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神奈川県中央会では、3つのテーマ(「経営革新情報」、「経営に関する法律情報」、
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本日は、「経営に関する法律情報」をテーマとした法律事務所 佐(たすく)
弁護士 佐々木光春氏の15回目の記事となります。
今回のテーマは「賃貸借契約の勘所(その4)」です。
なお、前回のブログを見逃した方はこちらからご覧いただけます!
賃貸借契約の勘所(その3)
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経営に関する法律情報 第15回



賃貸借契約の勘所(その4)


前々回、前回とお話ししたとおり、土地や建物の賃貸借契約の自動更新は、借地借家法の適用が認められる賃貸借契約にしか適用がありません。
  
前々回、借地借家法の適用が認められない賃貸借契約として、建物の所有を目的としない土地賃貸借契約のお話しをしましたが(同法2条1号)、
以下の4つの形態の賃貸借契約についても、借地借家法自身が、自動更新に関する規定の適用から除外しています。
 

ⅰ.定期借地・借家契約(借地借家法22条、38条)

ⅱ.一時使用目的の借地・借家契約(借地借家法25条、40条)

ⅲ.事業用定期借地契約(借地借家法23条)

ⅳ.取壊し予定の建物の賃貸借契約(借地借家法39条)



ⅰのうち、定期借家は、実務上頻繁に利用されている契約形態です。
したがって、大家さんから期間満了を理由に立退きを求められた場合には、定期借家に該当しないか確認する必要があります。
この形態の契約では、契約書に「契約の更新がない」と明記されておりますので、
定期借地・定期借家に該当するかは、まず、この文言の有無の確認からはじめることになります。

もっとも、契約書にこのような文言を入れただけでは、定期借地・定期借家に該当するとは直ちに言えません。
具体的には、定期借地の場合には、契約期間が50年以上とされていなければならず、
また、定期借家の場合には、契約更新がない旨の説明を契約書とは異なる書面でしなければならないとされております
(借地借家法38条2項、最高裁平成24年9月13日判決)。

そこで、契約書に「契約の更新がない」と明記されている場合には、賃貸借の期間と説明文書の存在を確認して、
定期借地・定期借家に該当するかどうかの判断をすることになります。



ⅱの一時使用目的の借地・借家契約もそのような表題がつけられた契約書は実務上しばしば見られます。
もっとも、一時使用目的の借地・借家契約にあたるかどうかは、定期借地・定期借家と異なり、形式面だけから判断することはできません。

具体的には、一時使用目的の借地・借家契約とされるためには、賃貸借期間について短期間の合意があるといえなければならず、
かつ、その合意の成立に客観的合理的な理由が存在しなければならないと考えられています
(借地について最判昭和43年3月28日、借家について東京地判昭和54年9月18日)。

一時使用目的の借地の例としては、博覧会場、祭典式場などがあげられ、
一時使用目的の借家の例としては、選挙事務所や簡易宿泊所などがあげられています。

これらの例からも、一時使用目的が容易に認められるものでないことはおわかりいただけるかと思いますが、
短期間で達成される目的を定めて賃貸借契約を締結しているような場合には、微妙な判断が必要になることもあります。



ⅲの事業用定期借地契約は、広い意味における定期借地です。
定期借地と異なるのは、定期借地が50年の期間である必要があるのに対して、
それよりも短期間で自動更新を排除することも可能としている点に違いがあります。

事業用定期借地契約として認められるためには、


a.専ら事業の用に供する建物の所有を目的とすること、
b.公正証書によって契約すること

が要件となっています。



ⅳの取壊し予定の建物の賃貸借契約は、法令や契約により、
一定期間経過した後に建物を取り壊すことが明らかな場合に締結される賃貸借契約で、
契約の終了時を建物が取り壊されるべき時としたものです。



以上のとおり、土地や建物の賃貸借契約でも自動更新が認められない形態のものもありますので、
賃貸借契約を締結する際には、これらのものにあたらないかどうかを確認しておく必要があります。


  


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法律事務所 佐(たすく)
 弁護士 佐々木 光 春

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