チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

安和桟橋、本部塩川港の問題で沖縄県と交渉 --- 安和旧桟橋への立入調査は約束したが、危惧される県の姿勢。何故、毅然とした対応ができないのか?

2019年12月24日 | 沖縄日記・辺野古

 12月24日(火)、沖縄平和市民連絡会として、辺野古への土砂の海上搬送が続いている本部塩川港、琉球セメント安和桟橋の問題について沖縄県交渉を行った。県からは、照屋土建部統括官、新垣海岸防災課長、桃原港湾課長らが対応。平和市民連絡会は約20名が参加した。

 (要請書の全文については、12月13日のブログに掲載したので参照されたい。) 

 

 今日の交渉では、県の後ろ向きな対応に強い批判が集中した。以下、主な問題について説明する。

1.老朽化した旧桟橋への立入調査は約束したが、その後の県の対応は疑問

 安和の海岸には、今回、新設された桟橋だけではなく、1974年に知事の許可を受けた既設桟橋があり、現在、両方の桟橋が併用して使用されている。琉球セメントは、セメント製造の資材等の積込みには旧桟橋を使用し、新設された桟橋は専ら辺野古への土砂搬送のために使用している。

 しかし旧桟橋はすでに設置後45年が経過し、老朽化が著しい。コンクリートが劣化して崩落している個所も多く、主桁の鉄骨も大きく破損し、他の鉄骨部分も真っ赤に錆びている。これ以上、使用を続けることはきわめて危険である。

 我々は、公共用財産管理規則には、「損壊その他の理由により、その利用が危険であると認められる場合は、公共用財産の利用を禁止し、又は制限することができる」とされていることから(第5条)、県として一刻も早く、立入検査を行い(第21条)、使用を中止させるべきだと要請した。

 これに対して沖縄県は、「県としては、公共用財産の保全のために、施設の安全性等について確認する必要があると考えています」、「立入調査を行う方向で事業者との調整に入っています。」と回答した。

 この回答を聞いた時は、県も前向きに対応してくれたのかと評価したのだが、その後の話ではどうもそうではなさそうだ。

 要請書でも説明しているが、新設桟橋の申請書の「計画概要」には、「今後の既設桟橋の運用」として、「既設桟橋については、新設桟橋へのセメント出荷設備設置まで活用する」とされている。新旧桟橋を併用して使用することは想定されておらず、新桟橋が稼働した以上、旧桟橋は撤去させなければならない。

 しかし県は、「計画概要」の上記部分は、「情報公開の際に黒塗りとした個所だから内容についての話はできない」、「旧桟橋にかかる公共用財産使用許可について許可を取消す状況にはない」と主張した。

 このような県の立場では、今後、旧桟橋に立入調査して損壊の状況が著しいことが確認されても、破損部分の修復やあるいは前面改築等を指示するだけで、今後も2つの桟橋の併用を認めるのではないかと危惧される。そんなことになれば辺野古への土砂搬送はますます加速する。

 

2.「目的外使用」の指摘に対しても、県は「許可条件に適合している」と主張

 また、新桟橋の公共用財産使用許可申請書に記載されている「計画概要」には、「施設の目的」として、①セメント出荷用の桟橋、②セメント製造に使用する石炭の荷揚げ桟橋、③セメント副原料の荷揚げ桟橋、④その他資材の出荷桟橋(骨材等の資材)とされている。我々は、あくまでもセメント製造に関係した目的に限られており、今回のような、セメント製造とは全く関係がない、辺野古埋立用土砂の搬送は目的外使用であり、許可条件違反だと追及した。

 しかし県はこの点についても、「内容については不開示情報なので県としては説明できない」、「許可申請書の計画概要にのっとった目的に沿って利用されていると確認している」と主張した。県の主張は、計画概要には「その他資材」が含まれているということでしかないが、計画概要の「その他資材」とは、黒塗した部分には「骨材等の資材」であると明記されている。「骨材」とは、コンクリートやアスファルト混合物を作る際に用いる砂利や砂のことであり、埋立用の土砂が含まれないことは言うまでもない。

 参加者からは、「何故、県がここまで業者の立場にたった解釈をするのか?」、「辺野古新基地建設を阻止するためにあらゆる手段を行使するという知事の説明と抵触するではないか?」という批判が集中した。

 本部塩川港の岸壁使用許可が港湾管理条例施行規則が定める様式を無視して出されている問題についても、「我々はこういうやり方を認めている」というだけで条例施行規則に抵触するではないかという指摘に対してはいっさい答えることができなかった。

 ともかく、こんな回答では納得できないということで、来年1月、副知事との意見交換の場を持つように申し入れて今日の交渉を終えた。

 

  (環境保全課長への申し入れ。机には現地から持参した汚濁水が置かれている)

 終了後、本部町島ぐるみ会議のメンバーと、琉球セメント安和桟橋の敷地内から赤土の汚濁水が流れている問題について環境保全課長への申入れを行った。

       (安和桟橋敷地内から海に放出される汚濁水) 

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