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本日は、「経営に関する法律情報」をテーマとした法律事務所 佐(たすく)
弁護士 佐々木光春氏の13回目の記事となります。
今回のテーマは「賃貸借契約の勘所(その2)」です。
なお、前回のブログを見逃した方はこちらからご覧いただけます!
賃貸借契約の勘所(その1)
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経営に関する法律情報 第13回



賃貸借契約の勘所(その2)


「賃料の支払を怠っていないのに、大家さん(地主さん)から、建物(土地)を明け渡して欲しいと言われたが明け渡さなければならないか」
といって契約期間が満了している賃貸借契約書をご持参される相談は、賃貸借契約に関して私たちが受ける典型的な相談の一つです。


通常の契約ですと、契約書に定められている契約期間が満了すると契約は終了しますので、
賃貸借契約にもその考え方をあてはめると、大家さんの言い分は正しいようにも思えます。

しかし、建物の所有を目的とする土地賃貸借や建物賃貸借契約については、
借地借家法という特別な法律が適用される結果、契約書で定められている契約期間が満了しても、直ちに契約終了とは言えないのです。

したがって、これらの土地や建物の賃貸借契約の場合には、大家さんの退去要求に借地借家法の存在をもちだして対抗する余地が出てくることになります。
なお、土地の賃貸借契約については、建物の所有目的でなければ借地借家法の適用対象にならない点には注意が必要です。
たとえば、運送業などを営むために使用している駐車場のように、営業に不可欠な土地の賃貸借であったとしても、
それが建物所有目的でない場合には、「期間が満了したので出て行ってくれ」という大家さんの言い分に借地借家法をもちだして
対抗することはできなくなってしまうのです。


 
では、借地借家法は、契約期間満了時の土地や建物賃貸借契約の取扱いについて、どのような定めを設けているのでしょうか。


まず、土地については、借地借家法5条と6条が重要です。
条文自体は若干読みにくいですが、簡単に言ってしまえば、

期間満了時に土地の賃貸借契約が更新されるか、終了するかは以下のように考えられることになります。


① 契約期間が満了する場合であっても、借主が契約の更新を請求した場合には、原則として契約は更新される(借地借家法5条1項)。

② ①にあたらなくても、契約期間満了後、借主が引き続き土地に建物を有してその使用を継続している場合にも、
  原則として契約は更新される(借地借家法5条2項)。

③ 貸主が、①②の契約更新を拒絶するためには、「正当の事由」が認められる異議を遅滞なく述べる必要がある
  (借地借家法5条1項但書、同条2項、6条)。


要するに、借地借家法は、借主が契約の更新を希望しているような場合には、
契約更新がなされることを前提とし、この契約更新を拒絶するためには、「正当の事由」が必要だとしているのです。

 
次に建物の賃貸借契約ですが、建物については、借地借家法26条と28条に土地と同じような、以下の趣旨の規定があります。


① 契約期間が満了したとしても、貸主が期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、
  「正当の事由」をもって、契約を更新しない旨の通知をしていない場合には、契約更新される(借地借家法26条1項及び28条)。

② 貸主が①の通知をした場合であっても、期間満了後、借主が建物の使用を継続しており、
  これに貸主が遅滞なく異議を述べない場合にも、契約更新される(借地借家法26条2項)。



このように、建物についても、借地借家法は、貸主の更新拒絶などの積極的な行為がない限り契約を自動的に更新することとしており、
この更新拒絶にも「正当の事由」が必要だとしているのです。


以上のとおり、建物所有目的の土地賃貸借契約や建物賃貸借契約は、契約書で定められた期間が満了し、
貸主が契約更新を拒絶している場合であっても、その更新拒絶に「正当の事由」が認められない限り、契約は自動的に更新されることになります。


したがって、大家さんに「契約期間が満了したので、退去して欲しい」と言われたとしても、
「借地借家法の定める正当の事由がないのであれば、契約は更新されているから退去しなくていいはずだ」と対抗できることになります。



問題は、どのような場合に「正当の事由」があると言えるのかですが、こちらについては、次回お話ししたいと思います。

  


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法律事務所 佐(たすく)
 弁護士 佐々木 光 春

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