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「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」 (2016年 アメリカ映画)

2016年12月01日 | 映画の感想・批評


 10年にわたり世界中のファンを魅了した「ハリー・ポッター」シリーズが終了して早5年。その後もUSJのアトラクションに導入されたり、新シリーズが誕生するなど、今だにその人気は衰えることを知らないが、「ハリー・ポッター」シリーズより数十年前、1920年代のアメリカ大陸を舞台に、新たな魔法世界の時代を描いているのがこの「ファンタスティック・ビースト」だ。
 「ハリー・ポッター」シリーズ全7巻の原作者J・K・ローリングが、本作では脚本も担当。ローリングが作り出した新たなキャラクター、ニュート・スキャマンダーは世界中を旅する魔法動物学者。彼が持っている不思議なトランクの中はさしずめ魔法動物の動物園といったところ。世界を飛び回って絶滅寸前の動物たちを集め、保護しているのだが、中にいる動物たちが、何とも不気味で可愛くて、ファンタスティック!!それぞれ活躍の場も用意されているが、トランクの中にはまだまだ表に出ていない貴重な動物たちが隠れていそうで興味深い。
 このトランクをノー・マジ(普通の人間)であるコワルスキーが取り違え、動物たちをニューヨークの街中に放してしまったからさあ大変。不可解な現象が起きていた街に更なる騒動が巻き起こる。この二人に加え、マグーサ(アメリカ合衆国魔法議会)で働くティナとその妹クイニーがチームを組み、逃げた魔法動物を捕えながら強大な闇の勢力との対決に立ち向かう。
 J・K・ローリングの脚本に加え、「ハリー・ポッター」シリーズ後半4作品でメガホンをとったデイビッド・イェーツが監督したとあって、随所にハリポタの匂いが漂っているのはファンにとってうれしいところ。ニュートはかつてホグワーツ魔法学校の生徒であり、彼の著書「幻の動物とその生息地」は何とハリーたちが使っていた重要な教科書の一つなのだ。ニュートが使う魔法の杖もハリーたちが使っていたものと同じとはご愛嬌。しかし、ニュートを演じるエディ・レッドメインをはじめ、メインキャストの4人が、美男美女過ぎず、何とも新鮮な味わいを出しているところに好感が持てる。この新たなシリーズ、今後どんな展開をしていくか、非常に楽しみである。

監督:デヴィッド・イェーツ
脚本:J・K・ローリング
撮影:フィリップ・ルースロ
主演:エディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、エズラ・ミラー、サマンサ・モートン、ジョン・ヴォイト、コリン・ファレル
(HIRO)