チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

大浦湾の地盤改良には650万㎥もの砂が必要 --- 平和市民連絡会、県議会に海砂採取の総量規制制定を求める陳情書を提出

2019年03月12日 | 沖縄日記・辺野古

 辺野古新吉建設事業をめぐっては、大浦湾に軟弱地盤が存在し、地盤改良工事が不可避となったことから事態は大きく動いている。

 この地盤改良工事では、砂杭(7万7千本)、敷砂のために650万㎥(県庁舎22棟分)もの砂が必要だが、これは沖縄の年間海砂採取量の約5年分もの膨大な量である。どこから調達するのかが問題になっているが、政府は「調達は可能」という態度を変えていない。このままでは、沖縄周辺の海砂が大量に採掘されてしまう恐れがある。

(注)埋立承認願書の時点では、ケーソン護岸の中詰として58万㎥の海砂が予定されていたので、今回の事業で使われる海砂の総量は708万㎥にもなる。

 海砂採取は、自然環境にも大きな影響を与えるものだが、沖縄県には条例もなく、海砂利採取要綱があるだけだ。海岸線から1km以遠、水深15m以上の海域で、1申請あたりの採取面積は30万㎡以内と定められている。要綱の「取り扱い」には、「掘削深度は概ね2m程度」とされているので、1申請当たりの採取量は60万㎥以下となる。
 しかし、各申請がこの範囲に入っていても、年間の総採取量の制限がないという問題がある。申請を何件も出せば、知事は個々の申請を許可せざるを得ないという実態となっており、全体としてはとんでもない量の海砂採取が可能となってしまうのだ。

 瀬戸内海の各県はすでに海砂採取を禁止しており、九州や四国では、ほとんどの県が年間採取量の総量規制を定めている。沖縄県でも、早急に年間の総採取量の上限を定めなければならない。
 数年前には、県議会の与党会派でも海砂の採取の総量規制を条例で定めようという動きがあったようだが今も実現していない。また、日本自然保護協会が、海砂採取を禁止する条例を出すなどの動きもあったようだ。

 今回、沖縄平和市民連絡会だけではなく、沖縄環境ネットワークからも同趣旨の陳情が出された。なんとか実現させたいと考えている。


 
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