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神奈川県中央会では、3つのテーマ(「経営革新情報」、「ビジネスITスキル情報」、「労務管理情報」)による専門家の記事を載せています。

本日は、「労務管理情報」をテーマとした社会保険労務士法人ことのは 社会保険労務士 益子英之氏の1回目の記事となります。
今回のテーマは「始業時刻の考え方」です。


第1回 始業時刻の考え方

労務管理の専門家としての社会保険労務士には経営者層から人事労務に関する相談が寄せられますが、その中でも労働時間に関する相談は多いものになります。労働時間とは、使用者の指揮命令下にある時間であり、使用者には賃金の支払い義務が発生する時間です。また、始業と終業の時刻は、就業規則や労働条件通知書などで必ず労働者に明示することが必要な絶対的必要記載事項の一つであり(労基法第15条、89条)、労働者は始業時刻から労働を開始し、終業時刻になったら終了することになります。

出勤してからの始業時刻までは基本的には労働者が自由に使える時間なので、始業時刻より少し早めに出勤をして、今日一日の仕事をスムーズに進めるための準備、スケジュールやメールのチェックなどをしてから始業時刻をむかえるという人は多いでしょう。反対にいつも始業時刻ギリギリに出勤してくる人もいるかもしれません。

そこで、会社が、労働者は始業スタートと同時に高いパフォーマンスで仕事に取り掛かるべきだとの考えから、「始業時刻のギリギリに出勤するようではダメだ。始業時刻30分前までには出勤をすること」を会社のルールにし、始業時刻より前の出勤を促すことに問題があるかと考えてみたいと思います。

 まず、会社が出勤時刻と始業時刻を区別し、労働者に早めの出勤を促すこと自体は問題ありません。ただし、早めに出勤させて仕事をさせたり、決められた時間に出勤しなかった場合に、それを遅刻とみなして賃金カット(遅刻控除)をしてしまうと、出勤時刻とした定めた時刻が始業時刻とみなされますので注意が必要です。また、出勤時刻を定める際に始業時刻との間隔があまり長くなってもなりません。

始業前に社員全員で会社周辺の清掃をするような場合で、掃除の集合時間にいつも遅刻をして清掃をさぼるA社員がいたときに、他の社員から「私たちはいつもまじめに参加しているのにズルい」と苦情があったときは、どう対応するべきでしょうか。

前述のとおり、A社員に対して遅刻としての賃金控除をすると、清掃時間が労働時間としてみなされることになります。それを避けたいのであれば、清掃への参加は義務とはしないが(自主参加)、こうした皆で行う行事等への参加は「人事考課上の一要素」として位置付けし、あまりにも協力的でないときはマイナス評価する、といった対応もできます。

また、始業時刻前に行うものの内容が、本来業務と密接に関係しているものであれば(必要な作業着の着用など)、始業時刻そのものを見直すことを検討すべきです。朝礼を始業時刻前に行う会社も時々ありますが、これは正常な事業運営をするため労働者には出席が義務付けされるものなので、始業時刻後に行うべきでしょう。


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