チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

沖縄県議会への陳情の紹介 --- 沖縄平和市民連絡会(設計変更申請について等3件)、具志堅隆松さん(遺骨混りの土砂採取の禁止を求める条例制定)、本部町島ぐるみ会議(塩川港でのベルトコンベア設置許可)

2021年06月22日 | 沖縄日記・辺野古

 沖縄県議会6月定例会に各団体から陳情書が提出されているので紹介する。

 常任委員会での審議は7月1日、2日の予定。是非、ご注目ください。

 

*沖縄平和市民連絡会

 ・辺野古新基地建設事業、設計変更申請への知事最終判断についての陳情

 ・沖縄県県土保全条例の改正を求める陳情

 ・鉱山における森林法違反の開発行為の是正を求める陳情

*具志堅隆松さん、島ぐるみ宗教者会議

 ・遺骨混りの土砂採取を規制するための条例の制定、沖縄戦跡国定公園での普通地域・特別地域の見直しを求める陳情 

*本部町島ぐるみ会議

 ・本部塩川港へのベルトコンベア設置許可の見直しを求める陳情

 

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辺野古新基地建設事業、設計変更申請への知事最終判断についての陳情

                                                                                 沖縄平和市民連絡会 

 沖縄防衛局から辺野古新基地建設事業の設計変更申請書が提出されてすでに1年2ケ月が経過しました。県は先日、防衛局に対して4次質問を送付しましたが、その回答が来次第、7月にでも設計変更申請に対する最終判断を出されるものと思います。

 この問題について、下記のとおり陳情します。

                                                        記

1.知事が最終判断を出した時点で、処分理由書、また内容審査で県から防衛局に出した質問書(1次~4次)、防衛局からの回答書、県の環境部・農林水産部・知事公室から出された意見、県の審査内容を示す文書等を全て公開すること。 

2.知事の最終判断について、県民に広く説明するために説明会を開催すること。 

3.知事が設計変更申請を不承認とした場合、辺野古新基地建設事業は頓挫するのであるから、埋立承認を得た範囲であっても工事を進めることは許されない。設計変更申請を不承認とした時点で、防衛局に対して辺野古新基地建設事業の全ての工事を中止するよう指示すること。

 

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沖縄県県土保全条例の改正を求める陳情

                         沖縄平和市民連絡会

 沖縄県県土保全条例は、安全で良好な地域環境の確保による住民の生命、健康及び財産の保護と県土の秩序ある発展を図るため、開発行為の許可基準等に関する事項を定め、県土の無秩序な開発を防止し、もって県民の福祉に寄与することを目的に制定されたものである。

 本条例では、3千平方メートル以上の土地の開発行為には知事の許可を得ることが義務づけられており、3万平方メートル以上の土地の開発工事には、事前協議が必要で、知事の同意を得なければならないとされている。ただ、現行条例では、第18条13号で国と地方公共団体の開発行為などが規制対象から除外されている。

 しかし、国や地方公共団体の開発行為であっても、大規模な場合や地域環境への深刻な影響が危惧される場合は、知事との事前協議や許可を義務づけることが必要である。

 そのため、2015年当時から県当局、県議会では、国や地方公共団体の開発行為であっても本条例を適用するよう条例を改正することが検討され、議会提案の一歩手前だったと報道されている。

・「国や地方公共団体の開発行為について、条例の適用除外を外す改正案を議員提案する」(2015.6.6 琉球新報)

・「『規制除外となるかは知事が判断する。さらに第三者による審議会に諮問する』等により、国等の開発行為も規制対象とする改正案を県議会2月定例会に提出する」(2016.1.13 沖縄タイムス)

 また、玉城知事も県議会2018年11月定例会の代表質問に対する答弁において、「県土保全条例改正も含め、あらゆる方策を講じていきたい」と明言してきた。

 このような状況を踏まえ、県土保全条例を下記のとおり改正するよう陳情する。 

                 記

・現在、沖縄県県土保全条例では、国や地方公共団体の開発行為については適用除外とされている。しかし、国や地方公共団体の開発行為であっても、大規模な場合や地域環境への深刻な影響が危惧される等、知事が特に必要と認めた場合は、県土保全条例の対象とするよう条例を改正すること。

 

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鉱山における森林法違反の開発行為の是正を求める陳情

                         沖縄平和市民連絡会

 地域森林計画の対象となっている民有林は、保安林以外の普通林であっても、水源の涵養・災害の防止・環境の保全などの公益的機能を有していることから、1ha以上の土地の形質変更を行うためには林地開発の手続きを行い、知事の許可を受けなければならない(森林法第10条の2)。無許可の開発行為を行った場合は懲役・罰金刑が課せられる(森林法第206条)。
 ところが、昨年、辺野古への土砂搬出が続いている本部町の琉球セメント安和鉱山では、地域森林計画の対象となっている森林で、林地開発許可申請を行わないまま大規模に石材・土砂が採掘されていることが住民の訴えで発覚した。県も現地立入調査を行った上で、「林地開発の許可を得るまでは新規の伐採行為を行わないこと。林地開発許可申請書を提出すること」という行政指導を行った。

 その後、県は同鉱山近くの2ヵ所の鉱山にも立入調査を行い、やはり森林法違反行為を確認し、同様の行政指導を行っている。

 こうしたことから県は、昨年11月、県内の全鉱山(80ヵ所)に森林区域内に位置しているかどうか、森林区域内の場合は林地開発手続きを行っているかどうかの注意喚起の照会文書を発送した。しかし、その結果は公表されていない。

 また、森林法の開発行為に関連しては、糸満市の魂魄の塔近くの熊野鉱山の開発でも、1ha以下の森林伐採だったが、糸満市への森林伐採届の手続きを行わないまま森林を伐採し、糸満市に顛末書を提出した事例もあった。

 このように、鉱山開発においては森林法の定めを無視した事例が相次いでおり、放置できない。

 この問題について次のとおり陳情する。 

               記

1.県は、森林法違反の林地開発行為が発覚した琉球セメント安和鉱山、そして近郊の2つの鉱山では、新規の伐採行為を行わないよう指示したが、違法に林地開発行為を行った部分での石材・土砂の採掘は禁止していない。違法に林地開発行為を行った部分の石材・土砂の採掘を禁止し、原状回復を指示すること。

 また、これらの3鉱山では、新規の伐採行為が行われていないかどうかの立入調査を行ったのかを明らかにすること。 

2.これらの3鉱山では、その後、林地開発許可申請書が提出されたはずだが、許可は出したのか明らかにすること。その際、森林審議会の意見聴取は行ったのか? 

3.県内の全鉱山に発出した照会の結果、新たな違法行為の事例が確認されたかを明らかにすること。

 

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遺骨混りの土砂採取を規制するための条例の制定、沖縄戦跡国定公園での普通地域・特別地域の見直しを求める陳情 

                       具志堅 隆松                                                                    

                       島ぐるみ宗教者の会                                                                                              沖縄県議会は本年4月15日、「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないことを求める意見書」を全会一致で採択した。そこでは、「さきの大戦で犠牲になった人々の遺骨が入った土砂を埋立てに使用することは人道上許されない」と明記しているが、これは、沖縄県民全ての民意でもある。

 この県議会の意見書を受けて沖縄県としても具体的な施策を講じるために法制度を整備する必要がある。この点について知事は、本年4月16日の記者会見で、「条例等の制定の必要性も踏まえて考えていきたい」と述べ、さらに5月14日の記者会見でも、「自然公園法の普通地域と特別地域の見直しについては、糸満市長からの要望もあるので幅広く検討していきたい」と取り組んでいく姿勢を示してきた。

 こうした状況を踏まえ、下記のとおり陳情する。

                記

1. 沖縄戦跡国定公園内の普通地域のうち、戦没者の遺骨が残っている可能性のある地域を特別地域に編入するよう国に要請すること。

 2. 県内の未開発の緑地帯には、南部地区だけではなく、まだまだ未収骨の遺骨が残されているところがある。そのような地域での石材・土砂の採取に際しては、遺骨の有無を事前に確認し、関係機関による遺骨の収集が完了するまで事業着手を規制するような条例を制定すること。

 

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本部塩川港へのベルトコンベア設置許可の見直しを求める陳情

                        本部町島ぐるみ会議

 昨年1月以降、毎月、本部塩川港へのベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用許可申請が出されていましたが、辺野古埋立の土砂海上搬送が加速するということで県民が強く反対し、沖縄県は1年以上、許可を出せない状態が続いていました。しかし本年3月末、県は、「濁水対策に改善が見られた」ということを理由に、4月分からの許可を出してしまったのです。

 この問題について、下記のとおり陳情します。

              記

 

1.作業のない日は、現場を全て片付けるよう指示すること

 以前は業者が朝、プラフェンスを並べ、夕刻、作業終了後に撤去していたので、週末や作業のない日は現地には何もない状態でした。ところが今回の許可により、作業のない日も現地は広く囲われ、本部塩川港の最も使い勝手のよい荷捌地が特定の業者によって常に占有されてしまっています。

 作業のない日は現場を全て片付けるよう指示するべきです。

 

2.降雨時の土砂搬送作業を中止させること

 県が説明する「濁水対策」とは、①周囲に大型土嚢を並べる、②土砂の仮置き桝をコンクリートブロックから鋼製に変更する、③濁水処理プラントを設置する、というものです。しかし、大型土嚢が必要なほど外部からの流入水や敷地内からの汚濁水の流出などなく、しかも広い開口部が3ケ所もあるため、大型土嚢が「濁水対策」とはいえないことは明らかです。また、敷地内に土砂を積み上げるわけでないのですから、濁水処理プラントが必要になるほどの汚濁水が発生することもありません。県がいう「濁水対策」は、許可を出すための口実としか考えられません。

 そもそも、「濁水対策」というのであれば、何よりも降雨時の作業を中止させるべきです。現在、県は「降雨強度が強い場合は作業を中止すること」としか指示していませんが、6月14日には大雨警報が発令された中でも作業が続けられました。降雨の際の作業を中止させれば、上記の「濁水対策」の必要などありません。

 また現在、1日に1000台近くものダンプトラックのタイヤ洗浄後の汚濁水が流れ込む池から、汚濁水がそのまま港に放流されています。今回の現場に形だけの濁水処理プラントを設置するのではなく、このタイヤ洗浄後の濁水の処理対策がまず必要です。 

3.荷捌き地使用許可を港湾施設用地使用許可に変更したため、年額864万円もの県の損害が発生したことを是正すること

 本部塩川港からの辺野古への土砂海上搬送は2年以上前から、荷捌き地を管理する本部町が荷捌地使用許可を出して行われていました。ところが、以前は本部町が荷捌き地使用許可を出していたほぼ同じ箇所で、今回は県が港湾施設用地使用の許可を出したのです。

 県北部土木事務所の説明では、1000平方メートル当りの占用料は、荷捌き地使用許可の場合、253,000円/月。一方、港湾施設用地使用許可の場合は20,220円/月だといいます。今回の港湾施設用地使用許可面積は3,096平方メートルですから、荷捌き地使用許可ではなく、港湾施設用地使用許可としたことにより、占用料は毎月72万円も減額されたのです。年間にすると864万円にもなり、辺野古への土砂海上搬送が数年間続くことを考えれば、軽減総額は膨大な額となります。これは業者へ便宜供与であり、同時に沖縄県が被った損害です。

 県は、「ベルトコンベア等、移動できないものを設置する場合は港湾施設用地使用許可となる」と説明していますが、それなら2基のベルトコンベア(124㎡+68㎡)と土砂の仮置き桝(175㎡)の部分だけを港湾施設用地使用許可とするべきです。その他の部分の使用方法は従前と同じであり、荷捌き地使用許可で対処するのが当然です。

 以前は、朝、プラフェンスを並べ、夕方、作業が終れば全て片付けていたため、週末等の作業のない日は現場には何も残されておらず、誰もが自由に行き来することができました。今回、ベルトコンベアを持ち込み、しかも作業のない日も港の広大な荷捌き地が囲われたままの状態となるにもかかわらず、占用料が年額864万円も軽減されるというのは県民として納得できません。 

4.岸壁のエプロン部分の使用について占用料を課すこと

 今回のベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用許可は、荷捌き地の範囲だけに限られていますが、実際には作業時、岸壁のエプロン部分にも大型土嚢が並べられ、その前後にプラフェンスが設置されています。ところが県は、このエプロン部分の占用料を課していません。

 この点について県は、「岸壁部分の土嚢は作業終了後、片付けられている」、「本部町が出した岸壁使用許可にエプロン部分も含まれており、本部町が費用徴収している」と説明しました(本年6月15日、北部土木事務所長)。

 しかし、「作業終了後、片付けられているので使用料を課さない」というのであれば、以前の積出作業は毎日作業終了後、片付けていたのですから、無料ということになってしまいます。

 また、岸壁使用許可は、岸壁係留の回数に応じて費用を徴収しているのであり、エプロン部分の占用面積の費用は含まれていません。現に2019年当時、岸壁のエプロン部分の占用に対して北部土木事務所が占用料を課した事例があります。 

5.本部塩川港周辺の土砂搬送のためのダンプトラックによる粉じん・騒音・振動等の環境調査を!

 現在、本部塩川港へは、ベルトコンベア設置が許可されたこともあって、1日に1000台以上ものダンプトラックが入ってきています。琉球セメント安和鉱山からは、本部塩川港だけではなく、やはり辺野古への土砂搬送のために安和桟橋に向くダンプトラックも頻繁に行き来しています。

 そのため、北部土木事務所長も、「塩川港付近の粉じんの問題については、住民からも苦情が出ている。保健所とも相談して対応したい」と認めましたが(本年4月28日)、ダンプトラックによる粉じん・騒音・振動等の公害問題はきわめて深刻な事態となっています。

県として早急に本部塩川港から安和桟橋付近にかけての国道449号線一帯の環境実態についての調査を実施してください。 

6.港湾施設使用許可の審査基準にも抵触しており、ただちにベルトコンベア設置許可を取消すこと

 沖縄県の「港湾施設使用許可に係る審査基準」では、「港湾施設等が損傷又は汚損されるおそれがないこと」、「環境を悪化させるおそれがないこと」などとされています。

 しかし本部塩川港では土砂を満載したダンプトラックの頻繁な走行により、港入口部のコンクリート舗装が破損し、大きな窪みが何箇所もできてしまっています。応急措置として砕石を入れていますが、ダンプの走行で石が跳ね、危険な状態です。また前述のように、ダンプトラックによる粉じん等の環境問題も深刻です。このような状態は前述の「審査基準」にも抵触しています。

 2017年9月、北部土木事務所は、国頭村の奥港での辺野古への石材海上搬送のための港湾施設用地使用許可を出してしまいました。しかし、奥区民や県民の必死の抗議により、当時の翁長知事は「騒音等で住民生活に影響が出ている」との認識を示し、「許可取り消しを含め重大な決意で臨む」として、「沖縄防衛局に対し、奥港の使用を止めるべき」と強く求めたのです(2017.12.1 沖縄タイムス)。

 その結果、防衛局は奥港を1日使用しただけで、その後の使用を諦めざるを得ませんでした。今回の本部塩川港へのベルトコンベア設置問題についても、知事が毅然と対応すれば事態は動くはずです。

 ただちに本部塩川港でのベルトコンベア設置許可を取消し、新たな許可を出さないよう求めます。

                         

 

 

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