ビジネスBLOG @神奈川中央会
神奈川県中央会が提供する中小企業支援情報です!
 



 神奈川県中央会では、3つのテーマによる専門家の記事を載せています。

 本日は「事業承継」をテーマとした、弁護士法人フェニックス 弁護士 伊藤 博氏の第25回目の記事となります。


 親が遺言をして後継ぎである子供に、全財産を譲ったとしても、相続人である他の子供には、事業の承継者であろうとなかろうと、子供であるだけで、「遺留分」という最低限の相続の権利を認め、その権利の回復を求めることができることになっている。「遺留分(いりゅうぶん)減殺(げんさい)請求権(せいきゅうけん)」といわれる。

 例えば、遺産が不動産(自社工場の敷地)及び会社株式等、で総額1億2000万円、相続人が3人(妻・長男・次男)、先代社長である夫がすべての財産を遺言で、長男に譲ったとしても、二男は遺産の8分の1である1500万円の遺留分を持つ(民法887条1項・1028条2号・1044条・900条1号)。そして、二男は、父の遺言に納得しない場合には、長男に対してこの遺留分1500万円の権利回復を求めて、それを行使することができるのである(民法1031条)。

 遺留分の事前放棄(遺産に対する権利は要りませんよ、ということ)は、つまり上記の例でいえば、父が亡くなる前に、二男(父や後継ぎである長男ではないことに注意)が家庭裁判所に申立て、その許可を得なければ出来ない(民法1043条1項)。

  

 従って、遺留分の事前放棄は放棄者にとって手続が面倒なことと、何のメリットもないのであまり利用されない。

 

 父である先代経営者亡きあと、相続人である妻や子供達が会社経営に影響を及ぼす相続財産をめぐって、分捕り合戦を演ずるようになっては、会社経営もあやしくなってくる。

 しかし、1.赤字による倒産の危機、2.儲かると脱税騒動、3.労使紛争、4.同族間の経営・財産をめぐるお家騒動、の4つを経験して企業も一人前の大人の会社になった、とも言われることがあるように、先代の残した会社や財産をめぐって兄弟親族間で相続争いをすることも、子供が麻疹やおたふくかぜにかかって、これらを克服し一人前の大人になるように、企業の成長過程のひとコマであると考えることができれば良いのである。

 経営承継円滑化法は、遺留分をめぐる推定相続人間の争いを未然に防ごうというものである。

                     〔この項 つづく〕

弁護士法人フェニックス http://www.big-phoenix.jp/



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 神奈川県中央会では、3つのテーマによる専門家の記事を載せています。

 本日は「労働関連情報」をテーマとした株式会社人財経営センター須田労務マネジメント事務所 須田徹也氏の第41回目の記事となります。


 昨年は人事、労務、社会保険の分野においても、厳しい経済情勢を反映した話題で持ち切りでした。そこで今回は、昨年を振り返り特に話題の多かったテーマのキーワードを5つ取り上げてみます。

 第1位から第3位までは雇用問題に関するキーワードが並びました。その中でも「雇用調整」は1年間の雇用情勢を総括したテーマと言えます。

 第4位の「ねんきん定期便」は、社会保険庁の杜撰な管理による消えた年金記録の解決策として、全国民に送られてきています。

第1位   

「雇用調整」

 リーマンショックによる世界的な景気減速を背景に、規模の大小を問わず雇用調整が広く行われました。企業特性や経営状況によってどのような対策をとるかは異なりますが、中小企業では人件費削減に直結する休業、賃金引下げ、整理解雇が多く見られました。

第2位   

「派遣切り」

 派遣契約を解約され、住む家を失った失業者向けに年越し派遣村が特設されました。年末年始のテレビニュースはどこも「派遣切り」や「派遣村」を報道していましたので、1年経ってもまだ記憶に新しいところです。規制緩和により急拡大した労働者派遣事業ですが、派遣労働者の雇用が不安定であるとの批判を受け、今年の通常国会で労働者派遣法の改正が審議される予定です。

第3位   

「内定取り消し」

 昨年の1~3月は4月入社を控え、内定取り消しが相次ぎました。内定通知を出した後にリーマンショックが襲いかかり、断腸の思いで内定を取り消さざるを得なかった企業もあります。そして、安易な内定取り消しを避けるのを目的として、企業名が公表されるようになりました。

しかし、企業名公表という社会的制裁以上に雇用情勢の悪化が加速しており、新卒者の内定率は過去に例をみないくらい低迷しています。

第4位   

「ねんきん定期便」

 5,000万件にものぼる宙に浮いた年金記録の解明と信頼性を高めるため、昨年4月から誕生月に「ねんきん定期便」が送られています。

 年金は複雑なのが難点ですが、老後生活の支えでもあり、また本人の記憶でしか判らないものもあるので、自己管理が一層必要になります。

第5位   

「メンタルヘルス」

 コンピューター化、企業競争の激化などを原因として精神疾患に罹患した社員が急増しています。以前までは、情報サービス業に代表されるコンピュータ関係の業界で多くみられましたが、昨今では様々な業種でみられます。早期発見と早期治療が決め手です。

株式会社人財経営センター須田労務マネジメント事務所 http://www.jinzai-info.com



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 神奈川県中央会では、3つのテーマによる専門家の記事を載せています。

 本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士 竹内幸次氏の第44回目の記事となります。


株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「常に顧客から必要とされる企業になる」に続いて、今回は「中小企業経営の基本」がテーマです。

不確実性が高い時代は基本に徹する

景気浮揚か、二番底か。中小企業経営を巡る環境は今後も不確実性が高いと予想されます。経営者はエコノミストではありませんから、客観的に論じることよりも、1つの行動を着実にこなし、コツコツと進むことが得策です。

このような不確実性が高い時代では、経営の基本に徹することが有効です。創業年数が経過した老舗企業こそ、経営の基本を再認識して、今後の方向を探っていきましょう。

中小企業経営の基本

(1)社長がすべて

新製品開発やイノベーションの指揮、金融機関からの借入等、社長の役割が多大です。社長が自社のミッションとビジョンを明確に持つことがとても重要です。常に前向きな姿勢を保つことは社長の重要な仕事です。

(2)代わりがきかない従業員が多い

大企業は仕組みで動く組織ですが、中小企業は人で動く組織です。スキルも人に付きます。また、組織に馴染む人材は貴重で、縁故や紹介による採用が一般的です。資金の借換えよりも人材の再調達の方が難しいものです。人を活かしきることが中小企業経営の基本です。

(3)迅速対応こそ最大の武器

早朝、深夜、土日等、小回りを利かせた対応ができることが強みです。朝決めたことを夕方には実行して結果を出す。このような迅速性が武器です。御社では俊敏さという中小企業の最大の武器が錆付いていませんか?

(4)小さな市場も顧客にできる

大企業は一定規模の市場がないと参入しませんが、中小企業は小さな市場、ニッチな市場でも参入できます。ビッグなビジネスを追い求めるよりも、小さな市場を数多く持つことでリスク分散します。

(5)ネット活用で市場を広げる

大企業よりも小規模企業の方が新規顧客を獲得メリットを享受しやすいのが電子商取引です。取引先が固定化せず、ある程度流動的である現在は、ネットで新規取引先を探すことはとても有効です。

(6)魅力を発信する

ビジネスブログ、ツイッター、YouTube等、中小企業が魅力を発信することができるWebサービスが沢山あります。自社の強み、自社の魅力を積極的に公開することは、経営の基本です。

以上

株式会社スプラム代表取締役 竹内幸次 http://www.spram.co.jp

中小企業診断士竹内幸次ブログ http://blog.goo.ne.jp/2300062/



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 神奈川県中央会では、3つのテーマによる専門家の記事を載せています。

 本日は「事業承継」をテーマとした、弁護士法人フェニックス 弁護士 伊藤 博氏の第24回目の記事となります。


 後継者は、経営のノウハウを引き継ぎたい、被後継者は引き継がせたいと思うだろう。

 ところで、経営を承継するとは、どういうことだろうか。

 「アッ!私の顔がない!!」。鏡が曇っているのだろうか、手で顔をツルリとなでると、そこには何もない。昔、インドに演(えん)若(にゃ)さんという美貌の女性修行者がいた。ある朝、起きて顔を洗おうとして鏡を見たときのことだ。

 あわてた演若さんは、村中を駆け回った。「私の顔はどこへ行ったの・・・」。

 その姿を見て、村人は皆、言った。「あなたの肩の上に、顔も頭もちゃんとついているではないか」。それでも気がつかない。彼女のお師匠さんのお釈迦様がやって来て、横面をピシャリと叩いた。そこで、やっと気が付いた。「肩の上には、頭も顔もちゃんとついている」と。

 中小企業の社長も後継者も、会社の経営に何か引き継ぐべきものがあるのではないか、と探してもとめていることはないだろうか。

 経営の承継とは譬えてみれば、演若さんにも、お釈迦様にも、顔や頭が同じようについていることに気付くことだ。顔・頭が経営で、身体が会社だ。顔・頭のついていない人はいない。経営のない会社は存在しない。

 お釈迦様が、演若さんの横面をピシャリと叩いたのは、気付かせるためだった。

 「経営承継とは、後継者自身が会社を経営することである」ということに気づかない、社長さんが多い。

 承継することに熱心になることは良いが、そんなに簡単に経営承継がうまくゆく筈がない。

 どんな本を読んでも、経営承継は長年かかる、と書いてある。

 1通の遺言を書いただけで、経営承継は上手くゆかない。経営承継も「会社経営のひとこまにすぎない」と考えておくとよいだろう。現経営者は、「自分の人生は今しかない」ことを念頭におき、何時、社長を引くか、を考えていると経営承継も上手くゆく確率が増す。

 弁護士法人フェニックス http://www.big-phoenix.jp



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 神奈川県中央会では、3つのテーマによる専門家の記事を載せています。

 本日は「労働関連情報」をテーマとした株式会社人財経営センター須田労務マネジメント事務所 須田徹也氏の第40回目の記事となります。


 先日、出張で仙台に向かうとき、車中の時間潰しと思って経済誌を購入しました。普段は滅多に買うことのない雑誌でしたが、手頃な価格とボリュームに手が伸びました。一通り目を通したところ「過払い金返還請求と残業代請求」という不可解なタイトルが目に入りました。両者には何の関係もないはずで、まさか消費者金融業に勤めている社員が、勤務先の会社に過払い金と未払い残業代を請求しているのかと思いながら、興味深く読み進めました。

 過払い金返還請求とは、改正貸金業法に基づき上限金利が引き下げられたことにより、消費者金融に払い過ぎていた利息の返還を本人に代わって弁護士や司法書士が代理で行うものです。この返還請求はテレビコマーシャルなどの宣伝効果もあって相当数にのぼり、消費者金融業界に甚大な影響を及ぼしているのは、周知のとおりです。

 そして、そろそろピークを迎えているとのことで、次のターゲットとして残業代の未払い請求に焦点が当てられると書かれていました。タイトルでは容易に理解できませんでしたが、ようやくこの記事の主旨が把握できました。

 過払い金の返還請求と残業代の未払い請求の方法には共通性があり、過払い請求で培ったノウハウを残業代請求にも十分に生かせるそうです。そのうえ、弁護士数が急増して競争が激化し、新しいマーケットとして残業代未払い請求に矛先が向くと記されています。

 確かに、残業代請求がテレビコマーシャルやラジオで広く喧伝され、覚えのある人がノウハウを持った弁護士事務所に駆け込んだら、会社への影響は測り知れません。

 この記事について、過去にサービス残業問題で痛い目に遭った経験のある社長に話したところ、「テレビで過払い金返還のコマーシャルをよく見かけるけど、品があるとは言えないね」とチクリ。しかし、少し不安げな顔色でした。

 また、ある会合で同席した弁護士さんに意見を聞くと、「残業代の請求は有り得るね。弁護士だって商売だから。宣伝するのは自由じゃないのかな。」と。

 仙台への出張はセミナー講師の仕事でした。テーマは「改正労働基準法と労働時間管理」。タイムリーなテーマでもあったので、鞄からその雑誌を取り出して記事の内容を説明し、時間管理の重要性を説明しました。

 テレビで大々的にコマーシャルが流れても、皆さんの会社は大丈夫ですか?

 株式会社人財経営センター須田労務マネジメント事務所 http://www.jinzai-info.com



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