神奈川県中央会では、3つのテーマ(「経営革新情報」、「ビジネスITスキル情報」、「労務管理情報」)による専門家の記事を載せています。
本日は「経営革新」をテーマとした中小企業診断士竹内幸次氏の200回目の記事となります。
前回のブログを見逃した方はこちらからご覧いただけます!
最低賃金1,000円超え時代の中小企業の生産性アップの具体策
--------------------------------------------------------------------------------
第200回 ”ポストキャッシュレス還元”の販売戦略
株式会社スプラムの中小企業診断士竹内幸次です。前回の「最低賃金1,000円超え時代の中小企業の生産性アップの具体策」に続いて、今回は「”ポストキャッシュレス還元”の販売戦略」がテーマです。
--------------------------------------------------------------------------------
消費増税とキャッシュレス消費者還元事業のスタート
2019年10月1日から予定通り消費税率が10%に引き上げられました。同時に開始されたキャッシュレス消費者還元事業は月あたり還元上限額があるものの、5%還元は増税%以上の還元%であり、消費者からすると魅力的と受け止められています。
一方、売り手である中小企業のなかにはキャッシュレス消費者還元事業を最大のチャンスと捉えて販売促進を強化する中小企業もあれば、結局はキャッシュレス導入を見送ってしまった中小企業もあります。導入を見送った中小企業のなかには消極的であったのではなく、むしろ方針として見送った企業もあります。
10月上旬にニュースで報道されたように、食品を扱う店舗ではレジでの顧客への説明に時間が掛かったり、誤解からクレームが来たりとバタバタ感が数多く見られましたが、このバタバタ感も徐々に収まっているようです。
キャッシュレス消費者還元事業で得た顧客をファンにする
キャッシュレス消費者還元事業の期間中は従来とは異なる顧客も来店する可能性があります。ホームページやブログ、各種のSNSで自店がキャッシュレス消費者還元事業に参加していることをしっかりとアピールしていきましょう。
ポイントは初回に来店した際にファンにしてしまうことです。初回は5%還元の魅力で来店しても、リピート客にするには店舗の魅力を理解してもらうことが必要です。以下のようなことをしていきましょう。
【5%還元来店客をリピーターにするポイント】
・レジで自店のコンセプトや商品、サービスのこだわりを説明したカードを渡す
・接客サービスに力を入れる
・初回来店時にメンバーズ入会を促す
・LINE@の登録やインスタ、ツイッターのフォローを促す
”ポストキャッシュレス還元”を考え始める時
キャッシュレス消費者還元事業は2020年6月末で終了となります。中小企業経営からすれば、2020年7月からが実質的な消費増税とも言えます。今からキャッシュレス消費者還元事業後の販売戦略を考えるようにしましょう。
【”ポストキャッシュレス還元”の販売戦略】
・キャッシュレス消費者還元事業期間中に新規に来店した顧客へのアプローチを強化する
・選別購買(顧客が商品やサービスをより厳格に選別する購買)を意識して差別化を強化する
・SNS等で周囲に知らせたくなるようなポイントを付加する
・低価格販売や送料無料の魅力よりも品質や顧客満足の高さをアピールする