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本日は、「経営に関する法律情報」をテーマとした法律事務所 佐(たすく)
弁護士 佐々木光春氏の16回目の記事となります。
今回のテーマは「賃貸借契約の勘所(その5)」です。
なお、前回のブログを見逃した方はこちらからご覧いただけます!
賃貸借契約の勘所(その4)
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経営に関する法律情報 第16回



賃貸借契約の勘所(その5)


今回は、賃貸借契約終了後にトラブルとなる原状回復についてお話しします。
 
事業用の賃貸物件の場合、賃貸人から賃借したときの状態でそのまま物件の使用を開始することは多くなく、
賃借人が事業のための模様替えや造作設備の設置などを行った上で使用をはじめるのが通常です。

特に、これらの内装設備や造作設備は、高額なものも多く、撤去や処分にも多額の費用がかかりますので、賃貸借契約終了時にトラブルとなるのです。



このようなトラブルを避けるためにも契約書の定めが重要となりますが、原状回復に関する定めは多種多様です。

一般的な、考え方として分類すると以下の4つがあります。

①スケルトン状態に戻して返還する

②返還時の状況のまま居抜き状態で返還する

③賃貸借契約を締結した時の状況にまで戻して(内装設備等を再設置して)返還する

④賃貸借契約後に設置した物を撤去し、賃借人の責めに帰すべき理由によって生じさせた汚破損は修復するが、
 経年変化や自然損耗部分はそのままで返還する



上記のうち、どれがもっとも賃借人にとって有利かは、一概には言い難く、
一般的には賃貸人から引渡を受ける際の物件の状況と、契約締結後に設置する予定の設備等を検討して判断することになります。


たとえば、スケルトンの状態で引渡を受ける場合に、
①の定めとすることは、自身で設置した設備等を撤去するだけということになりますが、居抜きなど内装設備が存在する状態で引渡を受ける場合に、
①の定めとしてしまうと、自身で設置していない設備まで撤去しなければならなくなります。

そのため、このような契約とする場合には、多額の撤去費用がかかる設備が設置されていないかなどをあらかじめ確認する必要があります。


また、③④の定めの場合には、賃貸借契約を締結した時の物件の状況を基準にして原状回復を行うことになりますので、
賃貸借契約を締結した時の物件の状況が重要になります。


そのため、このような定めとする場合には、契約書に物件内の状況を確認できる図面や写真を添付するなどして、
賃貸借契約を締結した時の物件の状況を明らかにしておき、契約締結後に現状変更する場合にも、
その都度変更内容を賃貸人と確認しておくことが重要となります。


原状回復に関しては、契約書上明確な定めがない限り上記④によるとする最高裁判決(平成17年12月16日)があり、
これが事業用物件にも適用されるかが問題となりますが、
トラブルを避けるという観点からは、このような最高裁判例の適否が問題となること自体を避けられるように原状回復について
契約書上明確な定めを設けておき、また、賃貸借契約締結時の物件の状況をしっかりと確認しておくことが肝要です。




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法律事務所 佐(たすく)
 弁護士 佐々木 光 春

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