チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

今、防衛局が狙っていること --- 設計概要変更申請とは関係なく大浦湾N2護岸の造成工事を始める!/// 何故、全ての護岸工事を打ち切ったのに、N2護岸の工事だけ工期延期をしたのか?

2020年04月16日 | 沖縄日記・辺野古

 先日からのブログで、大浦湾の護岸工事6件が昨年度末で全て打切りになったことを説明した(4月6日4月14日)。そもそもは赤旗日曜版のスクープで、その後、琉球新報、沖縄タイムスも大きく報道している。

 ところが、各マスコミが指摘していない事実がある。

 2014年度に契約された大浦湾の護岸工事は全部で7件だった。4月14日のブログの工事一覧表を見ても分かるように、実は打切りになっていない護岸工事があるのだ。「シュワブ(H26)中仕切護岸新設工事」で、2014年11月25日、仲程土建㈱と3億7289万円で契約したN2中仕切護岸の造成工事だ。辺野古側の外周護岸と同じように、中央部に捨石を投下し、その両側を消波ブロックで押さえる傾斜提護岸の造成である(工事延長:250.0m)。

 他の6件の護岸工事は全て昨年度末で打切りになったのだが、この工事だけは何故か、来年1月31日まで工期が延期されている。これは何故だろうか?

 このN2護岸は、今回の変更契約でもそのまま残っている(下図参照)。当初計画は単に埋立区域を仕切るための護岸だったが、変更契約ではその役割が大きく変更されている。

 現在、埋立土砂を海上搬送してきても、陸揚場所はK9護岸、K8護岸しかなく、なかなか効率が上がらない。そこで変更計画では、辺野古側の埋立を加速するために大浦湾中央部に2か所の揚土場(N1揚土場・N2揚土場。各95m×50m)を造る計画が示されている。N2護岸は、N2揚土場で陸揚げした土砂を大型ダンプで運ぶための道路となるのだ。

 防衛局は、N2護岸は当初計画にもあったものだから、設計概要変更申請の対象ではないというだろう(天端の道路幅員は当初計画では8mだったが、変更計画では大型ダンプがすれちがえるように15mに拡幅されるが、これは「設計の概要」の変更ではないと主張するものと思われる)。

 すなわち設計概要変更申請は知事が不承認とするので、最終的な決着まで時間がかかるが、その間、このN2護岸を造成して辺野古側の埋立土砂の陸揚げを加速しようとしているのであろう。そのために、このN2護岸造成工事だけは、1年間の工期延期したのだ。

                 (防衛局の変更計画)

 ただ防衛局が、このN2護岸造成工事に着手するためには大きな問題がある。ちょうどN2護岸の中央部に、移植が必要な小型サンゴ類の群落があるのだ。防衛局は、昨年4月に特別採捕許可申請を提出したが、県が長期間の審査を続けているため、本年2月28日、農林水産大臣が許可をするようにという「是正の指示」を出すなど、露骨な介入を強めている。

 国の介入が認められてしまえばサンゴの移植が行われ、その後、N2護岸の造成が始まってしまう。サンゴ類の特別採捕許可申請の扱い、そしてN2護岸の形状変更も設計概要の変更申請の対象とさせるなど、県の毅然とした対応が期待される。

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