シネマ見どころ

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「ファインディング・ドリー」(2016年 アメリカ映画)

2016年08月01日 | 映画の感想・批評


 最近、物忘れがひどい。さっきまで次はこれをしようとしっかり決めていたのに、何か違うことに気が移ると、「あれ、今何をしようとしていたんだっけ??」と立ち止まることがしばしば。ついに認知症の表れかと気が気ではない。さて、これからの仕事に支障が出ないか、ちょっと心配な面も・・・。
 グレート・バリア・リーフの美しいサンゴ礁の海で暮らすカクレクマノミのニモとマーリンの奇跡の大冒険から1年後の世界(映画は13年も前なのだが…。)が今回の舞台。主人公はちょっと前に話したことでもすぐに忘れてしまう、ナンヨウハギのドリ-。今の自分にそっくりのドリーに親近感を覚えながら、ドリーの家族を探す感動の旅にお付き合い。
 ドリーのいいところはどんな苦境にぶつかっても、明るく前向きにとらえられることだ。それにピクサー作品では毎度のことながら、主人公にかかわるキャラクターたちが個性豊かでホントに魅力的。今作はそれぞれのキャラたちが何かしらのハンディキャップを持っているのも大きな特徴だ。例えばニモは右ひれが小さいし、ドリーは健忘症。ミズダコのハンクは7本足で海嫌い。ジンベイザメのディスティニーは視力が弱くて泳ぐのが苦手・・・等々。でもそのことをしっかり受け止め、お互いに認め合い、助け合って苦難を乗り越えていくところが共感を呼ぶ。忘れん坊のドリーが幼いころの記憶をもとに生まれ故郷にたどり着くところでは思わず涙。物忘れが激しくても、何らかのきっかけで思い出すこともあるだろうし、ぜひあってほしいと願いたい!!
 今、自分も症状がこれ以上悪化しないように心掛けていることがある。一つは大切だと思ったことはすぐにメモをして、目に着くところに貼っておくこと。もう一つは1日を振り返って、手帖にその日あったことを記録しておくことだ。これ、思い出すのになかなか効果あり。ちなみに手帖はキネマ旬報社発行の「キネノートDIARY」を使っている。映画好きにはすごく使い勝手が良くて便利だ。話がそれたが、ドリー、勇気と安心をありがとう!
(HIRO)

原題:FINDING DORY
監督:アンドリュー・スタントン、アンガス・マクレーン
脚本:アンドリュー・スタントン、ヴィクトリア・ストラウス
撮影:ジェレミー・ラスキー、イアン・メギベン
声の出演:エレン・デジェネレス、アルバート・ブルックス、ヘイデン・ローレンス
日本語版声の出演:室井滋、木梨憲武、菊池慶、上川隆也、中村アン
同時上映:「ひな鳥の冒険」(監督:アラン・バリラーロ)