュリデヴィ来日イベント<2>

2014-05-30 | インド映画

『マダム・イン・ニューヨーク』主演女優シュリデヴィの記者会見、トークショー、そして特別試写会が行われた5月29日(木)の駐日インド大使館。開場は3時10分だったのですが、少し早めに行ってみると、大使館前にはインド人二人組を始め、ちらほらとファンらしき方々が。シュリデヴィはもう到着しているだろうし、出待ちするにはあと数時間も....と気の毒に思っていたら、主催者側の暖かいご配慮により、門前にいた皆さんも最終的には中に入ることができ、2階席に案内されていました。よかったですね~。

そしてほぼ予定通りに始まった第1部の来日記者会見。司会は花田景子さんです。さすが元アナウンサー、マダムとしての貫禄も十分で、甘い声でストーリーをまずご紹介。「ここ数年、インド映画が日本でもたくさん上映されるようになりましたが、インド映画の大スターがプロモーションで来日するのはきわめてまれなことです」と、今回シュリデヴィの来日がいかに大事件かを強調して、いよいよシュリデヴィが登場。ゴージャスなサリーに目を奪われます。


第一声は何と日本語! 「コンニチハ。オゲンキデスカ?」そして英語で、「皆様、ありがとうございます。日本に来られてとても嬉しいです。『マダム・イン・ニューヨーク』が日本で公開され、多くの皆様に見ていただけて、気に入っていただけることを願っています」とご挨拶。映画のタイトルを『English Vinglish』ではなく、ちゃんと『Madam in New York』と言ってらっしゃいましたよ。偉いですねー。英語タイトルを付けるとこういう利点もあるんだ、と思いました。

そしてお席に座り、司会者からの質問に答えていきます。最初の質問は、「ご結婚を機に家庭に入られて、今回は15年ぶりの映画出演とうかがっています。この映画に出演なさるにあたっては、何か素敵なエピソードがあったとうかがいましたが」というもの。

「私の夫はプロデューサーのボニー・カプールなのですが、夫とこの作品のプロデューサーであるバルキさんが親しくて、ある日彼からこう言われたんですね。”私の妻が監督しようとしている作品があるんですが、その脚本を奥さんに見てもらいたいんです”。それで、特に先入観もなく脚本を読んでみたところ、ぜひやってみたいと思ってしまいました。というのも、まるで私―夫と子供の世話をし、子供の学校のPTAに出席する、といった生活を送っている私に向けて書かれたかのような作品でしたから。それで出演して、こうして皆様の前に立っているわけです」


第2問は、「来日は二度目だそうですが、日本の印象は?」。

「最初の来日はもう20年前です。ほんの2日間だけで、ほとんど憶えていません。その時とは違って、今回は夫や2人の娘と一緒に来日しました。今日と明日の2日間は取材などで忙しいのですが、そのあとは観光をしたいと思っています。東京のことはいろいろと話に聞いているので、あちこち見て回りたいですね」


続いての質問は、「日本では今、”美魔女”という言葉がよく言われるんですが、シュリデヴィさんはまさに美魔女ですね。50歳とは信じられません。美を保つ秘訣は何なんでしょう?」 これは、みんなが聞いてみたい質問ですね~。

「率直に言うと、日本に来て美しい人にたくさん出会ったので、私の方こそ聞いてみたいです。特に花田さんにお聞きしたいわ(笑)。私自身としては、”心の中で感じていることが外に出る”という信念を持っています。ですので、規則正しい生活をして、家族とのよい関係を保ち、心の状態をよく保っておくことでしょうか。それから、適度な運動をすることも必要ですね。まさしく、”No Pain, No Gain”です。あと、揚げ物はNGで、お水をたくさん飲むこと。いつもポジティヴで、ハッピーでいること、ですね」


この後、会場のマスコミ関係者からの質問となりました。トップバッターは「キネマ旬報」のOさんです(「キネマ旬報」には後日単独インタビューも掲載される予定。お楽しみに)。「15年ぶりにスクリーンでお姿を拝見できて幸せです。この15年間で、映画界が変わった点は?」

「変化はたくさんありましたね。現場の統率が取れ、とても仕事がしやすくなりました。以前は野外ロケだと、着替えは木の陰で、とかだったのですが(笑)、今は大型バンがあって、とても助かります。また、以前は1人のスタッフがあれもこれもやったりしていましたが、今はちゃんと担当が分かれていて、それぞれのパートにスタッフがいます。それに、脚本も撮影前にちゃんと台詞も書き込まれて仕上がっていますしね(笑)。あと、『マダム・イン・ニューヨーク』はすべて同時録音でした。台詞をあとで吹き込むということがなくなり、演技の質を高めることができてとてもいいと思いました」


続いて、映画ライターのSさんから、「主人公とご自分が似ているのはどんなところですか? また、全く違うところは?」という質問が。

「主人公シャシのキャラクターは、とてもシンプルで繊細。私自身母親なので、母としてのシャシの気持ちはよく理解出来ます。でも、シャシというキャラクターはすべての世代にアピールすると思います。子供も含めた若い世代も共感できると思いますし、中でも女性が強く共感できるキャラクターですね。この映画を見たある観客が、見たあと母親に電話して謝った、という話を聞いたのですが、その時は、この作品をやってよかった、と思いました」


「シネマ・ジャーナル」のKさんからは「インドも多民族の国ですが、こちらも多民族のニューヨークではどんな気持ちで撮影に臨まれましたか?」という質問が。「シネマ・ジャーナル」は特に女性映画に力を入れて紹介してくれる雑誌で、あとでKさんに聞いたお話によると、『マダム・イン・ニューヨーク』等インド映画公開が重なる今夏はインド映画紹介のミニ特集を企画中とか。楽しみですね。

「ゴウリ・シンデー監督は、撮影に入る前に長い期間ニューヨークでリサーチをしました。ですので、実際にロケを行う前に、どこで撮るか、どういうショットを撮るかといったことがすべて完璧に決まっていたのです。現場のスタッフも多くがニューヨークの人でしたので、とてもよく統率がとれていました。アメリカの撮影方法は時間厳守なんですね。もうあと1場面だけ、という状況でも、予定の時間が来たら、はい、撮影は終わり(笑)。こういうのもいいな、と思いました」


そして続いては、「ナマステ・ボリウッド」編集長のSさん。「この映画のあとに、ステージ・パフォーマンスもしてらっしゃいますね。映画での演技とステージのショーでは、どちらがお好きですか?」

「その2つは別物ですからね。映画撮影の時は、監督やスタッフといった少人数の前で演じるわけですし、それと大勢の前で演じるステージ・ショーとは全く違う世界です。ステージ・ショーでは大勢のファンに囲まれて演じますし、ファンの反応が舞台を盛り上げてくれます。こちらも私にとっては楽しいものですね」


そして最後の質問者は、フリーランスの映画ジャーナリストSさん。「週刊金曜日」によくインド映画の紹介を書いて下さる方です。「2つ質問があります。1.本作でアミターブ・バッチャン氏と共演してらっしゃいますが、久しぶりに共演なさってみてどうでしたか? 2.プロデューサーとしてのお仕事もしてらっしゃいますが、活躍が目立つ新しい女性監督たちをどのようにご覧になっていますか?」

「偉大な俳優アミターブ・ジーとの共演はいつも楽しいです。彼のプロフェッショナリズムには感銘を受けますね。この映画のプロデューサー、バルキさんが来て、あの役をアミターブ・ジーがやって下さると聞いた時にはとても驚きましたし、嬉しく思いました。この作品に特別な要素を加えて下さったと思います

「女性監督の作品に出演するのは、今回が初めてでした。映画には性別は関係ないと思います。シンデー監督は自信に満ちていて、どういう作品にしたいのか、はっきりとしたヴィジョンを持っていました。今回彼女と仕事をしてみて思ったのは、女性監督とはコミュニケーションが取りやすく、仕事がしやすいということです。ですので、これからも彼女たちを応援して、一緒に映画を作って行ければと思っています」

あとはフォト・セッションとなり、昨日アップしたような美しいポーズを決めてくれました。もう少し、フォト・セッション時の写真を付けておきましょう。


「後方のテレビカメラに向かって、手を振るとかちょっと動いて下さい」という指示に、かわいく手を振るシュリデヴィ。ムービーのカメラが5台ほど入っていました。噂では、1台はNHKだとか。


ここでいったん休憩に入り、15分ほどして第2部が始まりました。司会は同じく花田景子さん。お召し替えして登場したシュリデヴィ、今度は真紅のレースのガーグラー・チョーリーです。


こちらも美しいですねー。腰の切り替えが続いている感じもするので、ロングドレスにドゥパッターの組み合わせなのかも知れません。


続いて、ディーパー・ゴーパーラン・ワードワー駐日インド大使と、本日のトークショーのお相手であるアグネス・チャンが登場。大使が歓迎のスピーチをします。


続いてが、よくぞ実現したと思わせられる安倍首相夫人安倍昭恵さんによる花束贈呈。司会者の話ですと、今年1月26日の共和国記念日に合わせてインドを訪問をした安倍首相夫妻が、インドで歓迎を受けたことに対するお返しなのだとか。その時インドでは日本映画祭が開かれ、インドの映画人から花束が贈られたそうで、その答礼の意味で首相夫人の登壇となったそうです。警備とか大変だったでしょうねー。

 

シュリデヴィと安倍首相夫人のツーショット。安倍昭恵さん、結構背がお高くて、スタイルがいい方でした。韓流に続いて、印流にもハマっていただきたいものです。


司会の花田景子さんも加わってのフォト・セッション。


で、安倍首相夫人と大使が客席に退かれ、シュリデヴィとアグネス・チャンによる約30分のトークショーが始まりました。司会の花田景子さんがお二人にいろいろ聞いていくのですが、『マダム・イン・ニューヨーク』に関する質問というよりは、映画にかこつけてお二人の妻、主婦としての側面にスポットをあてた質問が続きます。曰く、「作品の中でシャシが”もし私が料理上手でなかったら、あなたは私と結婚した?”と尋ねますが、皆さんのご家庭ではどうですか?」 「ご主人のここが好き、という点は?」 「結婚以来一番嬉しかった贈り物は?」などなど。これにはアグネスが、「今日は映画のことを聞かれると思って、昨日見直してメモ取ってきたのに」とこぼすほど。


シュリデヴィは時々ウィットをまじえながら、「私が料理上手だから私と結婚したの?なんてことは、私は夫に聞きません。だって、私は料理が下手だからです(笑)。でも、夫は、私が家で彼を待っているということ、彼をすごく愛していることを知っているので、ちゃんと家に帰ってきてくれます」 「夫の好きな点はいっぱいあって、答えるのが難しいです。夫は大黒柱となって、私たちを支えてくれています。外ですごいストレスがあっても、それを家に持ち帰ったりしませんし、私たちのためなら何でも一生懸命にやってくれますね」と答えていました。


「結婚以来もらって一番嬉しかったものは? サプライズは?」という問いには、「サプライズではないのですが...二人の娘、ジャーンヴィーとクシーですね」というグッとくるお答えが。また、「映画の中ではシャシの夫は朝起きるとまず”チャイ!”とシャシに頼みますが、シュリデヴィさんのお宅でもそうですか?」という質問には、「むしろ反対ですね。私は朝起きるのが遅いので、私の方が”チャイ作って~”と言っています」という飾らないお答えが返ってきました。


アグネス・チャンの答えもユーモアがあって面白かったのですが、あまりに長くなるので割愛してしまいました。ごめんなさい。最後に花田景子さんが、「私事ですが、今日は実は結婚記念日で、これから親方と2人でデートです」と言うと、すかさずアグネスが記者たちに向かい、「皆さん、付いて行かないようにね」と言うなど、とっても頭の回転の速い方でした。「シャシが自分の中で輝いているところを見つけたように、この映画を見て、皆さんも自分の輝いているところを見つけましょう」とアグネスが締めくくってくれました。


その後、特別試写会が行われたのですが、その合間の休憩時間には、銀座のインド料理店ダルマサーガラのラッドゥーと、もう一つ、別のインド料理店が作った別種のラッドゥーが振る舞われました。ダルマサーガラのラッドゥーは本当においしくて大満足。その後の映画が2倍楽しくなりました。その時ロビーで、シュリデヴィのご主人、ボニー・カプール氏のお姿を見つけました。スター、アニル・カプール(『スラムドッグ$ミリオネア』)とサンジャイ・カプール(『たとえ明日が来なくても』)のお兄さんでもあります。


本日30日(金)は取材予定がぎっしりとのことですが、明日からほんの少しだけ、日本の休日を楽しんで下さいね、カプール家の皆々様。美しい女神(デヴィ)の日本来臨で、『マダム・イン・ニューヨーク』の公開に一段と弾みがつくことでしょう。本作は6月28日(土)から、シネスイッチ銀座、シネマイクスピアリ、名演小劇場で公開、その後は全国の映画館で順次公開となります。


公式サイトはこちらです。公式FBはこちらで、テレビ登場などが決まればこのFBにアップされるのでは、と思います。昨日おいでになれなかった皆様も、楽しみにしていて下さいね。

 


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2 コメント

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Unknown (幸)
2014-05-30 23:35:21
昨日、ご本人と主催者関係者の皆様のとんでもないご厚意で招き入れてもらえた者です!

実は入待ちもしており、車の中と降りてからこちらに手を振ってくださって、それだけで大感激して腰抜けそうだったのですが、そこから映画のようにドラマチックな展開となり未だ興奮の中にいます。
cinetamaさんの前でも大ハシャギしてしまい振返るとちょっと恥ずかしいです・・・。が、しょうがない。笑

見とれてしまいトークの記憶も曖昧でしたので、完全レポートありがとうございました!
公開に向けての報道も楽しみです。
幸様 (cinetama)
2014-05-31 02:08:17
コメント、ありがとうございました。

ヒンディー語を勉強してらっしゃるという方ですよね。入り待ちからとは、長時間お待ちになっていたのですね~。
主催者側としても、その熱意を無視出来なかったのでしょう。セキュリティの厳しい大使館側を説得するなど、陰ではいろいろあったのでは、と思いますが、英断をして下さって本当によかったです。
昨日は私も含め、インド映画ファン全員が興奮j状態だったので、人様のお振る舞いなど気にしている余裕もなく....でしたから、全然気になさる必要はありませんよ。

この超ラッキーを、ぜひ映画のヒットにつなげて下さいませ。ご宣伝、よろしくお願い致します。

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