チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

デニー知事は、設計変更申請の3つの裁判が全て敗訴した場合、辺野古新基地建設を阻止するためにどう対応するのか? 

2023年02月06日 | 沖縄日記・辺野古

 いよいよ今年は、辺野古新基地建設反対運動が重要な局面を迎えるかもしれない。沖縄県が提起している辺野古設計変更申請不承認をめぐる3つの裁判が、年内にも県の敗訴で終結する可能性が高いからだ。県は、裁判終了後の次の戦略を準備しておかなければならない。

 デニー知事は一昨年11月、辺野古設計変更申請を不承認としたが、国土交通大臣が、①不承認を取消す裁決、②承認をするようにとの是正の指示を出した。国地方係争委員会も県の申し出を却下したため、県は昨年8月、福岡高裁那覇支部に、裁決取消と是正の指示の取消を求める2つの関与取消訴訟を提起した。

 この2つの関与取消訴訟は、昨年12月、1回だけの口頭弁論で即日結審し、3月16日に判決が言い渡される。しかし、2020年3月、最高裁は県の埋立承認撤回をめぐる関与取消訴訟で、防衛局を「私人」と認定し、県の上告を棄却しているので、今回の最高裁判決も厳しいものと予想される。

 また、県は埋立承認撤回について行政事件訴訟法に基づく裁決取消の抗告訴訟も提起したが、昨年12月、最高裁は「県には原告適格はない」として、内容に入ることなく県の上告を棄却した。そのため、今回の設計変更申請をめぐる抗告訴訟も同様の判決となる可能性が高い。

 

 このように、設計変更申請不承認をめぐる県の3つの裁判は、あるいは年内にも終結し、県の敗訴が確定する可能性が高い。

 その場合、知事はどう対応するのだろうか? 3つのケースが考えられる。

 最悪のケースは、知事が、「自治体の長として裁判所の判決には従わざるを得ない」として、設計変更申請を承認することだ。この場合、知事は、「辺野古新基地建設反対」を放棄することとなり、県民世論と対立することとなる。当然、デニー知事への批判が集中する。

 最高裁で敗訴しても、知事は県民の声に応え、とことん、設計変更申請承認を拒否するよう期待したい。その場合、国は「違法確認訴訟」や「代執行訴訟」を提起することとなるだろう。

 また、知事には、再度の設計変更不承認や、再度の埋立承認撤回という方法もある。これらの点については、行政法学者の間でも、「当初の不承認処分以外の理由で再度の不承認が認められる」(徳田琉球大学教授)、「埋立変更不承認を理由に、埋立承認そのものを取消すことが可能」(白藤専修大学教授)という意見があることは以前にも紹介した。

 一昨年の設計変更申請不承認の理由があまりに少ないことが問題となってきた。今回の不承認が国・裁判所により強引に覆えされても、まだまだ多くの不承認理由がある。政府の地震調査委員会が「南西諸島周辺でM8級の巨大地震のおそれ」という長期評価を出したこと、地盤の安定計算で耐震設計が行われていないこと、辺野古には陸上自衛隊も常駐するという合意があることが暴露され、南西諸島の軍事力強化の中で辺野古新基地建設の位置づけが根本的に変ってしまったこと、南部地区の遺骨混りの土砂問題---、等、再度の不承認や承認取消の理由はいくつもある。

 いずれにしろ、年内に県の裁判が終結すれば、その後、県はどう対応しようと考えているのか、いよいよデニー知事の真価が問われることとなる。

 その場合、知事が毅然とした対応をとるためには、何よりも県民の支援の声が必要なことはいうまでもない。現場での闘いを強化し、デニー知事を支える運動を作り上げていこう。

 

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