毎年恒例、6月の発表会をおこないました。
1年生は仮バンドでの課題曲演奏、2,3年生は同じ土俵で、夏のコンテストエントリーバンドを選出するオーディションとなります。
今年の1年生の仮バンド課題曲は以下。
1) SHAKALABBITS "Ladybug"
2) ストレイテナー"EVERGREEN"
3) いきものがかり"ありがとう"
4) TOKIO"AMBITIOUS JAPAN!"
5) flumpool"君に届け"
1)や2)はウチの定番ですが、それ以外では、今年度はキーボーディストが多いために、それ向けの選曲となりました。
2,3年生はどのバンドもオリジナル曲でガチンコ勝負。BESTの楽曲と演奏で中杉音楽部代表を勝ち取ろうという熱意や気合が伝わってくる、良い発表会でした。顧問・コーチ・卒業生による審査の結果、以下のバンドが夏の連盟コンテストにエントリーすることが決定しました.
Magnolia(2&3年)
みやこし(バンド)りさこ(2&3年)
詩面想歌(3年)
CROCUS(2年)
Rabbit bit(3年)
また、JYOJI-ROCKエントリーバンドは以下に決定。
詩面想歌(3年)
メチルオレンジ(2年)
Honey Trap(2年)
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さて、今回の発表会では保護者の皆様にアンケートを書いていただきました。その中で、少し「カラクリ」(いいわけ?)をご紹介できるコメントを拾います。
(1)
まず、1年生ドラムの保護者の方が書いてくださった、コメント「ウチの子が見えない!」について。これは、そのバンドのボーカルの子が「棒立ち」だったことに因るものです。2,3年バンドまでご覧いただいた保護者の皆さまならお分かりのように、上級生の(楽器を持たない)ボーカリストは、左右に動いての「パフォーマンス」が求められます。(もちろん楽器を持っていても、動きようはあります。)そういうわけで、今回のところは、お子様の前に突っ立っていたボーカルの子を恨んでください(笑)。
(2)
次にもっと多かったのが「ボーカルが聞こえない(特に上級生の演奏のとき)」「ハウリングが不愉快」というもの。です。これは同じ話題ですのでまとめて回答します。
ハウリングがなぜ起きるのか。ハウリングとは、スピーカーから出た音をマイクが拾って、それがスピーカーから出て、それをまたマイクが拾って…という循環によって生じる現象です。
特に上級生になるとドラムの音量が増しますので、それに合わせて、各楽器の音量を上げることになります。それはヴォーカルもまた同じ。ヴォーカルの音量を上げる――特に音を拾う際の感度(=Gainと言います)を上げると、上記のようにスピーカーから出た音を拾いやすくなるために、ハウリングが起きやすくなります。このドラムを始めとした周りの楽器陣に負けないだけの声量があれば、Gainを上げなくて済みますので、ハウリングは起きにくくなります。ですから、部員には「ハウリングが起きたらVo.の力量不足だと思え」と言っています。
プロの歌手で(外見とか個性ではなく)ちゃんと歌で勝負できている人の中で、声量の少ない人はいませんし、音響とか録音のエンジニアで「歌の上手い人」は、すなわち「声量のある人」です。井上陽水とか玉置浩二とか、声量がすごいんだそうです。
もちろん、「大きな声で歌え」といったところで、限界があります。次に考えるべきは、「イコライジング」というものです。音を周波数帯別に分けて、低い音を強調したり、高い音を強調したりする棒グラフのようなものを一度は目にしたことがあると思います。
たとえば、女性ボーカルの場合、2kHz辺りが「おいしい」帯域だと言われます。それなのに、ギターやベースがこの帯域の音を強調すると、歌も楽器も両方がグチャグチャしてしまって、聞こえにくくなってしまうのです。こうしたことを避けるための配慮は、演奏者側も音作りの段階でしなければなりませんし、さらにPA(ミキサー)の側でも同じです。ですから、ミキサーを操作する人は「何と何の音が混ざり合ってしまっているんだろう?」ということを聞き分けて、それぞれの楽器を別の帯域に振り分ける作業をしているのです。これが瞬時にできないと「ボーカルが聞こえない」ということになるのです。
お読みいただければお分かりのとおり、これってかなり「聞き分ける耳」を持っていないとできないことです(大舘にはできません)。ただ、訓練を積めば、間違いなく耳は良くなります。ですので、部員たちは楽器の演奏とかアレンジなどの他に、こうした「耳を鍛える」ための修行もしているわけです。修行中の者が操作しているわけですから、ああやって聞き苦しい場面も生じてきますが、そこはあたたかい目と耳で受け止めてあげてください。
ちなみに、プロの音響エンジニアは、ハウリングが起きた瞬間に「どの周波数帯がハウっているのか?」が分かるそうです。ですから、そこが強調されている楽器を抑えたり、あるいはモニターやスピーカーから出る全体の音のうち、そのハウっている周波数帯だけ大幅にカットすることで、速やかに対処できるのです。
最後に「歌が聞こえない」要員をもう一つ。「ボーカルの声が小さい」「PAや演奏者のイコライジング」以外に、もう一つ「ボーカルの聞こえにくさ」の要因としては、「アレンジ」があります。繊細な歌詞を繊細な表現で歌っている後ろで、ギターがギュイーン!と派手な音を出していれば、当然、歌や歌詞は聞こえなくなります。ですから、発表会後の反省会・検討会では、「何をどう聞かせたいのか?」という観点から、コーチや卒業生から様々な指摘がありました。
――いかがでしたでしょうか。次回お越しの際には、こんな点に注意しながら聞いてみてください。もし歌が聴きやすくなっていたら、そのウラで上記3つのどれか(あるいはすべて)がレベルアップした、ということになります。
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日程:2016年6月19日(日)
企画:部内発表会
場所:中大杉並高校 視聴覚室
時間:開場9:50 開演10:00 終演12:30
見学:部員、OBOGのほか、演奏発表のみ保護者に公開
備考:1年生は課題曲発表、2,3年生は夏のコンテストオーディション
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1年生は仮バンドでの課題曲演奏、2,3年生は同じ土俵で、夏のコンテストエントリーバンドを選出するオーディションとなります。
今年の1年生の仮バンド課題曲は以下。
1) SHAKALABBITS "Ladybug"
2) ストレイテナー"EVERGREEN"
3) いきものがかり"ありがとう"
4) TOKIO"AMBITIOUS JAPAN!"
5) flumpool"君に届け"
1)や2)はウチの定番ですが、それ以外では、今年度はキーボーディストが多いために、それ向けの選曲となりました。
2,3年生はどのバンドもオリジナル曲でガチンコ勝負。BESTの楽曲と演奏で中杉音楽部代表を勝ち取ろうという熱意や気合が伝わってくる、良い発表会でした。顧問・コーチ・卒業生による審査の結果、以下のバンドが夏の連盟コンテストにエントリーすることが決定しました.
Magnolia(2&3年)
みやこし(バンド)りさこ(2&3年)
詩面想歌(3年)
CROCUS(2年)
Rabbit bit(3年)
また、JYOJI-ROCKエントリーバンドは以下に決定。
詩面想歌(3年)
メチルオレンジ(2年)
Honey Trap(2年)
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さて、今回の発表会では保護者の皆様にアンケートを書いていただきました。その中で、少し「カラクリ」(いいわけ?)をご紹介できるコメントを拾います。
(1)
まず、1年生ドラムの保護者の方が書いてくださった、コメント「ウチの子が見えない!」について。これは、そのバンドのボーカルの子が「棒立ち」だったことに因るものです。2,3年バンドまでご覧いただいた保護者の皆さまならお分かりのように、上級生の(楽器を持たない)ボーカリストは、左右に動いての「パフォーマンス」が求められます。(もちろん楽器を持っていても、動きようはあります。)そういうわけで、今回のところは、お子様の前に突っ立っていたボーカルの子を恨んでください(笑)。
(2)
次にもっと多かったのが「ボーカルが聞こえない(特に上級生の演奏のとき)」「ハウリングが不愉快」というもの。です。これは同じ話題ですのでまとめて回答します。
ハウリングがなぜ起きるのか。ハウリングとは、スピーカーから出た音をマイクが拾って、それがスピーカーから出て、それをまたマイクが拾って…という循環によって生じる現象です。
特に上級生になるとドラムの音量が増しますので、それに合わせて、各楽器の音量を上げることになります。それはヴォーカルもまた同じ。ヴォーカルの音量を上げる――特に音を拾う際の感度(=Gainと言います)を上げると、上記のようにスピーカーから出た音を拾いやすくなるために、ハウリングが起きやすくなります。このドラムを始めとした周りの楽器陣に負けないだけの声量があれば、Gainを上げなくて済みますので、ハウリングは起きにくくなります。ですから、部員には「ハウリングが起きたらVo.の力量不足だと思え」と言っています。
プロの歌手で(外見とか個性ではなく)ちゃんと歌で勝負できている人の中で、声量の少ない人はいませんし、音響とか録音のエンジニアで「歌の上手い人」は、すなわち「声量のある人」です。井上陽水とか玉置浩二とか、声量がすごいんだそうです。
もちろん、「大きな声で歌え」といったところで、限界があります。次に考えるべきは、「イコライジング」というものです。音を周波数帯別に分けて、低い音を強調したり、高い音を強調したりする棒グラフのようなものを一度は目にしたことがあると思います。
たとえば、女性ボーカルの場合、2kHz辺りが「おいしい」帯域だと言われます。それなのに、ギターやベースがこの帯域の音を強調すると、歌も楽器も両方がグチャグチャしてしまって、聞こえにくくなってしまうのです。こうしたことを避けるための配慮は、演奏者側も音作りの段階でしなければなりませんし、さらにPA(ミキサー)の側でも同じです。ですから、ミキサーを操作する人は「何と何の音が混ざり合ってしまっているんだろう?」ということを聞き分けて、それぞれの楽器を別の帯域に振り分ける作業をしているのです。これが瞬時にできないと「ボーカルが聞こえない」ということになるのです。
お読みいただければお分かりのとおり、これってかなり「聞き分ける耳」を持っていないとできないことです(大舘にはできません)。ただ、訓練を積めば、間違いなく耳は良くなります。ですので、部員たちは楽器の演奏とかアレンジなどの他に、こうした「耳を鍛える」ための修行もしているわけです。修行中の者が操作しているわけですから、ああやって聞き苦しい場面も生じてきますが、そこはあたたかい目と耳で受け止めてあげてください。
ちなみに、プロの音響エンジニアは、ハウリングが起きた瞬間に「どの周波数帯がハウっているのか?」が分かるそうです。ですから、そこが強調されている楽器を抑えたり、あるいはモニターやスピーカーから出る全体の音のうち、そのハウっている周波数帯だけ大幅にカットすることで、速やかに対処できるのです。
最後に「歌が聞こえない」要員をもう一つ。「ボーカルの声が小さい」「PAや演奏者のイコライジング」以外に、もう一つ「ボーカルの聞こえにくさ」の要因としては、「アレンジ」があります。繊細な歌詞を繊細な表現で歌っている後ろで、ギターがギュイーン!と派手な音を出していれば、当然、歌や歌詞は聞こえなくなります。ですから、発表会後の反省会・検討会では、「何をどう聞かせたいのか?」という観点から、コーチや卒業生から様々な指摘がありました。
――いかがでしたでしょうか。次回お越しの際には、こんな点に注意しながら聞いてみてください。もし歌が聴きやすくなっていたら、そのウラで上記3つのどれか(あるいはすべて)がレベルアップした、ということになります。
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日程:2016年6月19日(日)
企画:部内発表会
場所:中大杉並高校 視聴覚室
時間:開場9:50 開演10:00 終演12:30
見学:部員、OBOGのほか、演奏発表のみ保護者に公開
備考:1年生は課題曲発表、2,3年生は夏のコンテストオーディション
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