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「人生、いろどり」 (2012年 日本映画)

2013年12月02日 | 映画の感想・批評
 

 秋も深まり、山々の木々が彩りを放ち、各名勝地は観光客でいっぱいだが、一歩離れてみるとそこは過疎地の悲しさ。人口が流出し、耕作されなくなった田畑が無残にも広がっている。日本中の山村がそのような悩みを抱える中、山で採れる葉っぱを料理の「つまもの」として販売し、年商2億円以上を稼ぎ出すビジネスに成長した所があるという。本作はそんな実話から生まれた物語。「つまもの」との出会いから、今までわき役だった女性たちが生き生きと輝きだす。
 主人公・薫には日本を代表する実力派、吉行和子。その親友・花江に富司純子、路子には中尾ミエが当たった。この3人のやり取りと変貌ぶりが楽しい。さらに薫の夫を演じる藤竜也がやはり上手い。頑固なうえに、新事業に失敗ばかりしているダメ親父だけれど、何ともかっこよくて憎めないのだ。藤竜也と吉行和子といえば、かつて「愛の亡霊」で共演した仲だが、あの時の二人が年をとったらこんな夫婦になっていたのではないかと思えるほど息もぴったり!!また、この葉っぱビジネスの発起人・横石知二氏のモデル役を演じた平岡祐太のさわやかな魅力も光る。
 実はこの作品を見る前に横石氏の講演を聞いたのだが、「人は誰でも主役になれる~居場所と出番づくり~」と題した内容と、横石氏のバイタリティあふれる話しぶりに感心した。この講演の後だったから映画の感動もより深いものになったのかもしれない。こんな売り方もあるなあと思いながら、翌日の外食では「つまもの」に使われている葉っぱをしっかり確かめている自分に気付いた。
  (HIRO)
監督:御法川修
脚本:西口典子
撮影:石井勲
出演:吉行和子、富司純子、中尾ミエ、藤竜也、平岡祐太、村川絵梨、佐々木すみ江


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