ものづくり現場の体験から ~ 現場人材の育成こそ勝負の分かれ目~
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本シリーズ(全16回)は過去に体験した"ものづくり"の現場を、技術士メンバーが交代でお役立ち情報として提供したいと企画しました。本ブログを通して色々と意見交換ができたらと思います。
よろしくご愛読ください。
第7~9回を担当します技術士の奥村 貞雄です。
社会インフラ機器製造の現場体験から、お話をさせて戴きます。
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■第9回 現場人材の育成こそ勝負の分かれ目
現場力は、ものづくり現場技術者の実力で決まる:
1980年代中頃、米国は、まだまだ、ものづくりには自信を持っていた時期、GEの工場を見て、大いに学んだことがあります。当時、工場の一角に生産技術に関する開発エリアを持ち、大学出の技術者を配置し、生産ラインの設備自動化の開発を行っていたのです。自前の自動化設備の開発を通して現場人材の育成を図っているとの説明でした。
帰国後、例に従い、少数ではありましたが、優秀な技術者を集め、自前の自動化設備を開発させることと共に、ものづくり現場技術者の育成に努めたものです。
その4,5年後、GEが少し力を抜いたこともあって、GEに追いつき、追い越したことをよく覚えています。
まさしく、現場力は、ものづくり現場技術者の実力で決まります。
ものづくり現場技術者はIT活用の第一人者たるべし:
前項で述べた事例で、当時の自動化設備を動かすソフトの作成は、当然ですが、自前のIT技術者にさせました。このことは、自動化設備の運転開始後のメンテナンスや、トラブル処理に有効であったと記憶しています。
又、生産準備の段階で、ボール紙を使っての職場、設備の仮想空間化は、物理的であるが故に、気付き(カイゼン)活動は、生産現場の小さな領域でのものでしかなかったと思っています。
これからの時代、この気付き(カイゼン)活動は、仮想空間化をめざした職場・設備の機能化活動との同期化が必要だと云われています。そのためにも、ものづくり現場技術者への高度なIT教育が必須であり、ものづくり現場技術者は、IT活用の第一人者たるべしと考えます。
生産現場最適から全体経営最適への道を進もう:
ものづくりの強さは人の強さであり、ものづくりの主役は人だと云われています。生産現場の人材の育成こそ、事業を生かすか否かの勝負のポイントだと思います。
めざす現場技術者の備え持つものは、従来の領域での気付き(カイゼン)力だけでは、もはや不十分であり、高度なIT技術を駆使する仮想職場での生産準備力を兼備えた技術者でなければなりません。
こうして出来上った生産現場最適の状況は、そのまま、全体経営最適の道へつながって行くものと確信しています。
有難うございました。次回より、服部 道夫 が担当します。
奥村 貞雄(技術士、(公社)日本技術士会 神奈川県支部会員)
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日本技術士会神奈川県支部
http://www.engineer.or.jp/c_shibu/kanagawa/
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本シリーズ(全16回)は過去に体験した"ものづくり"の現場を、技術士メンバーが交代でお役立ち情報として提供したいと企画しました。本ブログを通して色々と意見交換ができたらと思います。
よろしくご愛読ください。
第7~9回を担当します技術士の奥村 貞雄です。
社会インフラ機器製造の現場体験から、お話をさせて戴きます。
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■第9回 現場人材の育成こそ勝負の分かれ目
現場力は、ものづくり現場技術者の実力で決まる:
1980年代中頃、米国は、まだまだ、ものづくりには自信を持っていた時期、GEの工場を見て、大いに学んだことがあります。当時、工場の一角に生産技術に関する開発エリアを持ち、大学出の技術者を配置し、生産ラインの設備自動化の開発を行っていたのです。自前の自動化設備の開発を通して現場人材の育成を図っているとの説明でした。
帰国後、例に従い、少数ではありましたが、優秀な技術者を集め、自前の自動化設備を開発させることと共に、ものづくり現場技術者の育成に努めたものです。
その4,5年後、GEが少し力を抜いたこともあって、GEに追いつき、追い越したことをよく覚えています。
まさしく、現場力は、ものづくり現場技術者の実力で決まります。
ものづくり現場技術者はIT活用の第一人者たるべし:
前項で述べた事例で、当時の自動化設備を動かすソフトの作成は、当然ですが、自前のIT技術者にさせました。このことは、自動化設備の運転開始後のメンテナンスや、トラブル処理に有効であったと記憶しています。
又、生産準備の段階で、ボール紙を使っての職場、設備の仮想空間化は、物理的であるが故に、気付き(カイゼン)活動は、生産現場の小さな領域でのものでしかなかったと思っています。
これからの時代、この気付き(カイゼン)活動は、仮想空間化をめざした職場・設備の機能化活動との同期化が必要だと云われています。そのためにも、ものづくり現場技術者への高度なIT教育が必須であり、ものづくり現場技術者は、IT活用の第一人者たるべしと考えます。
生産現場最適から全体経営最適への道を進もう:
ものづくりの強さは人の強さであり、ものづくりの主役は人だと云われています。生産現場の人材の育成こそ、事業を生かすか否かの勝負のポイントだと思います。
めざす現場技術者の備え持つものは、従来の領域での気付き(カイゼン)力だけでは、もはや不十分であり、高度なIT技術を駆使する仮想職場での生産準備力を兼備えた技術者でなければなりません。
こうして出来上った生産現場最適の状況は、そのまま、全体経営最適の道へつながって行くものと確信しています。
有難うございました。次回より、服部 道夫 が担当します。
奥村 貞雄(技術士、(公社)日本技術士会 神奈川県支部会員)
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日本技術士会神奈川県支部
http://www.engineer.or.jp/c_shibu/kanagawa/
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