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神奈川県中央会では、3つのテーマ(「経営革新情報」、「経営に関する法律情報」、
「ビジネスITスキル情報」)による専門家の記事を掲載しています。

本日は、「経営に関する法律情報」をテーマとした法律事務所 佐(たすく)
弁護士 佐々木光春氏の3回目の記事となります。
今回のテーマは「契約書がない取引の規律(その1)」です。
なお、前回のブログを見逃した方はこちらからご覧いただけます!
マイナンバー法と企業対応(その2)
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経営に関する法律情報 第3回

契約書がない取引の規律(その1)

 大きな企業ですと小さな取引も含めて逐一契約書を締結するのが通常ですが、
中小企業ですと、契約書を整備するのも容易なことではなく、契約書のないまま取引を
行うことも多いかと思います。
 そこで、今回と次回は、主に物品の売買を想定して契約書がない場合に適用される
商法の規定についてお話しします。

 契約書がない場合であっても、取引の都度、注文書や請書を交わしているという会社は
多いと思います。このように注文書や請書を取り交わして取引が行われている場合、
請書の送付があって初めて取引(契約)が成立するとお考えの方も多いのではないかと
思います。
 しかし、商法にはこのような感覚と少しずれる規定があります。商法第509条がそれ
ですが、この規定は、商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを
受けた時は遅滞なく諾否の通知を発することを要し、その通知の発信を怠ったときには、
申込みを承諾したものとみなすと定めています。規定の趣旨を要約すると、日頃から取引を
している相手から注文を受けて、そのまま放っておくと契約が注文の内容で成立してしまう
という規定です。
 
 このように、商法509条は、契約の成否(したがって、納品義務や代金の支払義務の存否)
にかかわる重要な規定ですが、どのような場合にこれが適用されるのか明確ではありません。
 たとえば、「平時取引をする者」に初めての取引相手が含まれないことは分かりますが、
どの程度の回数取引を重ねた相手であればこれにあたるのかは明らかではありませんし、
「遅滞なく諾否の通知」をしない場合に契約が成立することになりますが、どの程度の
期間諾否の通知が遅れれば「遅滞」ありと評価されるのかも不明確です。
 
 このように、商法509条は、承諾の通知を発していないところでも契約を成立させて
しまうという強烈な効果を生じさせる規定であるにもかかわらず、その適用の有無が明確に
判断できないため、継続的な売買を行うために締結される取引基本契約では、その適用を
排除したり、「注文書受領後●営業日以内に諾否の通知がない場合には個別契約は成立した
ものとみなす。」などと定めて承諾の通知を行うべき期間を明確にする等の対応がとられて
いるのです。
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法律事務所 佐(たすく)
 弁護士 佐々木 光 春

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